NIPPON Kichi - 日本吉

2006/12/15

こぎん刺し Kogin-zashi Koginzashi (Needlework)

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 着物まで制約されていた江戸時代の津軽の農民は、綿入れの着物を着ることができず、山野に自生するカラムシ(苧麻)や麻から作った着物を何枚も重ね着して寒さをしのいでいた。こぎん刺しは、農村の女性たちが保温と補強のために、麻の布地、特に弱りやすい肩、腰、袖口に染めない木綿糸で刺子を施したことから生まれた。厳しい北国の自然の中で生きてきた女性の知恵の産物である。
 その特徴は、藍染の麻地に白い木綿糸で織目に沿って手刺しするところにある。今日では、用途によって木綿地やウール地なども用いられており、色彩も時代を経て多彩さを増している。その素朴で美しい幾何学紋様は、一針一針丹念に刺し続ける北国の女性の繊細さと力強さとを象徴しているようだ。青森県の「伝統工品」にも指定されている。

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