NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/3/18


匂い袋 Nioi-bukuro 

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 匂いに関する文化は世界中に存在し、古来より権力を制した者や身分の高き者は香りを非常に大切にしていたという。
 香りの文化を日本ではじめて取り入れたのは、聖徳太子であるといわれている。匂い袋に関しても奈良時代にはじまり、正倉院の宝物の中に、現在の匂い袋の原点である裛衣香(えびこう)が残されているという。
 匂い袋の中は常温で香りを発散する香原料を刻み、調合して和紙や袋に詰められているのが特徴である。袋を身につけたり、壁や柱につるしたり、禅僧の座傍などにも用いられてきた。また、香原料のうち白壇(びゃくだん)や龍脳(りゅうのう)、丁子(ちょうじ)は防虫効果もあるので、袈裟(けさ)や僧衣(そうい)にもつけられていたという。
 平安時代に入ると貴族たちは個々の香りを出す為に、色々な香原料を工夫したという。香りに関しては源氏物語の中にもしばしば登場する。その後、公家から武家へと香りの文化は受け継がれていったとされる。匂い袋は日本文化の一端を香りで感じるものである。
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2008/2/21


露草(ツユクサ) Tsuyukusa 

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 露草(つゆくさ)は世界中に分布し、日本でも道端でも見られるなど、日常的に馴染みのある植物である。
 可憐な花を咲かせ、日本では古くから親しまれ、歌にもよく詠まれる花である。
 また花を搾った汁は、染料としても使われ、源氏物語「野分」には露草で文様を染める様子が描かれている。
 露草はもともと、月草(つきくさ)と呼ばれており、万葉集には「月草」が九首に詠われて、俳句では秋の季語となっている。朝顔の花のように、朝に咲いた可憐な花は昼にはしぼんでしまうことから、儚さの象徴として詠まれることが多い。
 青い色素は非常に褪せやすく、容易に水で流れ落ちるため、友禅染などの染物の下絵を描くときに利用される。
 暑い季節、朝露にしっとり濡れた青い花が心に残る植物である。
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2008/2/7


御簾 Misu 

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 御簾(みす)とは部屋と部屋の間の柱と柱を水平につなぐ長押(なげし)に掛けて、仕切りや目隠しをする用具のことである。
 古代から用いられ、はじめは神域や神聖な場所との境のために使用されていたが、その後、貴族や身分の高い人の住居の仕切りや装飾用として広まっていった。
 御簾は真竹や女竹を細長く削り、色染めした後、赤糸でまとめ、帽額(もこう)と呼ばれる果紋(かのもん)を織り込んだ美しい布で縁を囲んだものである。巻き上げて束ねて留めておくことができるように、裏に鉤(こ)と呼ばれる鉤爪が付けられている。鉤は総角(あげまき)結びの飾り紐で固定するようになっている。
 竹の編む時は絹糸を使い、葵を形取って竹を編み上げる葵あみ、六角模様を形取って編み上げる亀甲あみや、二本一組のラインで竹を編み上げる八重あみなどがある。
 『源氏物語』では、登場人物の心の機微を表現するアイテムとしてよく登場する。
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2007/11/20


源氏香 Genji-kou 

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 源氏香(げんじこう)とは、香道(こうどう)の楽しみ方のひとつで、何種類かの香りを組み合わせてその香木の香りを嗅ぎ当てる組香(くみこう)の一種である。
 香道は、室町時代におきた日本の伝統文化であり、仏教と共に日本に伝えられた香は、平安時代には個人の趣好・知的感覚により薫物が作られ、室町時代・東山文化隆盛の頃に、香木を使用する聞香(もんこう)形式が整えられた。
 源氏香は江戸中期に成立した組香で、組合せ数が源氏物語の巻数と重なる事からこの名が付いた。
 五種類の香を各五包、合計二五包用意し、その中から任意の五種類を取り出し、五つのうちで同じものがどこにあるかを当てる。
 組み合わせの種類が多いので、これを香之図と呼ばれる図で表すのが特徴で、五二種類の組合わせそれぞれに源氏物語の各帖の優雅な名前がついている。
 源氏香は、香道における、今に伝わる高雅な遊びである。
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組香 Kumikou 

