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古代中国には角に悪霊がひそみやすいという考え方がありました。そのため、地下に埋葬される貴人の墓室は、四隅の角がくりとられた形をしており「亜(亞)」と表されました。氏族の紋章の役割を果たした図象にも「亞」字や「亞」形の中に様々な形を刻んだものがあります。「亞」の中に刻まれた珍しい例として、「莫」(暗いという意味)にあたる字形もあります。しかし、後世の篆文には、墓の意味を持つ「亞」字形の文字が残っていないため、「墓」を地下墓でない自然墓と考える墓相学の説も紹介します。
「墓」という字は、意味と発音を表す字形の組み合わせでつくられた形声文字とされていますが、象形文字として解釈します。
字の上の部分は、「艸と日」そして「艸と土」の組み合わせで、草が青々と生えている様子を表します。明るい草原に輝く太陽、その日ざしが草に生気をみなぎらせている様です。ここでは、死体が土・自然に還る理想を表しています。神道のお墓がその自然墓の理想にかなり近いと思われます。陰陽を重んじる東洋では太陽という「陽」の要素と土の「陰」の要素でバランスが取られているのです。
■墓・篆文(てんぶん)
「墓」という字は、意味と発音を表す字形の組み合わせでつくられた形声文字とされていますが、象形文字として解釈します。
字の上の部分は、「艸と日」そして「艸と土」の組み合わせで、草が青々と生えている様子を表します。明るい草原に輝く太陽、その日ざしが草に生気をみなぎらせている様です。ここでは、死体が土・自然に還る理想を表しています。神道のお墓がその自然墓の理想にかなり近いと思われます。陰陽を重んじる東洋では太陽という「陽」の要素と土の「陰」の要素でバランスが取られているのです。
■墓・篆文(てんぶん)
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