NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/12/25


人工心臓 Jinkou-shinzou Artificial Heart

Jp En

 「もし人工心臓を入れるのなら、痛くなく、かっこいいものにしたい。」デザイナーは、体内という外からは見えない人工臓器に対して、機能の向上性と美意識を求めた。
 それを可能に近づけたのが光造形という技術だった。光造形とは三次元CADデータを紫外線を使い、樹脂を立体物に成型するシステムである。空想上存在していた「だまし絵」のような複雑なかたちのものを、正確に現実の世界に成型することが可能。
 最先端の技術開発における近年のキーワードとして「融合」という言葉があげられる。これまで「壁」となってきた限界を、異分野の発想や技術と融合させることで、打ち破る。この人工心臓は、心臓移植に変わるものとして、その開発にあたっても今までの医療の分野を超えた視点から取り組まれている。
 今後のアプローチに期待がかかる。
 
■デザイン・ディレクター/医学博士
 川崎和男
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2007/10/15


【美】 Bi The Character for Beauty

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 ヒツジを表す羊は漢字の要素としてよく見られます。古代にはよく儀式に使われた動物でもあるからです。善・美・義のような抽象概念を表す漢字の中に特に目立ちます。美の字体はヒツジ全体を示します。羊という字は角を含めたヒツジの上体の輪郭を表し、美の字体にはその下体、特に後脚が加わりました。羊を所有する人はすでにかなりの財産家です。
 多神教の世界では、神々に貴重で美しい自然界からの供え物をすることで、神の恩恵を得ようとします。最高の神には犬をささげるのが一番効果的だという考え方もありました。特に神の恵みを受けるための捧げものが大事になってくるのは裁判の時です。裁判は神の審判という形で行われましたので、争う両者はいろいろな神の試しを受ける羊を差し出しました。
 元々、文字は神と人との間のコミュニケーションの手段として成立・展開したという考えは白川文字学の出発点です。その立場から見ますと美は神に受け入れられる美、すなわち神が保証した美となります。面白いことに、東アジア以外にも、「世の罪を取り除く神の子羊」(聖書・ヨハネの福音書一・二九)、「私たちの過越の子羊キリスト」(聖書・コリント第一 一・七)などに羊を神のへの捧げものとする考え方があります。
 美についてのこの解釈は金文の字形に基づいていますが、もう一つの解釈の可能性もあります。金文よりさらに遡る甲骨文には、羽の飾りを頭につけている形と解釈できる字体もあります。残念ながらその意味を詳しく知ることはもうできません。
 
■美・金文(きんぶん)
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2007/7/25


刀剣研磨 Touken-kenma 

Jp

 刀剣研磨(とうけんけんま)は、通常の刃物研磨とは一線を画するものである。
 通常の刃物研磨は、切れ味が悪くなったものを研ぎ直すことを一番の目的としているが、刀剣研磨においては、刃を付け斬れるようにしたり、より切れ味を増すことも前提としてあるが、さらにそこから様々な作業を行い、刀身の地鉄や刃文の美しさが際立つように砥ぎ、最終的には刀工の個性を最大限にまで引き出すことを大きな目的としている。
 その歴史は古く定かではないが、平安時代の書物からは研磨に関する記述が発見されており、鎌倉時代にも研師の名前が記録されるなど、この頃にはすでに研磨という分野の重要さが、ある程度確立されていたと考えられている。
 現代では美の観点から嗜まれる日本刀だが、その美をとことんまで追求、高度な手法を駆使して、刀工の作風や鍛錬法に基づく微妙な地鉄の特質を引き出し、その魅力を余すことなく表現する術は、もはや芸術の域にあるといっても過言ではないだろう。
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2007/1/29


三大神社の藤 Sandaijinjya-no-fuji Wisteria of Sandai Shrine

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 三大神社は、滋賀県草津市志那町にある神社で、名物の藤が有名である。祭神は志那津彦命、志那津姫命。
 藤は、毎年4月から5月にかけて穂が地面に擦るほど長くなる事から「砂擦りの藤」と呼ばれる。
 もともとこの藤は、摂政・関白であった藤原氏の隆盛を祈念して植樹されたものだが、織田信長の兵火により消失。その後、根元から芽生え、今日に至っている。
 また、この季節に開催される藤まつりでは、期間中に、地元や草津市観光物産協会などによる物産展が開かれている。
 近隣の志那神社(草津市志那町)と惣社神社(草津市志那町)にも境内に藤があることから、三大神社とあわせて志那三郷の藤とも呼ばれている。
 三大神社の藤は、しなやかで長大、まことに風流な光景である。
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2007/1/26


立羽田の景 Tachihada-no-kei The Scenery of Tachihada

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 立羽田の景は、大分県玖珠郡玖珠町にある、景勝地である。
 別名日暮れの峠と言われる県道玖珠山国線沿いの立羽田の景は、約1kmにも及ぶ奇岩秀峰が連続する、裏耶馬渓の代表地である。紅葉の季節には赤に染まって素晴しい景観となる。
 折り重なり天を突き刺すように起立する岩峰や、岩壁を彩るツタやカヅラなどが見事で、岩脚に点在する農家の佇いや田園風景とよく調和し、まるで昔話の挿絵のようである。
 ワラビ・ゼンマイ・ウドなどの山菜に恵まれ、「ふれあい茶屋」では新鮮野菜やだんご汁など季節の味を満喫でき、散策を楽しむ観光客で賑わっている。柿の木や民家が風景にマッチして和み豊かな山里である。
 立羽田の景は、いつまで見ていてもあきない場所である。
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