NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/9/26


箱崎八幡神社 Hakozaki-hachiman-jinja 

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 鹿児島県出水市(いずみし)にある箱崎(はこざき)八幡神社は、日本一の大鈴があることで知られ、主祭神は応神天皇である。
 その昔、島津家の始祖・島津忠久が、鎌倉より下向の途中、博多の沖で逆風により船が難破しそうになった。筥崎宮に請願したところ難を免れ、無事に山門院野田に着船できたことから、当社を勧請したと伝えられる。
 神門に吊り下がる鈴が、日本一の黄金色の大鈴で、高さは四メートル、直径三、四メートル、重さが五トンもある。青銅製で、表面は総金箔張りの豪華なものである。伊勢神宮御鎮座二千年・今上天皇御即位一〇年の記念事業として、平成一〇(1998)年に竣工された。「成せば成(鳴)る。大願成就の大鈴」という説明が掲示してある。
 出水市は、鶴の飛来地で知らているため、大鈴には鶴八羽が浮き彫りにされている。この地に飛来する鶴は、数や種類が多く、特別天然記念物に指定されている。
 また、この神社には、直径一.五ミリメートルの「日本一小さい鈴」も展示されている。
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2008/3/12


名寄鈴石 Nayoro-suzuishi 

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 名寄鈴石(なよろすずいし)は、褐鉄鋼(かってっこう)という鉱物の一種で、昭和一四(1939)年九月に国の天然記念物の指定を受けた。
 約一〇万年前にできた丘陵や台地の土中に産出し、昭和五(1930)年に、名寄在住の弁護士で郷土史家の田中長三郎が発見した。
 核となる粘土などに、鉄分が殻のように巻き付いてできたと考えられる。鉄サビの固まりのような色で、ほぼ丸く、ピンポン玉からこぶしほどまでの大きさがある。
 振ると音がすることから「鈴石」と呼ばれるようになった。全国でも同様のものは、岐阜県の岩壷、奈良県の鳴石があげられる。
 中国の漢方では「石薬」として不老長寿の薬とされ、正倉院にも納められていた。
 名寄(なよろ)の由来は、アイヌ語で川のそばの国「ナイ・オロ・プト」がなまった「なよろ」からきている。語源のとおり、名寄市は西に天塩川(てしおがわ)、東に名寄川が流れている。
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2008/3/4


松笠風鈴(伊達鋳物) Matsukasa-fuurin(Date-imono) 

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 松笠風鈴・伊達鋳物(まつかさふうりん・だていもの)は、宮城県登米郡登米町で製造されている鋳物製の手作り風鈴である。
 鋳物のさらざらした表面に、虫が食いつぶしたような穴が無数に空いた模様が独特の風鈴だ。
 安永年間(1772~78)に登米の鋳物業者が、仙台藩主の所望により風鈴製作を手がけたのがその始まりとされ、その形が松笠に似ている所から松笠風鈴と命名された。
 以来、登米の名産の一つとして鋳物業者の子孫により作り続けられている。
 銑鉄と砂鉄で作る材料の配合などの製法や技法は、門外不出の秘伝とされ、今も子孫の手により頑なに守り続けられており、そうした秘法で一つずつ手作りされた風鈴は、金属特有の余韻の美しい澄んだ音色を放つ。
 その音色は、手作りのために全ての個体で異なった音を奏でる。
 自分のお気に入りの音色を求めて、ゆっくりと聞き比べてみるのも良いかもしれない。
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2008/2/25


中山人形 Nakayama-ningyou 

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 中山人形(なかやまにんぎょう)は、秋田県横手市の樋渡家(ひわたけ)に伝わる土人形で、元々は子供のおもちゃとして作られた。
 佐賀の鍋島藩お抱えの野田宇吉という陶工が、岩手の南部藩に雇われ、陶土を求めて横手にやってきた。その時、地元の樋渡ヨシが宇吉の長男と知り合い結婚し、義父から粘土細工を習い、横手地方に古くから伝わる串姉っこ人形からヒントを得て創作したのが始まりといわれている。明治七(1874)年頃のことで、窯のあった地名にちなんで中山人形と名付けられた。
 その後、樋渡家の後継者により改良が加えられ、型おこしの素焼きに手描きの彩色を施した明るい作風が郷土玩具愛好者らに支持され、広く知られるようになった。
 近年は、お雛様や天神様などの縁起物や歌舞伎を題材にした伝統人形を継承しながらも、時代にマッチした新作を次々と発表している。特に干支にちなんだ「干支土鈴」は最も人気があるシリーズで、その中の「土鈴羊」は昭和五四(1979)年度の年賀切手の図案に採用された。
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2008/2/5


