NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/7/4


葛籠 Tuzura 

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 葛籠(つづら)とは、衣を入れる籠の事である。
 元々はツヅラフジのつるで編んだ蓋つきの籠の一種であったが、後に竹を使って網代に編んだ四角い衣装箱をさして呼ぶことが一般的になった。
 古くは正倉院にも所蔵されており、平安時代に入り竹を加工する技術が確立されると、四角く作られるようになった。江戸時代の頃より庶民に愛用され、明治~大正時代の頃によく使用された。
 通気性に富み、また、葛籠の表面に塗られる漆や柿渋に抗菌、防虫、防腐作用があるため、大切な着物を保管するのに最適といわれている。
 おとぎ話「舌切り雀」に、おみやげ物が入っている容器として大きな葛籠と小さな葛籠が登場する事でも知られている。
 葛籠は、通気性が良くて軽い、衣類を入れるための日本伝統の家具である。
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2008/5/15


松本家具 Matsumoto-kagu 

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 松本家具(まつもとかぐ)は、安土桃山時代(1568~1603)に、信州松本で職人仕事の一つとして始まったとされる。江戸時代末期には、庶民が日常生活で使う家具も生産されるようになり、大きな発展を遂げた。主な製品に箪笥・飾り棚・座卓などがある。
 ケヤキ・ナラ・ミズメといった信州産の木を乾燥させた良質な無垢材(むくざい)を使用し、一人の職人が一貫して一つの家具を完成まで手作業で丹念に作り上げる。その評判は各地に広まり、松本は家具の産地として全国的に知られるようになった。
 松本家具では木の部材を接合する際、複雑な刻みを施した接手(つぎて)と組手(くみて)を作って組み合わせる「接組手」と呼ばれる伝統技法を駆使する。特に「鯱留(しゃちどめ)」は松本特有のもので、一度組んだら決して壊れることがないという。塗装は拭き漆で、十数回にわたって漆を塗り重ね、重厚さと美しさを引き出す。昭和五一(1976)年、通産大臣(現経済産業大臣)により伝統工芸品に指定された。
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2008/3/4


薩摩つげ櫛 Satsuma-tsugegushi Satsuma Comb

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 薩摩つげ櫛(さつまつげぐし)は、素材に薩摩ツゲを利用して製作された櫛の総称である。
 鹿児島県の指宿地方は、その高温多雨な気候により、高品質なツゲの産地として知られている。
 非常に綿密で硬質であり、そうしたことから櫛の歯が折れにくいこと、また、黄楊とも書くように黄色味を帯びた表面と艶の美しさにより、珍重されている。
 その始まりは、江戸時代中期、木曽川の治水工事を終えて帰国した薩摩藩士たちが製作したことによるとされる。
 以降、櫛作りは下級藩士たちの内職として広まり、その品質の良さからも全国区の名品となっていくこととなる。
 同地方では女児が生まれると、黄楊の木を植えて育て、嫁入りの際には家具や櫛を作って持たせたという。
 淡い黄色地の表面は、椿油で手入れをする事によって年を重ねるごとに見事な光沢を放ち、また、櫛どおりも滑らかで頭皮にも優しく、静電気も起こらないなどの様々な特徴を持ち、近年においても高い人気を誇る逸品である。
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2008/1/24


人吉・球磨家具 Hitoyoshi Kuma-kagu 

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 自然豊かな人吉・球磨(ひとよし・くま)地方は、木材が豊富で、昔から木工業が盛んな地方として知られている。
 この地方に、釘に頼らず、鉋と鋸とノミだけで木材を組んで仕上げる、剣留工法と呼ばれる木組工法が昔から伝わっている。剣留工法は指物工法とも呼ばれる、中国から伝えれた工法である。
 良質な一枚板を使用し、特殊な形に加工した木口を組んで作られる人吉・球磨家具は、外観がすっきりとして、がっちりと耐久性のある、重厚な趣の家具に仕上がるという。
 剣留工法は寸法取りの精度が肝心となるため、高い技術が必要とされているが、長く使い続けて欲しいという思いから、今も職人達よってその伝統は受け継がれている。
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2007/6/7


函館市旧イギリス領事館 Hakodate-shi-kyuu-igirisu-ryoujikan 

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 函館市旧イギリス領事館は、北海道の函館市にある洋館。白亜の壁と窓額縁がシックなビクトリア調の建物だ。
 函館では、初め称名寺を仮領事館としていたが、文久三(1863)年に元町のハリストス正教会の隣に領事館を新築し、数回にわたる焼失の後にこの地に再建した。現在の建物は、大正二(1913)年、イギリス政府工務省上海工事局の設計により竣工したものである。昭和九年まで領事館として実際に使用されていた。
 建物の内部では、函館港の開港当時の様子を映像やミニチュアモデルなどで展示。ビクトリア女王の肖像画や家具など、外国公館の雰囲気を再現している。館内には英国風ティールームもあり、薫り高い紅茶やスコーンなどで優雅なティータイムを楽しめる。
 昭和五四年には函館市の有形文化財として指定された。
 
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2007/1/12


江戸指物 Edosasimono Edo Sashimono Woodwork

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 江戸指物は、釘を使わずに木と木を組み合わせて作る家具・調度類であり、華奢さで粋を表現するのが特徴である。
 江戸時代、徳川幕府は多くの職人を全国から呼び寄せて、神田・日本橋周辺に、職人町をつくり手工業を発達させた。
 江戸時代の中頃には、大工職の仕事が細分化された。その一つが指物師である。
 指物の仕事は、組手を見せず、金釘を使用せずに鏡台、茶だんす、硯箱などの木工品を丈夫に、美しく組立てるものである。
 朝廷用、茶道用が発達した京指物に対し、江戸指物は武家用、商人用、歌舞伎役者用が特徴とされる。あまり装飾的になることを避け、すっきりとした造形と堅牢な作りで江戸の粋を表現する。
 江戸指物は、「粋」を好む江戸っ子が生み出したものであるといえるだろう。
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