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小さな鉞(まさかり)つまり「士」を祝詞の器「口」の上に置く形です。今から50年前に、「口」が人体の口ではなく、祝詞の器をあらわすことが白川文字学ではじめて証明されました。
大きな鉞の頭部を象る「王」という字体からもわかるように、武器である鉞には大変な霊力が宿っていると一般に考えられていました。そして祝詞の器「口」の上に物を置くことは二重の蓋をしていることを表す悟(吾)と同じです。ここでは武士階級の小さな鉞ですが、さらに祈りの効果を上げるために広く人々の行った行動と思われます。そのため、これは軍事のことをも含めて、一般に祝禱(しゅくとう)に用いられます。
一神教でも神様にお願い事をすることはありますが、東洋の宗教のように願い事の現実化の可能性を問う吉凶判断はありません。神社で御神籤(おみくじ)をひくことがよくありますが、一神教ではそれはまったく考えられません。吉凶判断で人々に人生を反省させるという宗教観は、東洋には本来自分の祈りごとをはっきりとさせるという基本伝統があることを示しているのではないでしょうか。
■ 吉・金文(きんぶん)左
■ 吉・甲骨文(こうこつぶん)右
大きな鉞の頭部を象る「王」という字体からもわかるように、武器である鉞には大変な霊力が宿っていると一般に考えられていました。そして祝詞の器「口」の上に物を置くことは二重の蓋をしていることを表す悟(吾)と同じです。ここでは武士階級の小さな鉞ですが、さらに祈りの効果を上げるために広く人々の行った行動と思われます。そのため、これは軍事のことをも含めて、一般に祝禱(しゅくとう)に用いられます。
一神教でも神様にお願い事をすることはありますが、東洋の宗教のように願い事の現実化の可能性を問う吉凶判断はありません。神社で御神籤(おみくじ)をひくことがよくありますが、一神教ではそれはまったく考えられません。吉凶判断で人々に人生を反省させるという宗教観は、東洋には本来自分の祈りごとをはっきりとさせるという基本伝統があることを示しているのではないでしょうか。
■ 吉・金文(きんぶん)左
■ 吉・甲骨文(こうこつぶん)右
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