鈴かけ馬踊り Suzu-kake-uma-odori 

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 鈴かけ馬踊りは、天文一二(1543)年から鹿児島神宮に伝わる馬のマンボ踊りである。鈴かけ馬は九州のいたる所で伝えられているが、その中で馬が躍るのは全国にも類例がなく、珍しい祭として知られている。
 毎年旧暦の正月一八日に馬を飾りたて鈴を付けて踊らせ、五穀豊穣を願うという。本来は初めての馬の日に行うことから初午祭というが、最近では少し温かくなった二月中旬の日曜に行っている。
 金銀の鞍に五色の布をさげ、たくさんの鈴をつけ華麗に着飾った馬が、美しい娘・ヨカオゴジョと、美しい男子・ヨカニセドンの踊り子連を従え、本宮まで参詣する。
 派手な化粧をしたヨカオゴジョ、ヨカニセドンが鉦や三味線、太鼓の音に合わせて馬を囃したてると、馬は首で拍子をとりながら大きな身体を左右に振り、見事な足さばきでマンボ踊りを披露する。
 毎年二〇数頭の馬と約二千人の踊り連が繰り出す、大変賑やかな祭りである。
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2007/8/23


向山神楽獅子の神事 Mukaiyama-kagura-jishi-no-shinji Mukaiyama Lion Kagura Ritual

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 今から約四〇〇年前、名古屋城を築く際に、石垣に使われる築石(つきいし)と荷車を乙川から献上したとされる。その道中の無事と安全を願って露払いをしたのが、「向山の神楽獅子」であったと伝えられている。
 また、宝暦五(1755年)描かれた「乙川山車祭礼絵図」の先頭を行く獅子が向山獅子であると言われている。
 現在では半田市乙川地区の「春の山車祭り」に、向山町の「市杵嶋(いちきしま)神社」の祭礼神事の中で、本神楽とよばれる「鈴の舞」「剣の舞」「胴入の舞」の三種の舞が奉納されるようになった。これがいつの頃か「向山神楽獅子の神事」と呼ばれるようになり、昭和四四年三月一四日に半田市無形民族文化財に指定され、今に受け継がれている。
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2007/8/13


千万町神楽 Zemanjou-kagura Zemanjo Kagura Dance

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 千万町神楽(ぜまんじょうかぐら)は、愛知県岡崎市千万町町に伝わる伝統民芸である。県の重要無形文化財に指定されている。
 起源は、日本武尊東征の際、海が荒れて一行が対岸に渡れなくなったので、弟橘姫尊(おとたちばなひめのみこと)が波の静まるのを祈願、舞を踊り海に身を投じた故事によるものといわれている。
 文永三(1266)年、藤原弘真によって創祠された八剣神社(やつるぎじんじゃ)では、祭神として日本武尊を祀っており、宝歴元(1751)年には祭礼余興として千万町神楽を拝殿で舞ったという記録が残されている。
 神楽では、女装の獅子と才蔵が演者となる。実際の演技では、才蔵が面白い所作で悪魔を喜ばせて鎮魂退散させる「獅子の舞」からはじまり、慎ましい「鈴の舞」の後に場所を移し、歌舞伎外題が次々と演じられる。
 千万町神楽は、神話より連なる伝統の郷土芸能である。
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2007/8/1


新城の田植踊 Shinjou-no-taue-odori Taue Odori in Shinjo

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 新城の田植踊は、宮城県気仙沼市の新城地区に古くから伝わる伝統芸能である。
 天保年間(1830~1843)の大凶作の時、平八幡神社に豊作祈願をしたのがその始まりと言い伝えられており、昔は小正月に演じられていた。
 現在は県指定無形民俗文化財にもなっており、各種祭礼時のほか、旧正月には地区の各戸を廻る。
 その踊りは、七人により演じられるもので、弥十郎と呼ばれる役が二人、後の五人はヤッサカと称する踊り手となり、盛り上げる。
 弥十郎は長烏帽子を被り、陣羽織を着て、金輪のついた「しゅろすり」という竹杖を打ち鳴らしながら前口上を述べる。
 ヤッサカたちは、豆絞りの鉢巻を締め、格子縞の長着に豆鈴のついた前回しをつけ、「ヤーンドヤーハイ」のおはやしと共に手太鼓を打ちながら跳ね踊る。
 当時の農民達が絶望の淵から神に捧げた踊りは、あでやかな衣装と共に苦難を明るく乗り越えようという思いを今に伝えている。
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