NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/8/28


神鏡 Shinkyou 

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 まだ、科学の発達していなかった古代の人々にとって、自らの姿を映し出す鏡は神秘的なものであり、また、神の不思議な力が宿る畏敬の存在であった。
 日本でも弥生時代や古墳時代の有力者の墓から多くの青銅の鏡が出土している。また、邪馬台国の卑弥呼の時代には朝鮮半島を経て多くの銅鏡である方格規矩四神鏡(ほうかくきくししんきょう)が日本に入ってきた。
 その後、鏡は、呪術や祭りでの神の権威の象徴として取り扱われるようになり、天皇の時代には神鏡は権威の象徴の一つとなっていった。
 天皇家に伝わる三種の神器の中の一つに八咫鏡(やたのかがみ)がある、この鏡は天照大神(あまてらすおおみのかみ)が天上より御くだりになった時、天照大神自身だと思って祀るようにと伝えられている鏡である。
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2008/8/21


【蔑】 Betsu, Naigashiro to despise, to neglect

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 蔑視の蔑ですが、字源を理解するためには、殷代の呪儀と戦争のやり方にさかのぼることになります。
 普通、草冠の字は植物を表しますが、これは横向きになっている「目」と一体になっています。これは異民族の媚女(シャーマン)の、頭の部分を表しています。「寛」の字説にあるように、目・眉に呪飾をつけた媚女の頭を表します。
 下の部分「戌」は武器の戈・矛です。この字は敵である異民族の媚女の頭を戈・矛で切ることを表します。
 媚女は前衛部隊として相手を霊的に威嚇する役割をもっていました。殷代の戦争は敵の媚女と威嚇しあってから始まったのです。「蔑ろ(ないがしろ)にする」という意味は、媚女を「殺す」ことによって、その呪力を失わせるということから生まれました。
 
■蔑・甲骨文(こうこつぶん)
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2008/8/4


【徳(德)】 Toku, Tadasu Virtue

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 「徳」の字が表す元の意味は、後世の「徳」の倫理概念ではなく、原始的なアニミズムと呪術の世界へ戻らなければなりません。
 「行」という字は縦横の交差点を象っていますが、「徳」の部首となっている「彳」は、「行」の左半分、つまり分岐を意味します。人が多く通る場所であり霊的に大事なところです。自然にほかのところより事故が多発するので、悪霊をはらう対象にもなります。
 旁(つくり)の横向きの「目」の上部は「蔑」や「省」と同じように呪飾を表しています。「省」はある地域・国に対しての武威をあらわすものですが、「徳」の右上の部分と同じ由来をもち、呪力のある目で見回ることを表しています。特に「徳」の字は、「彳」の要素を持つことから、呪飾の目の威力で行われる巡察の対象が、交差点や分岐にある悪霊であり、それを祓いただすことを示します。
 一般的に旧字体のほうが古代の字体に近いのですが、この「徳」は、旧字体よりも一画少ない常用漢字の字体は金文に近い形です。
 さらに初めて「心」の形が加わったのは、殷から周への革命の直後、西周前期の青銅製の器である「大盂鼎」(盂はこの鼎を使った殷の人の名前)に刻まれた290字の長い銘文で、その時から「徳」の意味するところが、目の呪力より精神的・内面的な方向へ変わりました。
 
■右 徳・甲骨文(こうこつぶん)
■左 徳・金文(きんぶん)
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2008/4/22


和太鼓 Wadaiko Wa-daiko (Japanese Taiko Drum)

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 和太鼓(わだいこ)は、打楽器の一種であり、日本における太鼓の総称である。
 内部をくりぬいた、ケヤキなどの木でできた胴に主に牛の皮を張り、その皮を叩いて振動させて音を出す。
 構造が同じもので鼓(つづみ)があるが、手で叩くものを鼓、撥など道具を使って叩くものを太鼓と呼び、区別している。
 その歴史は古く、縄文時代にはすでに似たような構造のものが存在していたとされる。
 中世には、田楽などの庶民文化の発達などによってお囃子太鼓が隆盛し、戦国時代には陣太鼓、江戸時代には時報として江戸城内で太鼓を打つなど、人々の生活に根ざした音色を奏で続けていた。
 特に神と意思を伝達する手段、呪具として寺や神社で用いられていたことは、日本人の心に深く響く楽器となっている要因なのかもしれない。
 昭和に入ってからは様々な種類の太鼓を組み合わせた太鼓主体の音楽である組太鼓が出現し、日本人だけでなく外国の人々もその深い音色で魅了している。
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2007/12/20


