NIPPON Kichi - 日本吉

2007/9/4

釉裏金彩 Yuuri-kinsai Yurikinsai

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 釉裏金彩(ゆうりきんさい)は、陶芸技法の中でも最も手間のかかるものの一つである。
 磁器の素地に、九谷色絵の上絵具をかけて本焼を行い、地色を作る。その上に文様や絵柄に切った金箔を置いて焼き付け、最終的にその上から更に透明釉をかけて焼き上げる。
 そうする事で、金箔が透明な釉薬の皮膜に覆われて剥がれなくなり、また、時にいびつにも見えがちなまばゆい金の輝きが、透明釉を通すことで、落ち着いた上品なものとなる。
 金箔と釉薬だけのシンプルな組み合わせだけに、地色の配色や金箔の配置に気を配る必要があるが、細心の注意を払って完成したものは、配置した金が光の加減によって浮かび上がるような、独特の光彩をもたらしてくれる。
 陶芸に関しては中国渡来の技法がほとんどだが、この釉裏金彩は日本で生まれた技法である。まばゆい輝きも一枚の膜に包んでしまう辺りに、日本人の好む奥ゆかしさが表れているのかもしれない。

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住所
922-0000 石川県加賀市
名前
釉裏金彩




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