NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/10/9


越後与板打刃物 Echigo-yoita-uchihamono Echigo Yoita Forged Blades

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 新潟県長岡市与板地区の打刃物産業は四百年余りの伝統を誇り、その切れ味の鋭さと使いやすさには定評がある。
 戦国時代の天正六(1578)年、上杉謙信の家臣が春日山より刀剣師を招き打刃物を作らせたのが始まりで、享保年間(1716~36年)には与板の大工道具は「土肥のみ」または「兵部のみ」として知られるようになった。明治に入ると刀剣師が鉋(かんな)の製造に着手し、全国にその名をとどろかせた。そして昭和六一(1986)年、のみ・かんな・まさかり・ちょうなについて、通産大臣(現経済産業大臣)より「越後与板打刃物(えちごよいたうちはもの)」として伝統的工芸品の指定を受けるに至った。
 与板の打刃物は火づくりの鍛造技法によるもので、地鉄に鋼をのせ丹念に焼いては叩きの地道な工程を繰り返し、伝統工芸師の魂が宿った完成品へと仕上げられて行く。
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2007/5/22


鉋 Kanna 

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 鉋とは、一言で言えば木材の表面を削る道具であるが、熟達した職人が使うと、木肌は紙よりも薄く削り取られて行く。無骨な外観の割には、非常に繊細な仕事をする道具なのである。
 鉋は大別すると大鉋、小鉋に分けられるが、全体の9割以上は小鉋だ。大鉋は柱などの寸法出しや面仕上げに用いられ、小鉋は大工仕事の数だけ存在するという。
 鉋の木製部分を「台」と言い、刃を「鉋身」(かんなみ)と言う。鉋身は「押え溝」、「押え棒」、「押金」(おさえがね)と呼ばれる小型の刃の様な物で台に固定され、刃先の微妙な出具合を調整するとともに、押金は木肌の逆目(さかめ)を防止する役目を担う。
 刃の出具合の調整は台の一方を叩くことで行なえ、一つの鉋で削る木肌の厚みを微妙に変えて作業することが出来る。全て熟達した職人の経験と勘で行なわれるが、鉋台そのものを調整するための鉋が存在するというのも、興味深い。
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2007/5/10


山中漆器 Yamanaka-shikki Yamanaka Lacquer Ware

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 四百年の歴史を持つ山中漆器。石川県加賀市に今でも連綿と受け継がれている伝統工芸品だ。
 安土桃山時代の天正年間(1570〜1592年)。越前から木地師が移住してきて、轆轤(ろくろ)挽き物の技術を伝えたのがはじまりとされる。現在では、江戸期に導入された「塗り」や「蒔絵」の技術を取り入れ、茶道具を中心とした塗り物の産地として有名だ。
 山中漆器の最大の特徴は、白木地を、鉋(かんな)で回転させながらくり抜く轆轤(ろくろ)挽き製法。お椀や茶托などの丸い茶器の製造を得意とする。そのほか、材質・木目を活かした「加飾挽き」も特徴のひとつ。
 絵付けを行わない「轆轤(ろくろ)挽き物木地」は、器の形そのものが意匠である。そこには1点のゆがみも許されない。山中漆器には、見た目の素朴さからは想像もつかないほどの、木地師の技が隠されている。
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2007/2/28


粟野春慶塗 Awano-syunkei-nuri Awano Lacquer Ware

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 粟野春慶塗は、岐阜県の飛騨春慶、秋田県の能代春慶とともに日本三春慶に数えられる伝統漆工芸である。
 その歴史は春慶塗のなかでも最古で、室町時代中期延徳元(1489)年に、稲川山城守源義明が現在の城里町粟で始めたと伝えられている。
 素材は檜の中で一番硬い石檜を用い、木取りをし、かんながけの後、ウツギの木による木釘で組み立てていく。
 表面の磨きには、トクサを使い、檜材の木目を生かしながら大子産の漆を塗っていく。
 透明度を高め、美しい色を出すために漆に梅酢を加えるのが特色で、製品には、盆・重箱・弁当箱・硯箱等がある。
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2007/1/25


小鹿田焼 Onta-yaki Onta-Yaki Ceramic Ware

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 小鹿田焼(おんたやき)は、大分県日田市の山あい、小鹿田地区にて焼かれる陶器である。
 小鹿田焼は江戸時代中期に、筑前の国・小石原焼きから陶工・柳瀬三右衛門を招き、大鶴村の黒木十兵衛によって開窯された李朝系登り窯である。
 小鹿田焼は開窯から300年、代表的な技法として、飛びかんな・刷毛目・櫛描き・打ち掛け・流しなどがあり、色調も青磁、黒、白飴、黄など多彩である。
 1954年、及び64年、世界的に著名な英国のバーナード・リーチが日田に滞在し、作陶したのは有名である。
 今も集落の谷川でのんびりと陶土をつき続ける唐臼のように、永い歴史と伝統を守りながら、小鹿田焼10軒の窯元がじっくりと手仕事に取り組んでいる。
 1995年、国の重要無形文化財保持団体の指定を受ける。
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2006/11/28


村上堆朱 Murakami-tsuisyu Murakami Tsuishu (carved and lacquered ware)

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 村上堆朱は、木地に彫刻をし、漆を幾重にも塗り重ねる漆器だ。600年の昔から伝わる新潟県村上市の伝統芸能である。
 古くから県北の文化の中心を担ってきた村上には、歴史を誇る寺社が多く残っている。その宮大工の技を活かしたのがこの村上堆朱。精密緻密な木彫り、手間を厭わない漆の重ね塗りと仕上げ、研ぎにいかんなく匠の技を発揮している。
 使い込むほどに艶を増す朱、深い透明感の黒、手に馴染む極上の仕上げ。600年の歳月をかけ、職人たちは創意工夫、技術の研鑽に励んだ。その落ち着いた高雅な魅力を変えることなく、現在では時代の感覚に調和した茶器や花器、盆などの製品作りが行われている。
 村上堆朱は独自の技法や意匠が認められ、新潟県無形文化財や経済産業大臣の伝統工芸品に指定されている。
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木と漆の器 大蔵豊彦 Ki-to-urushi-no-utsuwa Ookura Toyohiko Wooden lacquered vessels: Toyohiko Okura

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 新潟県上越市に工房を構える木地師、大蔵豊彦。日本伝統の木工轆轤(ろくろ)で器の形を削りだし、漆を塗り、さまざまな木の器を造っている。すべての工程を自分で行う木地師としてのプライドとこだわりは、製作道具である刃物(かんな)にもおよび、自ら鋼を鍛えて造るのだという。
 目指すのは「日常の漆器」。あきのこない、使い勝手のよい実用の器に勝負をかける。その温かい表情の漆器は日本全国のファンの人気を集めている。
 大蔵豊彦の工房では、記念の木材で、世界にひとつだけの器をオーダーメードすることもできる。人生の節目の折に作る記念品としてもぴったりだ。
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