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 組香(くみこう)とは、香道(こうどう)において、一定のルールに即した香りの楽しみ方のひとつである。
 香道は、室町時代におきた日本の伝統文化であり、仏教と共に日本に伝えられた香は、平安時代には個人の趣好・知的感覚により薫物が作られ、室町時代・東山文化隆盛の頃に、香木を使用する聞香(もんこう)形式が整えられた。
 組香は、二種類以上の香木の微妙な香りの差異を組み合わせ、香りによって一つの文学的なストーリーを組み立てるものである。
 数種類の香をそれぞれのテーマにより組み合わせて焚き、香りによって主題を表現し、その趣向を味わうもので、例えば源氏物語の中からのテーマであれば、香りで源氏物語を読み、楽しむ。
 組香は、香道において様々な物語や詩歌を香りでもって表現する、風流な遊びである。
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2007/10/31


野宮神社 Nonomiya-jinja 

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 野宮神社(ののみやじんじゃ)は、京都府京都市右京区嵯峨野宮町にある神社である。祭神は、天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)。
 野宮はその昔、天皇の代理で伊勢神宮に仕える、皇女・女王の中から選ばれる斎王が、伊勢へ行く前に身を清めたところとされる。
 縁結びや、進学の神様として知られており、若い女性や修学旅行生に人気がある。
 鳥居は樹皮がついたままの「黒木の鳥居」で、古代の鳥居の形式を伝えている。また、境内には苔を用いた美しい庭園として有名な「野宮じゅうたん苔」がある。
 神社周辺の竹は「野の宮竹」と呼ばれており、主に工芸品などに利用されている。
 源氏物語「賢木」の巻にも現れ、謡曲「野宮」の題材ともなっており、人力車の嵯峨野めぐりもこの神社の前からスタートしている。
 野宮神社は、今も篤く崇敬されている社である。
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2007/9/28


白石和紙 Shiroishi-washi Shiroishi Washi Paper

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 白石和紙(しろいしわし)は、宮城県白石市に伝わる伝統工芸品である。
 平安時代中期以後、ふくよかで、清く、うるわしく、気品のある格調高い紙として、清少納言の枕草子や紫式部の源氏物語の中などに「みちのく紙」として登場しているのが白石和紙の起源ではないかとされている。
 慶長五(1600)年の関ヶ原の戦い以後、伊達政宗の領地となった白石では、政宗の家臣であった片倉小十郎が冬季の内職として紙作りを推奨し、その直後から続々と紙漉き人が各方面から入ってきたと言われている。
 未だに全て手作りであり、とても高品質な和紙として、東大寺の「お水取り」の儀式や、第二次世界大戦の降伏文書などに使用されてきた。
 白石和紙は、清く麗しい典雅な和紙である。
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2007/7/27


中将実方朝臣の墓 Chuujou-sanekata-ason-no-haka The Grave of Fujiwara no Sanekata Ason

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 中将実方朝臣の墓(ちゅうじょうさねかたあそんのはか)は、宮城県名取市愛島塩手にある、藤原実方の墳墓である。
 藤原実方は、藤原一門のなかでも由緒ある家柄の生まれで、美貌と風流を兼ね備えた貴公子として知られ、源氏物語の光源氏のモデルともいわれている。また、中古三十六歌仙の一人とされる。
 長徳元(995)年、天皇の面前で三蹟の一人である藤原行成に乱暴を働いた。それが元で佐近衛忠将から陸奥守に左遷され、「歌枕見て参れ」との勅命で各地の名所旧跡を訪ね歩く事となった。
 長徳四(998)年、訪ね歩く途上、名取郡笠島道祖神の前で落馬し、亡くなったと伝えられる。
 後に西行・松尾芭蕉がこの地を尋ね、共に歌を詠んでおり、近くにはその歌碑も建っている。
 中将実方朝臣の墓は、平安の昔が偲ばれる、竹林の中に静かに建つ小さな墓である。
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