NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/8/29


はりみ(紙製ちりとり) Harimi(Kamisei-Chiritori) Harimi (Paper Dustpans)

Jp En

 まだ日本の家屋に和室が多かったころ、日々の簡単な掃除は箒とちりとりだった。
 さっと掃いて、さっと取る。その簡素な動作が、日々の暮らしを清潔なものにしていた。
 最近はそのような光景も余り見かけなくなってきたが、今の多種多様化するライフスタイルに、本当にそれらは合っているのだろうか。
 ちょっとした掃き掃除にもわざわざ掃除機を引っ張り出し、ちょっと使ってまたしまう。
 なら、いっそのこと昔のようにこのはりみ(紙製ちりとり)と箒を傍らに用意しておいてはいかがだろう。和紙に柿渋を塗ったもので、大きさも二〇cmほど。
 色合いも程好く、部屋の中にあっても自然と溶け込むし、大きさも小ぶりで、どこにあっても落ち着きがある。
 こういう日常の道具は無造作に部屋にあってこそ、映えるものであるべきだ。
 小さい箒とセットで、机や棚の上などの狭い場所で活躍してくれるだろう
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箒 Houki Houki (Japanese broom)

Jp En

 箒(ほうき)は、チリやホコリを掃き除くための道具である。用途別により座敷箒と庭箒に分けられる。
 座敷箒の原料には、ヤシ科の植物の棕櫚(しゅろ)やイネ科のホウキモロコシが使われる。棕櫚箒は西日本に多く、棕櫚皮一枚に数本ある「鬼毛」を集めて作られる。またホウキモロコシはモロコシ属の1年草で、2メートルほどに高く穂を伸ばす。刈り取ったホウキモロコシの穂の部分を脱穀し、約1週間天日干しで乾燥させ、いい穂をよって束ねていく。
 箒には掃除という実用的な用途のほか、「払う」という機能から生まれたさまざまな風習がある。
 長居の客を早く帰らせるため、箒を逆に立てるまじないがあったり、箒が安産の神と考えられ、妊婦の枕元に立てて安産を祈ったり、産気づいたときには燈明をつけて妊婦に拝ませ、その箒で妊婦の腹をなぜるということもおこなわれていた。
 菷は神聖なものであるため、跨いだり踏みつけることを忌み、罰があたるなどと考える風習が、各地に残されている。
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2008/8/7


【掃】 Sou, Haku to sweep

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 「掃」のもとの字は「婦」と同じ「帚」です。手偏はずっと後に加わりました。最初の甲骨文の形は非常に簡単で、明らかにただの箒(枝箒)の形です。
 甲骨文は、古代の聖職者集団が作ったものですので、このような字となった掃除は神聖な作業として想像しなければなりません。祖先を祀る霊廟で謹んで行われているものでした。現在のように箒で掃くこともありましたが、箒で特に香りのよいお酒を注ぎ、霊廟を祓い清めることが礼儀になっていました。今の線香を焚くようなものでしょう。
 旧字体の「帚」の上部分は「手」を表し、真ん中の線が右側に出ているのは、掃くときに大事な手首の関節を含めた手の部分を示します。しかし、常用漢字の省略字体では、ほとんど指しか残らないことになりました。
 また「帚」は「帰」の旧字体である「歸」にも登場します。これは戦争から帰ってきた軍が、霊廟に祭肉をもって報告する儀式をかたどります。そのときも箒とお酒で霊廟を祓い清める習慣がありました。
 
■ 掃・甲骨文(こうこつぶん)
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2008/5/2


耳掻き Mimikaki 

Jp

 「耳掻き(みみかき)」は耳の穴を掃除すること、またはその道具を指す。
 木製や金属製、プラスチック製など様々な材質の耳掻きが作られているが、日本では昔から適度な弾力性を持つ竹が材料として使われている。
 耳の穴も人によって違うため、匙(さじ)またはへらと呼ばれる掻き出し部のカーブやサイズなど、微妙な調整には職人技が必要だが、木は加工に適しており、曲げや切削といった加工方法によって形作られている。
 日本では簪(かんざし)が耳掻きの原型という説もある。
 簪の先端をさじ状にした耳掻き付簪を発明したのは、高橋図南(たかはしとなん)という学者で、江戸時代のことであったと伝えられている。
 耳掻きは、昔から人々にとって馴染み深い必需品であるようだ。
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2008/1/30


海鼠池 Namako-ike 

Jp

 海鼠池(なまこいけ)は鹿児島県甑島(こしきじま)列島の上甑島にある、甑四湖と呼ばれる小湖沼群のうち最大の池。湖底から海水が湧き出ており淡水が混じり合った汽水湖である。
 その名の通り海の掃除屋であるなまこ、小魚や海藻といった海の生き物が多く生息し、度々池から魚の跳ねる様子がみられる。昔は大量に獲れた魚の畜養池として利用されていた。
 湖表面積0・52平方キロメートル、最大水深約23メートル。
 甑四湖はほかにそれぞれ塩分濃度が異なる、貝池、鍬崎池(くわざきいけ)、須口池があり、生息している生物にも違いがある。
 この一帯は藩政時代、島津光久公が訪れた際に「眺めの浜」と命名した景勝地でもある。紺碧の海を背景として長さ約4キロほどの砂州と甑四湖が光をキラキラと反射させる様子はとても美しい。特に夕日の沈む様子は圧巻だ。
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2007/6/21


十二月 師走 Juunigatsu Siwasu December, Shiwasu

Jp En

 一二月は別名を師走(しわす)呼ぶ。
 年も暮れに近づき、さまざまな締めくくり、そして新たな年を迎えるためへの家中の掃除、更には正月の準備など、誰もが忙しく奔走しており師匠も走るほど慌しい、という意味が現在では一般的に言われるが、 そもそも師走とは「師馳せ月(しはせづき)」が語源であり、昔は正月も盆と同様祖先の霊を弔う月であった。お経をあげるため、お坊さんがあちこちの家々を忙しく走りまわったのが大本の由来ではないかとされている。
 諸説として、年が果てる年果つ(としはつ)からとされるものもある。更に別名として春を待ちわびることから「春待月」、年末を迎えることから「暮来月」などがある。
 寒さも本番となり、山深い地域では大雪に見舞われるところもすくなくない。そのため、なかなか草花に触れる機会はないが「山茶花(さざんか)」が花をつけるのがこの時期だ。寒々しい風景の中に彩りを添えるように赤みを帯びた花が凛と咲く姿は、とても艶やかで美しい。
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