NIPPON Kichi - 日本吉

2007/6/25

伏美湿原 Fushimi-shitsugen 

Jp


 そこには一面に、水芭蕉が群生している。
 北海道の十勝支庁河西郡芽室町。その一角を締めるもそう大きくない湿原に、北海道でも希少となった花が4~5月のわずかな間、咲き乱れる。
 伏見湿原(ふしみしつげん)。その広さはおよそ1・5ヘクタール。そこにおよそ3500株の水芭蕉が、時期になれば白く凛とした花を覗かせてくれる。
 湿原の保存状態もきわめて良好であり、水芭蕉以外の植物も豊富なため、北海道開拓以前の状態に近いものとして町の天然記念物にも指定、保護されている。しかし、意外なことにそこは個人所有の私有地でもある。水芭蕉の咲き誇るほんのわずかな期間、一般にも開放されているのである。それ以外の時期については、いつでも好きな時に散策したりすることは出来ない。
 そうして守られていることを思うと、水芭蕉が白い絹の椅子に腰掛けた箱入り娘のようにも見えてくる。

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住所
082-0383 北海道河西郡芽室町伏美
名前
伏美湿原




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