NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/7/28


小田部庄右衛門 (御鋳物師) Kotabe Shouemon (On-Imonoshi) Shouemon Kotabe (Metal Worker)

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 小田部庄右衛門。昭和46(1971)年、茨城県生れ。
 御鋳物師(おんいものし)として八〇〇年以上の伝統を守り続ける。小田部家三七代。
 父である先代の元、子供の頃より梵鐘作りを手伝う。国立高岡短期大学(現富山大学)金属工学科卒業後、盛岡の鉄瓶工房で修行。その後、小田部鋳造に戻り、25歳で御鋳物師を継ぐ。
 筑波山の麓にある工場では梵鐘、半鐘、天水鉢の鋳造を行っており、全国から注文の他に、外国からのベルの製作依頼もある。
 文字と模様を相談し、地元の砂と粘土で鋳型を作り1200度の銅と錫を流し込む。小田部鋳造では鐘に着色しないので、鋳型にとても手間をかける。一つの梵鐘を作るのには、4ヶ月~半年、さらには一年かかることもある。鋳型から取り出された鐘はオレンジがかった赤銅色をしており、しだいに赤、紫、青緑を帯びてゆく。時とともにその土地の空気が色を変化させるのだ。
 イメージの先にある梵鐘の響き。心を震わせる音を求めて小田部さんは試行錯誤を続けている。
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オオタスセリ Oota Suseri Suseri Oota

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 芸人・オオタスセリ。神奈川県出身。本名は太田寸世理。スセリという名前は『古事記』に登場する、勢いのままに突き進む女神・スセリ姫(スセリビメ)に由来する。
 本格的に芝居の道に進むために大学を中退。劇団円研究所に所属後、「ペコちゃん」という漫才コンビを組むが、相方の結婚によりピン芸人へ。一人コントやギターの弾き語りなどの舞台を中心に活動。女優や台本作家、エッセイストとしても評価が高い。代表作『デカい女』。
 身長176cm。足のサイズ26cm。成人女子の平均身長が159cmである中、平均値から大きくはみ出した自分自身を見つめる目は鋭い観察眼を生み出し、およそ他人には思いつかないような日々のディテールの観察やユニークな行動に発揮されている。
 ピンの芸人でありアーティスト。やりたいと思ったことはすぐに実行し、常に人前に自分を晒すことで育ってきた勢いは、まさにスセリ姫。
 今後のオオタスセリの益々の飛躍が期待されている。
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2008/7/10


シュミッツ クリストフ Syumittsu Kurisutofu Dr. Christoph Schmitz

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 漢字学の巨人・白川静氏が構築した白川文字学の研究者で、哲学思想史・日本思想史研究者。ドイツ・ケルン生まれ。東京都在住。
 ドイツと日本の大学で歴史と哲学、哲学史を基礎に日本思想史を学んでいる時に漢字に興味を抱きはじめる。しかし、西洋の漢字教育では、漢字の形とその意味の関係について充分に説明されないことに、落胆。その後、一九九七年、日本の新聞に載った白川静氏のインタビュー記事を読み、「白川先生の偉業や字書を世界に紹介したい」と考え、ドイツの市民大学などで哲学思想史と漢字を教えた後、白川氏訪問のため二〇〇一年に来日、初めて対面する。二〇〇二年、東大法学部に研究生として入学。
 二〇〇三年一二月、白川静著の漢字入門字典『常用字解』の英訳を始め、ほぼ三年かけて完成。漢字の成り立ちを自然に理解できる漢字学習の基礎づくりをめざしている。
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2008/6/24


大野勇太郎 Oono Yuutarou Yuutarou Ohno

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 1935年、東京都生まれ。株式会社大野精密・代表取締役社長。
 北豊島工業高校卒業後、8ミリカメラ製作会社へ入社。1978年に歯車製作の株式会社大野精密を起業。大野氏は江戸時代のからくり人形を高精度の歯車製作の技術を駆使して現代に蘇らせている。
 工学書で「からくり人形」の存在を知ったことをきっかけに、細川半蔵の著書「機功図彙(からくりずい)」という解説書の複製を入手。本業の合間に解読を進め、それから約二〇年もの間、茶運び人形・指南車・からくり時計などを作り続けている。細川半蔵とは江戸時代に「からくり半蔵」と呼ばれた技術者である。
 顔と衣裳を除いた、約八〇点ほどの部品を使い組み立てられる人形は、なるべく当時の方法を残すようにして作られているという。江戸時代と現代が融合した機能美がここにある。
 今後は弓を引いて的に当てる「弓張り童子」の復元をしたいという大野氏。江戸時代の先達に敬意を持ちながら、からくり人形を通じてものづくりのロマンを現代に伝え続けている。
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2008/4/22