静岡県賀茂郡西伊豆町にある景勝地、堂ヶ島の中でも最大の魅力である天窓洞（てんそうどう）。
　白い凝灰岩からできており、低い半島状をなしている。長い年月による侵食からできた洞窟の中央部は、天井が丸く抜け落ち天窓を作り上げている。「天窓洞」の名は、ここから名づけられた。天窓のおかげで洞内が明るいため、太陽の光が洞内に射し込んで、エメラルド色の海面がとても神秘的。
　この洞窟内には「鎌倉洞」と呼ばれる穴があり、伝説によればこの洞は鎌倉まで続いているという。源頼朝が追手に追われてこの洞に隠れた際、鎌倉宛の密書をしたため、底知れぬ洞の穴に向かって投げ入れたと伝えられている。
　この地には多くの文人墨客が訪れており、与謝野鉄幹・晶子夫妻がここを訪れて歌を詠んだことでも有名である。