NIPPON Kichi - 日本吉

記事数3件: 1~3 件表示          

2008/2/29


十五夜火とぼし Juugoya-hi-toboshi 

Jp

 十五夜は毎年旧暦の八月一五日、現代でいうと毎年九月から一〇月の初旬頃にあたる。すすきやお団子をお供えして縁側で中秋の名月を眺める静かな印象だが、地域によっては大変賑やかな風習が残る。
 鹿児島県南さつま市には綱引きや相撲を月に奉納する十五夜行事が伝承されている。準備段階にあたる十五夜を知らせる踊り、口説き唄やお囃子、茅引き、綱ねりなどもすべて行事のひとつであり、集落ごとに少しずつ異なっている。
 坊津町の上ノ坊には十五夜火とぼし(じゅうごやひとぼし)と呼ばれる風習がある。
 綱の材料の100キロほどの茅(かや)を山から持って降りる際に、たいまつをたいて村人に知らせるものだ。
 山の中盤付近で、青年たちが番茅と呼ばれる太く束ねた茅の松明を、火の粉を散らしながらぐるぐる回す。番茅はおよそ一七本ほど。その後口説き歌を歌いながら手分けしてふもとまで運びきる。
 この十五夜火とぼしは「南薩摩の十五夜行事」のひとつとして国の重要無形民俗文化財に指定されている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します




北山の火振り Kitayama-no-hi-furi 

Jp

 北山の火振り(きたやまのひふり)は、北山地区に伝わるお盆行事で、毎年八月一五日に行われる。平成一〇(1998)年に町の無形民俗文化財に指定された。
 昔、北山殿と梅木殿の戦があり、敗れた北山殿の霊を慰めるために精霊を送り、無念仏を供養するためにはじめられた送り盆の行事である。
 長さおよそ七~八メートルの孟宗竹の先端に薪を束ねたものを数十本つくり、巨大な松明にする。そして一本の竹に火をつけ、二~三人が大きな弧を描くように炎を振り回す。ひとつの竹が燃えるとまた次の竹を燃やして一度に六本もの松明を振りまわす。夜空に火の粉を振りまく姿は勇壮で、とても幻想的である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2007/11/16


【秋・龝】 Shuu Autumn

Jp En

 この字は「あき」という季節の、古今変わらない特長である実りと収穫をあらわし、それが禾偏(のぎへん)に反映されています。偏以外の部分は害虫を焼くことを示しています。
 本来の字形では火が下にあります。火を幼虫、または虫卵に直接あてるということを意味するリアルな位置です。甲骨文にはじめて本来の字形が見られます。正字の「龝の龜の下に灬(烈火)がある字」は今「異体字」とよばれるようになりましたが、実は本来の意味をもっとはっきり表しているのです。常用漢字の「秋」では要素の相互関係がわからず、「害虫を焼く」という火の役割が一切見えない省略形になってしまいました。正字では、灬(烈火)は適当に虫の下の部分に置かれています。
 殷の時代に農業はすでにかなり発達し、すでに肥料として灰と糞が利用されていましたが、ズイ虫やイナゴ(稲子)の害も無視できない存在でした。十分に成長した虫は逃げますから、火を当てて焦がしたのはむしろその稲・穀物に付着している動けない虫卵でしょう。そして正字の字形にある虫(龜)にはある象徴的な意味が生じました。そこには、季節の儀礼との深い関係があったのでしょうか。
 
■ 秋・甲骨文(こうこつぶん)
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



記事数3件: 1~3 件表示          
NIPPON Kichi - 日本吉 - 日本語に切り替える NIPPON Kichi - 日本吉 - to english

モノ・コト・ミル・ヒトで綴る
日本の美意識。

現在の記事 5444
カテゴリーズ
都道府県
キーワードシャッフル
お気に入り
キーワード検索
閲覧履歴



Linkclub NewsLetter