NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/1/30


薩摩の水からくり Satsuma-no-mizu-karakuri 

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 毎年七月、鹿児島県下の各神社では境内に淡く美しい沢山の灯篭を灯す六月灯が行われる。場所によっては出店や花火、ミニコンサートもある夏の風物詩だ。
 加世田市竹田神社、知覧町豊玉姫神社、吹上町温泉祭りの三ヶ所ではこの六月灯に「水からくり」とよばれる人形劇が奉納される。
 浄瑠璃風の武者人形が舞台の上で矢を射、刀を交える。水からくりは人の手で人形を操作するのではなく、舞台の脇にある水車の動力を利用して、歯車や滑車などで全自動の舞台を設計、複雑な仕草や演技の描写を表現する。
 演目は牛若丸と弁慶、巌流島の決闘、那須与一や花咲かじいさん、かぐや姫、桃太郎など、親しみのあるもので、各上演時間は約20分ほど。パフォーマンス性たっぷりで、大人から子どもまで幅広く楽しめる。 
 水からくりは、全国で唯一の水車によるからくり人形であり、昭和五九年に国選択有形民俗文化財に指定された。
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2007/10/15


【仁】 Nin,Jin Humaneness, Benevolence

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 昔から、中国・越南(現在のベトナム)・韓国・日本などに、広く伝わる東洋思想の代表的な倫理概念です。それは孔子の教えや儒教が広がったからです。この字がまったくの抽象的な概念になる前の経緯が気になります。確かに孔子の時代にはすでに漢字の原点についての詳しい知識が失われていたので、そういう意味では操作・利用しやすい字でもありました。
 「にんべんと二という数字の組み合わせではないか」という俗説がよく聞かれます。「二人の間」から「人間の間の倫理」という意味にまで抽象化され、仁義礼智信という儒教の根本概念の一つになったという説があります。確かに、旧字体はにんべんですが、右の部分の解釈が大事になってきます。
 実は漢字の中に数字がそのままの意味で要素として表現されることはありません。旧字体でない常用漢字の字形に見えても、抽象的なものが漢字の中の要素として表現されるという考えは俗説の特徴です。
 例えば、「悟」に出てくる「五」の部分も数字とは関係がなく、その下の「口」が表す祝詞の器をしっかりと閉めている木製の二重蓋を表しています。また人間二人を示すのには「比」という字などがほかにあります。
 基本的に漢字に出てくる要素は人・物です。古代社会にあったものですから、にんべんの形は人間が座ろうとする時の姿、そして右の部分はその敷物だと考えられます。東洋なので、椅子ではなく、敷物・古代の座布団のようなものです。そのことから仁という抽象倫理概念までのちょっと違う道筋があきらかになります。つまり人に敷物をすすめるという心です。
 まさにホスピタリティー、お客さん・たずねびとへの配慮のような心構えではないでしょうか。本来はそういう温かい気持ちをあらわす概念なのです。
 
■ 仁・金文(きんぶん)
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2007/8/16


上三原田の歌舞伎舞台 Kamimiharada-no-kabukibutai The Kabuki Theater in Kamimiharada

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 上三原田の歌舞伎舞台は、群馬県渋川市赤城町にある特殊な機構を持つ建築物である。国指定重要有形民族文化財に指定されている。
 文政二(1819)年、大工の永井長治郎が上方に修行に行き、帰郷後に赤城山天竜寺内に建築したと伝えられている。明治一五(1882)年、現在地に移築された。
 この舞台での歌舞伎公演は途中何度か中断されたが、地元伝承委員会による舞台操作技術の伝承と古典芸能部による地芝居の復活により、現在でも農村歌舞伎が公演されている。
 ガンドウ機構・遠見機構・柱立廻式回転機構・セリヒキ機構という、全国に例を見ない特殊な機構を持っている舞台装置である。また、人力で行われる操作技術も文化財である。
 歌舞伎公演の時には、舞台を動かすのに息の合った80人以上の大人の力が必要となる。
 上三原田の歌舞伎舞台は、現役で公演を鑑賞することができる、珍しい機構を持つ舞台建築物である。
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2007/8/6


本美濃紙 Hon-mino-shi Hon-Mino Gami (Genuine Mino Paper)

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 本美濃紙(ほんみのし)は、平安末期から鎌倉時代にかけて、中国よりもたらされた製紙技術である。
 良質の茨城県産の那須楮(なすこうぞ)を原料とし、縦ゆりに横ゆりを伴った紙漉き操作による伝統的方法で漉かれた紙を本美濃紙と称する。
 日本に存在する最も古い紙は、正倉院に眠る大宝二(702)年の美濃、筑前、豊前国の戸籍用紙で、中でも本美濃紙による用紙は漉きムラがなく、優れた技術であったことを今に伝えている。
 江戸時代には障子紙として最上と評価、長く親しまれていくこととなる。障子紙は日光に透かされて鑑賞されるため、繊維がムラなく美しく漉き上げられる本美濃紙はまさにうってつけだったのである。
 現在は障子紙を中心として、記録用紙や文化財保存修理用紙などにも用いられ、その質の良さと味わいの深さで多くの人に愛される逸品である。岐阜の本美濃紙保存会が昭和五一(1976)年に重要無形文化財の指定を受け、今もその技術を後世に伝えている。
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2007/5/18


久田見祭り Kutami-matsuri Kutami Festival

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 「久田見祭り(くたみまつり)」は、久田見の氏神である神明・白鬚両神社で行われる。
 桜が咲き、若葉の香り漂う春の日に、6両の絢爛豪華なだんじりが笛のお囃子に合わせて村を練り歩く、壮麗でゆったりとした祭りである。見所は「糸切りからくり」。国指定の無形民俗文化財であり、県の重要無形民俗文化財にも指定されている。糸が直接からくりと繋がっていない、特徴的なつくりになっており、独特な技法で作られ、操作も通常の操り人形とは違うので、歴史的にも芸術的にも高く評価されている。この独創的な人形劇は、昔話や最近の出来事、流行したアニメやスポーツ等、毎年お題が変わるので、毎年飽きることなく楽しめる。
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