NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/10/9


十日町明石ちぢみ Tookamachi-akashi-chijimi Tokamachi Akashi Crepe

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 十日町明石ちぢみ(とおかまちあかしちぢみ)は、独特な清涼感を持つ優雅な夏着物の代表で、新潟県十日町固有の伝統として今に受け継がれている。19世紀終わり頃、京都西陣の夏用反物の見本に、もともとあった十日町透綾(とおかまちすきや)という織物の技術を応用して技法が確立された。明治二三(1890)年に「明石ちぢみ」と命名されてから後も、防水加工など様々な改良が加えられ、昭和初期には年間二〇万点の生産量を上げて一世を風靡した。
 材料には生糸、玉糸などの絹糸を用いる。糸を糊付けしてから強い撚りを加え、最後に湯もみと呼ばれる仕上げを行うため、他のちぢみとは違う蝉の羽のような独特の「しぼ」が作り出され、これが肌にべとつかない爽やかな風合いとなる。
 豪雪地帯で湿度が高く、年間を通して強い風が吹かない十日町の安定した気象条件と、研究熱心な職人たちが生み出した逸品と言える。
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2007/9/28


しな織り Shinaori 

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 新潟県との県境、山形県鶴岡市関川地区。ここに「しな織り」という日本三大古代織りの一つともいわれる、伝統工芸が受け継がれている。
 しな織りの原料となる糸はしなの樹皮の繊維である。樹齢一五年ほどのしなの木を伐採して樹皮を剥がし、乾燥させ、一〇時間ほどかけて煮る。柔らかくなった樹皮をさらに一枚の層になるように剥がし、余分な繊維を取り除く。糠の中に漬けて柔らかくした樹皮は、独特の柔らかい風合いが生まれるという。それを乾燥させ、細かく裂いたものを糸よりをして、ようやく長い糸が完成するという。
 こうして多くの工程と年月を経て完成させた糸を使って織り上げると、落ち着きのある風合いと柔らかい手触りが人気のしな織りが生まれる。
 しな織りは長く厳しい冬の間の、女性の生活の糧として古くから受け継がれてきた。素朴な温かさの中に、女性のたくましさと先人の知恵を感じることができる貴重な織物である。
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2007/5/1


山岸良三 Yamagishi Ryouzou 

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 新潟県長岡市十日町の周辺に伝わる伝統工芸品「小千谷縮(おぢやちぢみ)」の伝統工芸士。
 昭和六三(1988)年、伝統工芸士に認定される。この地方では奈良時代には既に麻織物が作られ、朝廷への献上が行われていた。小千谷縮はこの伝統を受け継ぐ麻織物で、江戸時代に緯糸に強い撚りをかける技法が生まれ、生産が増加し、各地に広まった。
 氏は高校卒業後家業を継ぐが、80年代頃、織物の衰退を危惧し、全国の産地を回り、技術を伝え学び、後進の育成にも力を注いだ。
 現在も海外の絹に目を向け、新たな製品の開発を行うなど、小千谷縮と小千谷紬の将来を見据え、常に挑戦をし続ける職人である。
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2007/1/10


丹後ちりめん Tangochirimen Tango Crepe

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 丹後ちりめんとは、京都府北部の丹後半島の一帯をさす地方で生産された「シボ」を特徴とする優れた白生地だ。
 「シボ」とは、1メートルあたり、三千回前後の強い撚り(より)をかけたヨコ糸(緯糸)で織り上げ、精練することによって糸が収縮し、撚りがもどり、そのときできるよじれを利用してつくるもの。丹後ちりめんは、このシボが命。シボにより、絹の持つ光沢をやわらかく抑え、光にふくらみを持たせ、しなやかな感触としっとりとした風合いを引き出し、美しく色鮮やかな発色性に優れた白生地ができるのである。
 使用する絹のグレードの高さと、通常の数倍〜約30倍ほどの大量の絹糸を使用すること、撚糸技術が群を抜いて高度であるということから、丹後ちりめんは織物の中でも高級品として知られ、全国の本物志向の人々に愛されている。
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