【寛】 Kan Tolerance, Leniency

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 いわゆる会意文字です。まず上部ですが、ほかの字にもたくさん見られる宀(ウ冠、うかんむり)はただの屋根を表しているのではなく、霊廟(れいびょう、みたまや)の屋根です。この部分がアジアの宗教文化の基礎となっている祖先供養と祖先礼拝を表しています。
 歴史に見られるアジアの長い平和の秘訣は、このような漢字にも含まれています。祖先の恵みを思うことで人生の困難に耐えることが可能になり、心が広くなります。自分とは異なる考え方、人生観を持っていた祖先を思いますと現在の自分と正反対の生き方や信念を持つ人に対しても、もっと寛容になることができて、人生の本質が見えてきます。
 下の部分は廟(みたまや)で儀式を勤めている巫女です。神道にも巫女が神がかりになる儀式はよくあります。巫女が緩やかになり、神のお告げを伝えます。その時の巫女の姿は、目が強調されてその上に常用漢字には草冠の形になってしまった呪飾も象っています。巫女の寛和な振る舞いだけでなく、それと切り離せない儀式に参加している家族の祖先を敬う心と気持ちも字の意味に寄与していると考えられます。
 
■ 寛・篆文(てんぶん)
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2007/11/22


櫛 Kushi 

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 櫛(くし)とは、頭髪をすいたり髪飾りとして挿したりする道具である。
 日本では6000年前の縄文時代、福井県の鳥浜貝塚から赤い漆塗りの櫛が出土している。遺跡からの出土は東日本に偏っており、当時は日用品ではなく、呪術的な意味があったと推測されている。
 平安時代から戦国時代までは女性の髪型が垂髪であり、また、髪を洗う事が少なかったので、髪の汚れを取り除く事を目的として、実用的に使用されていた。
 江戸時代になると女性の髪が結われるようになり、髪を整える目的で櫛がよく使われる従い、装飾が綺麗な物が増えた。
 その結果、髪飾りとしても普及し、貝やべっ甲でできた物や、鮮やかな彫刻・絵画を施した櫛が作られ、利用されるようになった。
 現代では、べっ甲・ツゲ・竹・象牙・合成樹脂等で作られている。
 櫛は、とりわけ女性にとっては、古くから日常欠くことのできない化粧用具のひとつである。
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2007/10/4


沼津 日枝神社 Numazu Hie-jinja Hie Shrine in Numazu

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 沼津日枝(ぬまづひえ)神社は、静岡県の沼津市に鎮座し明治に至るまで近郷近在二二ヶ村の総鎮守であった。
 嘉保二(1095)年、比叡山の天台僧兵の強訴に対し関白・藤原師通(ふじわらのもろみち)が兵を向け僧兵に負傷者が出たため、師通は呪詛により急逝してしまう。この事件の翌年の永長元(1096)年、師通の母によって所領地で大岡庄と呼ばれていた現在の地に勧請したのが始まりとされる。
 山王信仰に基づいて京都の日吉神社より大山咋神、大己貴神、大歳神の三座を分祀して建立されたため、山王社とも称される。
 同社には国の重要文化財に指定されている「紙本着色山王霊験記(しほんちゃくしょくさんのうれいけんき)」の一巻が保存されているほか、数多くの古文書類が残されていることでも知られ、境内には同社を訪れた松尾芭蕉の句碑もある。
 毎年の九月二三日からの二日間には例大祭も催され、沼津の秋の風物詩として、「山王さん」の愛称と共に今も地域の人々に親しまれている神社である。
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2007/9/26


役小角 En-no-ozunu En no Ozunu

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 役小角(えんのおづぬ)は、修験道の開祖。山岳信仰による呪力の獲得、自然との一体化による即身成仏を説いた。日本的霊性の源流として、只ならぬ影響力を持つ人物である。
 舒明天皇六(634)年、大和国葛城上郡茅原(現在の奈良県御所市)、葛木山のふもとで誕生。独学で仏像を作り、梵字を書き始める特異な少年だった小角は、一七歳で家を捨て、葛木山での本格的な霊的修行に入る。
 仙人と遊び、仏や神を叱り飛ばし、鬼を従者として使う強者となっていった。神通力が朝廷に知られ、恐れられ、天皇の命令で伊豆大島へ流刑されたりした。
 晩年は、諸国を巡り、数々の霊山高峰を訪れた。現在、日本で霊山とされるほとんどの山が役小角の開山という伝説がある。六八歳の時、天井ヶ岳にて、多くの弟子達に見守られるなか、微笑み続けながら息を引き取った。
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