NIPPON Kichi - 日本吉

記事数31件: 1~8 件表示     >>     >|  

2008/8/15


ぼかし染 Bokashi-zome 

Jp

 ぼかし染(ぼかしぞめ)は、日本に伝わる衣類の染色法のひとつである。
 徐々に色階調を変化させる手法の事で、グラデーションなどとも呼ばれている。
 古い歴史をもつ染色法で、中国から伝わった繧繝(うんげん)というぼかし技法は、すでに天平時代に行われていたという説がある。
 平安時代の物語を読むと、着物の裾が濃くぼかされている、裾濃(すそご)や、着物のところどころを斑にぼかしてある斑濃(むらご)という技法が存在していたと推測される。
 基本的には淡色から染めはじめ、ぼかし足には噴霧器で水を吹き、手早く反対側から濃色をぼかしをあわせるように染めていく。この時、ぼかし足の長さ、刷毛に含ませる染料液の量、刷毛使い、噴霧器で吹く水の量などを習熟しておく必要がある。
 ぼかし染は、濃さを変えたり、色を変えたりしながら、ぼかしに染め上げる伝統の染色法である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します

keywords :


2008/8/8


緋色(ヒイロ) Hiiro 

Jp

 緋色(ひいろ)は、日本に古くから伝わる伝統色のひとつである。
 茜の根によって染められた鮮やかな赤の事で、紅花と黄色染料の2種類を使って出来る「紅緋」と区別する為、茜染による標準的な濃さの緋色や紅で染めた黄色をおびた赤い色を「本緋」という。
 元は緋(あけ)、真緋(あけ)といい、明るさを意味する「あか」と同じ意味をもち、また、別名で「あけいろ」とよぶ事もある。
 この色名はかなり古くからあり、飛鳥時代に制定された「冠位十二階」の色の中では、紫に次ぐ第3位の色とされていた。
 火に通じて「火色」とも書き、「思ひ」の「ひ」にかけて「思いの色」とも呼ばれ、熱い情熱をたとえたものともされる。
 英語ではスカーレットを指すとされ、コナン・ドイルの「緋色の研究」など、スカーレットと緋色はしばしば同一視されている。
 緋色は、情熱を表すとも言われる伝統色である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/7/15


郡上本染 Gunjou-honzome 

Jp

 郡上本染(ぐんじょうほんぞめ)は岐阜県の城下町である郡上市八幡町に古くから伝わる藍染めの染色技術である。
 郡上本染が始まったのは今から430年も前といわれている。
 藍染めに使用される藍液は香辛料や薬味として使われるタデの葉から藍玉を作り、灰汁、酒などを混入し乳酸発酵や酪農発酵を起して作られる。郡上本染はこの藍液で平均十数回繰り返し染め、深い藍色を作り出すのが特徴である。また、郡上本染に欠かせないのが厳寒の吉田川での洗い流し作業である。吉田川の冷たい清流が郡上本染に自然の息吹を与えてくれるのである。
 八幡町で郡上本染の伝統と技術を守り抜いている渡辺庄吉氏は昭和五二年岐阜県の重要無形文化財に指定された。
 使うほどに色合いが変化する郡上本染の愛好者は現在でも多いという。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/7/4


絞り染め Shiborizome 

Jp

 絞り染め(しぼりぞめ)とは、布を糸で括ったり、縫ったりしてしわをつける事によって模様を表す、染色方法である。
 古くは、数千年前にラテンアメリカ、インド、中国、アジアで作られた布地にもその痕跡が見られ、日本へは、少なくとも1300年以上前に中国から伝わり、その後日本文化の一部として定着したといわれている。
 徳川時代には、美術としても発展を遂げ、技法の種類も広がり、各地でその土地を特色付ける独特な形態も生まれていったという。
 生地を結んで染めると、表面は染まって結び目の内側には色が入らない。糸を使って色々な結びをし、その技術の種類は限りがない。
 世界の絞り染めには6~7種類しか技法がないが、日本にはシンプルな物から、理解する事さえ難しい気の遠くなるような複雑なものまで、およそ100種類も存在している。
 絞り染めは、日本に古くから伝わり発展した伝統の染め物である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/5/19


