NIPPON Kichi - 日本吉

2007/5/10

高麗茶碗 Kourai-chawan 

Jp


 高麗茶碗は、安土桃山時代の16世紀後半、日本の茶道で重んじられた陶磁器の「好み」のひとつ。朝鮮の高麗時代に造られたものではなく、李朝時代に造られた朝鮮の茶碗の総称である。
 高麗茶碗はもともと、朝鮮の人々が日用雑貨として使っていたもので、その中でも井戸茶碗は大雑把な造りの雑器と言われていた。しかし、その素朴な器形が、日本では侘び・寂びの象徴として高く評価されることになったのだから面白い。この茶碗を千利休の審美眼により見出され、茶道具として見立てて使われ始めたのである。粗なるゆえに、土俗的で個性的な風格を備えた「自然美」は、美醜を超えたところから生まれたものとして、日本の「禅」や「茶」の意に通ずると考えられたのだ。
 高麗茶碗は、同じ作家のものでもひとつひとつに個性があり、ふたつとして同じものがない。そんなところも人々を惹きつける魅力のひとつなのかもしれない。

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高麗茶碗




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