【石】 Seki / Ishi Stone
|
白川文字学が発表されるまで、「石」の「口」の部分は崖の下に転がる石の塊であるというのが定説でした。しかし、甲骨文にみられるように「口」は祝詞を入れるための聖なる器です。「暦」の字説で紹介したように「厂」は険しい崖の形を表し、崖は様々な祭祀と儀式の場として強い霊力の有するところでした。石と霊力の関係を示す文字として、「宕」と「祏」があります。霊廟を表す「宕」は「宀」のもとに「石」があり、位牌の意味の「祏」には「示」偏に「石」があります。こうして祭事関係の字に「石」があることから、石には祭壇の機能もあったかもしれません。
霊感の強い古代人だけでなく、現在でも自然界の根本的な要素である石には霊が宿りやすいとの理由で、勝手に自然石を家に持っていかないようと注意を諭す人もいます。日本でも御神体として石を祭ることがよく見られます。
■ 石・甲骨文(こうこつぶん)
霊感の強い古代人だけでなく、現在でも自然界の根本的な要素である石には霊が宿りやすいとの理由で、勝手に自然石を家に持っていかないようと注意を諭す人もいます。日本でも御神体として石を祭ることがよく見られます。
■ 石・甲骨文(こうこつぶん)
- 名前
- 監修:白川文字学研究者『常用字解』英訳 日本思想史・哲学史研究者 シュミッツ・クリストフ
- HP
- http://nippon-kichi.jp/article_list.do?p=5332