石川県加賀市の曹洞宗の寺院。加賀藩主前田家の菩提寺。前田家初代から一四代までの墓碑がある。
　元は初代藩主前田利治の老臣である玉井市正が、金沢の僧通外祗徹大和尚を招いて庵を設けさせたのがはじまり。寛永一八（１６４１）年のことである。
　その後、祗徹の弟子天柱響補を金沢から招いて庵を寺とした。寺の名前を、市正の法号から宗英寺とした。
　万治三（１６６０）年藩主利治が死去。宗英寺で式をした。これが縁で、前田家代々の菩提寺となる。この時、利治の法号をいただき、名称を実性院と改めた。
　寺の周辺は「山の下寺院群」と呼ばれ、七つの寺と一つの神社がある。これは加賀藩主前田家が、城下町を外敵から守るために意図的にしたこと、といわれている。