NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/2/14


鍔 Tsuba 

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 鍔(つば)とは、刀剣の柄と刀身の間に挟む、平たい鉄板の事である。
 中央に穴を開け、そこに刀身を通し、柄をつけて固定して使用するもので、円形・方形など、大きさや形が種々存在する。
 鍔の役割は相手の刀刃からの斬撃防御のためにあると思われがちだが、実際には他の理由も大きい。
 まず、刃の方へ手を滑らせないためのストッパーとしての役割がある。
 次に、床に刀を置く時、指を離さないですむ事も重要である。置いた刀を取るとき、掴み易いという利点もある。
 腰に差している時に、左手の親指で素早く鯉口が切れて、咄嗟の抜き打ちに有利となる点も大きい。
 鍔は、古くは「つみは」とも言う、日本の刀剣にとって必要不可欠な部品である。
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2008/2/6


鞘 Saya 

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 鞘(さや)とは日本刀の刀身を納める筒のことをいう。
 鞘の先端である部分、刀身の先の部分が納まる個所を鐺(こじり)といい、鞘の口の部分を鯉口(こいくち)という。大刀の鞘には刀を帯に巻くためのひも、下緒(さげお)が取り付けられている。
 昔から鞘の条件は常に丈夫であることとともに、美しさも要求されてきた。そのため、漆を薄く何層にも重ねて塗り、そして固めるという大変手間のかかる作業を繰りかえすことで、独特のぬるりとした光沢と頑丈さを備えた鞘が作られてきたといわれる。また、その表面には美しい文様なども描かれ、材質も皮、木、獣の角、布、金属などが巧みに利用されてきた。
 日本刀が世界に誇れる芸術作品と言われるのは、刀身の美しさだけでなく、伝統工芸ともいえる鞘の素晴らしさにもあることを、見過ごすことはできないだろう。
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目貫 Menuki 

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 目貫(めぬき)とは刀を止める目釘の表面を飾る金具である。目釘がないと刀身が柄から抜け出してしまうという重要な留め具の役割を果たしており、目貫とは大切、主要という意味もこめられている。そのため、現在でも、賑やかな繁華街や商店街をさし「めぬき通り」と称する言葉が残されている。
 元々は目釘と目貫は同一のものであり、刀において実用的なものであったが、その後、目釘とは別の「美しさを飾る」ものとして目釘の表面を飾る金具となっていった。江戸時代は多くの名人と呼ばれる金工が輩出され、彼らの手によって作られた装飾品としての目貫は、人々の間で流行し、親しまれることとなった。
 特に金工として有名なのは、織田信長や豊臣秀吉に信頼された「後藤家」があげられる。中でも四代目・後藤光乗(ごとうみつじょう)は名人金工として今日まで語りつがれ、彼の手がけた目貫は優れた金物として高い評価を残している。
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2008/1/24


肥後鐔 Higo-tsuba 

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 「肥後鐔(ひごつば)」とは、江戸時代に肥後の国、熊本県八代市で作られた刀の鐔である。
 熊本の金工芸では「肥後象がん」が知られているが、この象がんの技術を発展させるきっかけとなったのが、刀の鐔をはじめとした刀装金具の制作だった。
 鐔とは、刀剣の柄(つか)と刀身との境に挟み、柄を握る手を防御するものである。板状につくられており、鉄製のものがほとんどである。
 刀剣と同じ、砂鉄を原料とした良質の鋼材である玉鋼を鍛錬し、鉄の色や形、象眼透かし彫りが施され、実用性を重視しつつ品格のある工芸品となっている。
 肥後国細川藩・細川忠利(ほそかわただとし)の父である忠興(ただおき)が優秀な職人を集めて指導し、制作を奨励したのが始まりだといわれ、特に優れた職人たちは「肥後金工」と呼ばれ、全国的にも知られていた。
 現在も細川忠興が暮らしていた八代市で、肥後鐔を作り続ける刀匠により、伝統が受け継がれている。
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2007/11/29


日州透かし象嵌 Nissyu-sukashi-zougan Nisshu-Sukashi Zogan

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 日州透かし象嵌(にっしゅうすかしぞうがん)は、寛永九(1632)年、熊本藩藩主、細川忠利に召抱えられた林又七が、鉄砲や刀の鐔(つば)に象嵌を施した「肥後象嵌」の流れをくむ。
 鐔とは刀剣の柄と刀身との境に挟んで、柄を握る手を防御するものであり、象嵌とは地の素材を彫って、その部分に他の材料をはめこむ技法のことである。
 造りは鍛錬された鉄地に0.3ミリほどの細かい透かし彫りをし、埋め込んだ金が取れないように緻密な彫込をほどこす。人間の手作業としては限界に近い作業である。出来上がった象嵌は華麗な文様と無類の美しさで見る人を魅了する。
 現代でも日州透かし象嵌はこの地方で製作されているが、その作業の困難さから年に数枚しか作ることが出来ない貴重な工芸品である。
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2007/7/25


刀剣研磨 Touken-kenma 

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 刀剣研磨(とうけんけんま)は、通常の刃物研磨とは一線を画するものである。
 通常の刃物研磨は、切れ味が悪くなったものを研ぎ直すことを一番の目的としているが、刀剣研磨においては、刃を付け斬れるようにしたり、より切れ味を増すことも前提としてあるが、さらにそこから様々な作業を行い、刀身の地鉄や刃文の美しさが際立つように砥ぎ、最終的には刀工の個性を最大限にまで引き出すことを大きな目的としている。
 その歴史は古く定かではないが、平安時代の書物からは研磨に関する記述が発見されており、鎌倉時代にも研師の名前が記録されるなど、この頃にはすでに研磨という分野の重要さが、ある程度確立されていたと考えられている。
 現代では美の観点から嗜まれる日本刀だが、その美をとことんまで追求、高度な手法を駆使して、刀工の作風や鍛錬法に基づく微妙な地鉄の特質を引き出し、その魅力を余すことなく表現する術は、もはや芸術の域にあるといっても過言ではないだろう。
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