【美】 Bi The Character for Beauty
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ヒツジを表す羊は漢字の要素としてよく見られます。古代にはよく儀式に使われた動物でもあるからです。善・美・義のような抽象概念を表す漢字の中に特に目立ちます。美の字体はヒツジ全体を示します。羊という字は角を含めたヒツジの上体の輪郭を表し、美の字体にはその下体、特に後脚が加わりました。羊を所有する人はすでにかなりの財産家です。
多神教の世界では、神々に貴重で美しい自然界からの供え物をすることで、神の恩恵を得ようとします。最高の神には犬をささげるのが一番効果的だという考え方もありました。特に神の恵みを受けるための捧げものが大事になってくるのは裁判の時です。裁判は神の審判という形で行われましたので、争う両者はいろいろな神の試しを受ける羊を差し出しました。
元々、文字は神と人との間のコミュニケーションの手段として成立・展開したという考えは白川文字学の出発点です。その立場から見ますと美は神に受け入れられる美、すなわち神が保証した美となります。面白いことに、東アジア以外にも、「世の罪を取り除く神の子羊」(聖書・ヨハネの福音書一・二九)、「私たちの過越の子羊キリスト」(聖書・コリント第一 一・七)などに羊を神のへの捧げものとする考え方があります。
美についてのこの解釈は金文の字形に基づいていますが、もう一つの解釈の可能性もあります。金文よりさらに遡る甲骨文には、羽の飾りを頭につけている形と解釈できる字体もあります。残念ながらその意味を詳しく知ることはもうできません。
■美・金文(きんぶん)
多神教の世界では、神々に貴重で美しい自然界からの供え物をすることで、神の恩恵を得ようとします。最高の神には犬をささげるのが一番効果的だという考え方もありました。特に神の恵みを受けるための捧げものが大事になってくるのは裁判の時です。裁判は神の審判という形で行われましたので、争う両者はいろいろな神の試しを受ける羊を差し出しました。
元々、文字は神と人との間のコミュニケーションの手段として成立・展開したという考えは白川文字学の出発点です。その立場から見ますと美は神に受け入れられる美、すなわち神が保証した美となります。面白いことに、東アジア以外にも、「世の罪を取り除く神の子羊」(聖書・ヨハネの福音書一・二九)、「私たちの過越の子羊キリスト」(聖書・コリント第一 一・七)などに羊を神のへの捧げものとする考え方があります。
美についてのこの解釈は金文の字形に基づいていますが、もう一つの解釈の可能性もあります。金文よりさらに遡る甲骨文には、羽の飾りを頭につけている形と解釈できる字体もあります。残念ながらその意味を詳しく知ることはもうできません。
■美・金文(きんぶん)
- 名前
- 監修:白川文字学研究者『常用字解』英訳 日本思想史・哲学史研究者 シュミッツ・クリストフ
- HP
- http://nippon-kichi.jp/article_list.do?p=5332