阿波安染 Awayasu-zome 

Jp

 阿波安染(あわやすぞめ)は、大阪府東大阪市にて伝えられる工芸品である。
 江戸末期に、徳島県鴨島の藍農家の次男に生まれた安兵衛が、成人してのち、大阪から仕入れに来ていた藍問屋の紹介で大阪の中河内盾津にあった染物店に奉公し、藍染めの技術を修得した。
 慶応元(1865)年、厳しい修行の末に一人前の藍職人となった安兵衛は、大阪市中河内郡天王寺村に暖簾をかかげ、実家から取り寄せた原料をふんだんに用いて藍染めを始めた。
 その丹念な印染技法と味わい深い色合いはすぐに大阪中の評判となったという。
 阿波安染の特徴は、表裏両面に糊を置き、両面から刷毛で生地に染料液を刷毛で均一に染織する引き染めを行うところで、両面から染め付けるため、深い色合いが出てもちも良いといわれている。
 阿波安染は、今なお当時の風合いを留める伝統的な染め物である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/3/10


優佳良織 Yuukara-ori 

Jp

 優佳良織(ゆうからおり)は、北海道の美しい自然、風土をモチーフに手織りで制作されている工芸品で、昭和三五(1960)年に、北海道旭川市で一人の染織作家により生み出された。
 誕生当初はアイヌ語で叙事詩や伝承するという意味を持つユーカラという言葉を用い、「ユーカラ織」と呼ばれていた。
 その後の昭和五五(1980)年に版画家の棟方志功により、「優しく、佳く、良い」という意味で現在の優佳良織に改名された。
 その特徴は色の多彩さにあり、これは四季折々に変化する微妙な自然の色彩に、油絵のような色と色との重なりに似た美を見出したことによるものである。
 素材に羊毛を用い、一つの作品に二百から三百色の色が、「すくい、杉綾、浮き柄、平、綴れ」などのあらゆる織の技術を駆使して織り込まれ、流氷やミズバショウなどの北海道の美しい自然と風土を表現している。
 誕生から四十数年とまだ日は浅いが、逆に伝統に束縛されないことを恩恵として新しく生み出された、独自の織物である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/2/22


堺五月鯉幟 Sakai-gogatsu-koinobori Sakai Gogatsu Koinobori

Jp En

 堺五月鯉幟(さかいごがつこいのぼり)は、その名のとおり大阪の堺市で生まれた、錦布で製作された鯉幟である。
 明治の初期、堺で玩具、文具商を営んでいた商人が、お伊勢参りの帰りに見た名古屋の紙鯉をヒントに、和凧職人に紙鯉を作らせて販売したのがその始まりである。
 明治中期には、紙から現在の素材である錦布になり、また、それに伴う様々な技法も確立されていった。
 鯉の背に、金太郎がまたがったデザインが特徴で、素材は紙から布に変わったものの、昔と変わらぬ伝統の技法で、錦布に一筆一筆手描きされ、丹念に染め上げられている。
 そうした手作りならではのぼかしや色の濃淡、毛先の繊細さ、勢いの良さで今も高い人気を誇る逸品である。
 昭和六一(一九八六)年には大阪府により伝統工芸品に指定され、今も日本全国の空に、優雅に漂う鯉を精力的に送り出している。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します




浪華本染めゆかた Naniwa-honzome-yukata 

Jp

 浪華本染めゆかた(なにわほんぞめゆかた)は、大阪を主生産地とする木綿の染物である。
 木綿の一大生産地として知られた泉州と河内がすぐ近くにあり、石津川と大和川の水質や流域の自然条件が木綿の晒作業に最適であることなど、発展に必要な土台が好条件で揃っていたことが、その誕生に大きく関わっている。
 加えて明治に入ってから、布地の上に伊勢型紙を置いて糊を付け、その上から染料を注いで染める、注染(そそぎぞめ)技法が大阪で開発されたことによって、この優雅で涼しげな浴衣が誕生することとなった。
 染物としても非常に質の高いものであり、表裏両面に色を染めることやなかなか色落ちしないこと、めくれても裏にも模様があることが特徴で、この染物が長く愛される元にもなっている。
 昭和六十(一九八五)年には、浴衣としては全国で唯一、大阪府より伝統工芸品の指定を受け、今も活発に夏の夜を彩る美しい浴衣を生み出し続けている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



記事数31件: 1~8 件表示     >>     >|  
NIPPON Kichi - 日本吉 - 日本語に切り替える NIPPON Kichi - 日本吉 - to english

モノ・コト・ミル・ヒトで綴る
日本の美意識。

現在の記事 5444
カテゴリーズ
都道府県
キーワードシャッフル
お気に入り
キーワード検索
閲覧履歴



Linkclub NewsLetter