群馬の暮坂峠（くれさかとうげ）は、群馬県吾妻郡六合村と中之条町の境にある標高１０８６ｍの峠である。
　大正一一（１９２２）年、流浪の歌人・若山牧水が「枯野の旅」の一節に詠（うた）ったことで、一躍その名が世に知れた。牧水は他にも数々の名作を残している。
　昭和三二（１９５７）年、有志によって、トンビを羽織った旅装の牧水像と歌碑が建てられた。今では、この像と碑が暮坂峠のシンボルとなっている。
　暮坂峠を挟んで東西に走る県道５５号線は、日本ロマンチック街道の一部になっている。
　また、紅葉の季節、展望台からの眺めは息をのむ美しさである。
　毎年１０月２０日には「牧水祭り」が開かれ、峠を愛する多くの人々によって賑わう。
　暮坂峠は、昔の風情が感じられる、眺望豊かな場所である。