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2007/12/14


ベンガラ Bengara Bengara

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 ベンガラとは、酸化第二鉄からなる無機赤色顔料の一つであり、人類が使用した歴史上最古の顔料としても知られている。
 漢字では弁柄と書き、紅殻やインド赤、ヴェネツィアンレッドなどとも呼ばれる。
 日本には中国から朝鮮半島を経て、沖縄に伝わったとされ、インドのベンガル地方産のものを輸入していたため、ベンガラと名付けられたという。
 酸化鉄系では最も生産量が多い顔料であるが、化学的には鉄の赤錆と成分的に同じであるため、現在では合成のものが多く、天然に産するものとしては、日本では岡山県高梁市成羽町が、国内唯一の生産地となっている。
 古代には尊い色として珍重され、日本では沖縄の首里城の赤がベンガラの色として有名である。また、着色力や隠蔽力共に優れており、耐熱性や耐水性もあることから、木造建築における防腐の役目も負っていた。
 他の赤色系顔料に比べ鮮明さに欠く印象はあるが、その華やかさは時代を超えて、人々の心を魅了し続けている。
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2007/1/12


宮古上布 Miyakojoufu Miyako-Jofu Fabric

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 宮古上布は、沖縄の大変精緻で滑らか、丈夫な伝統工芸品の麻織物である。
 400年前、琉球王が海難を救った功績を称えて男を問切坊主とした所、その妻は喜び、心を込めて布を織り王に献上した。これが宮古上布の始まりと伝えられる。
 宮古上布は苧麻(ちょま)を原料とする麻織物で、15世紀頃から織られていたと言われている。
 先染めされた糸を図案に従って白い十字になるように織り、模様を出していくのが特徴である。
 7〜8cm織った後で縦の絣糸を針で一本一本上下させてずれを調節していく。細かい作業の上に細心の注意を払うので、大変疲れて時間もかかり、熟練した人で一日20〜30cmしか織れない。
 1975年、伝統的工芸品に指定され、78年、国の重要無形文化財に認定された。沖縄の誇る伝統工芸品である。
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読谷山花織 Yomitanzanhanaori Yomitanzan Hana-Ori

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 読谷山花織(よみたんざんはなおり)とは、沖縄の読谷村で織られる、独特の花模様の織物である。
 14〜15世紀頃の読谷は、長浜港で中国や南方諸国と積極的に貿易を行っていた。その頃に織物も伝えられ、やがて読谷で花織が独自に織れるようになった。
 当時は琉球王朝のための御用布として、読谷住民以外は一般の人々は着用できなかったと伝えられている。
 花織は、可憐で細やかな花模様を色糸で浮かせ、これに絣の風合いをあしらった30種類もの模様を駆使した南国情緒あふれる織物である。
 特に手花で織られる手巾は、昔は祈りの手巾、想いの手巾と呼ばれていた。家族の無事安全を祈り、自分の好きな人の為に想いを込めて織上げ、贈った物である。
 読谷山花織は、織人の想いあふれる美しくも可憐な織物である。
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琉球絣 Ryuukyuu-kasuri Ryukyu Kasuri Ikat

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 琉球絣(りゅうきゅうかすり)は、沖縄の南風原(はえばる)町で織られる絣である。広い意味では、沖縄の絣の総称でもある。
 琉球絣の起源は、14〜15世紀といわれ、東南アジア系の絣を基本とする紋様と、沖縄の自然や動植物の名称を取り入れた図柄が特徴である。
 主として絹糸を使用し、染料は草木染の他、化学染料等が使われている。反物を中心に織られており、夏物の壁上布(かべじょうふ)も生産されている。
 経糸、緯糸、それぞれ決められた図柄によって手括りで仕上げられ、これを染色し、その後括られた部分をほどいて絣模様を作り出し、木製の高機に乗せて手投げ杼(ひ)によって織り上げていく。
 琉球絣の柄・幾何学模様の素朴さは、南国情緒を漂わせている。
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与那国織 Yonaginiori Yonaguni-Ori Textiles

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 与那国織は、日本の最西端にある国境の島、沖縄の与那国島で生まれた、素朴でシンプルな味わいを感じさせる織物である。
 与那国の織物の歴史は古く、おおよそ500年前の16世紀前半には既に貢ぎ物として納められていたであろうと考えられている。
 与那国織は、紋織物の板花織シダティや、優美さを秘めた与那国花織、人々の日常着として今に伝わる平織物のドゥタティ、うね織物のカガンヌブー等、風土と人々の真心によって染め織り上げられた、手作りの逸品である。
 1987年、通産大臣指定伝統工芸品に指定される。
 時の流れと共に色々な技法を取り入れ、伝えられて発展してきた与那国織は、重い伝統と歴史の中に、どこか優しさの感じられる織物である。
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喜如嘉の芭蕉布 Kijoka-no-basyoufu Kijoka Bashofu Textile

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 喜如嘉の芭蕉布は、沖縄手織りの中でも最古の1つであり、主に喜如嘉で織られる、沖縄を代表する織物である。
 芭蕉布は、13世紀頃にはすでに作られていたと考えられるが、人々の間に広まったのは近世になってからのことである。
 家の庭や畑に芭蕉の木を植え、主婦や娘たちが自家用の布を織っていた。19世紀に入ると絹や綿が出回るようになったが、あいかわらず芭蕉布は人々に親しまれていた。この伝統を受けついでいるのが、喜如嘉の芭蕉布である。
 1974年、国の重要無形文化財の総合指定を受ける。
 喜如嘉の芭蕉布は、軽くてさらりとした肌触りが独特で、とても風通しがよくて軽く、暑い沖縄の亜熱帯気候に最適な、現在も広く愛用されている織物である。
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魚垣 Nagaki Nagaki Fishing Enclosures

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 魚垣(ながき)は、沿岸に石を積み上げ垣としたもので、潮の干満を利用した漁法である。
 石垣よりも海面が上にある時に魚がこの内側に入り、干潮と共に海面が石垣よりも低くなると、魚は逃げ場を失い面白いように捕獲出来るという仕掛けになっている。
 沖縄・九州のほか、ポリネシア、東南アジアなどでも見られる漁であるが、日本では現在、特に沖縄の伊良部島・佐和田の浜と、小浜島の南岸が代表的である。
 特に小浜島のものは、幅12m、長さ1200mにも及ぶ世界最大級の魚垣である。昔、琉球国王に仕えた島出身の女官のために築いたと言われている。
 長い年月が経って、多くは崩れてしまったが、今も利用されているものもある。魚垣は、遊び心をくすぐる伝統の漁法である。
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サキシマスオウノキ Sakisimasuounoki Sakishimasuo-no-ki

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 サキシマスオウノキは、板状の根っこが特徴の木である。沖縄県竹富町南風見には、日本一大きなものが存在する。
 アオギリ科の巨大なマングローブで、板根(ばんこん)に特徴がある。国内では奄美大島、沖縄、石垣島、西表島などにみられる。
 板根は、軟弱地盤に巨木を支えるため発達した根っこであるが、地下部の深さは20cmぐらいしかない。昔はその根を切り取って、船の舵として使っていた。
 漢字で書くと「先島蘇芳の木」となる。先島は沖縄県の沖縄本島より南の島々を表す総称であり、蘇芳は「マメ科の落葉小高木」の意味である。
 竹富町のものは、樹高18m、胸高周囲2.9mで、大小15枚の板根が流線型をなしている。
 サキシマスオウノキは、圧倒的存在感を持つ印象的な木である。
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