NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/2/7


木葉猿 Konoha-saru 

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 熊本県玉東町(ぎょくとうまち)の木葉に伝わる「木葉猿(このはさる)」は、郷土玩具の中で、最も古いものの一つであるといわれている。
 養老七(723)年の元旦に「虎の歯(このは)」の里で生活していた都の落人が、夢枕に立った老翁のお告げにより奈良の春日大明神を祀った。そして木葉山の赤土で祭器をつくった際、残りの土を捨てたところ、それが猿に化けたという言い伝えがあり、木葉猿が誕生したといわれる。
 型を使わず、指先だけで粘土をひねる技法で猿の土焼人形をつくり、素焼きにしたままの伝統玩具である。
 昔から素朴さとユーモアある姿は人気があり、大正時代後期には、全国土俗玩具大番付で東の横綱になった。最近では彩色したものもあり、三匹猿・子抱猿・飯喰猿など合わせて一〇種類程あり、悪病、災難除け、子孫繁栄、子授けなどのお守りとして多くの人々に親しまれている。
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2007/11/8


播州そろばん Bansyuu-soroban 

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 兵庫県の播磨平野に位置する小野市は、播州そろばん(ばんしゅうそろばん)の産地として知られ、全国生産の七〇パーセントを占めるそろばんの町である。昭和五一(1976)年、国の伝統的工芸品に指定された。
 このそろばんの特徴は「すわり」「さえ」「気品」にあるといわれる。珠の動きに安定感があり、動きやすく止まりやすい「すわり」、珠を払うときに出る澄んだ「さえ」と呼ばれる音色、そして入念な細工と正確な組み立てによる優美な存在感が「気品」として表われている。
 珠は、別名斧折(おのおれ)とも呼ばれる堅い樺(かば)を用いてつくられるが、価値の高いものとなると、柘植(つげ)や黒檀(こくたん)などが用いられる。
 良質な木や竹をつかい、熟練された職人によって伝統ある技術品をつくりだす播州そろばんは、単なる計算道具というだけではなく、手や指先を使いながら心を和ませる作品として幅広く愛用されている。
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2007/9/14


細見華岳(人間国宝) Hosomi Kagaku 

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 大正一一(1922)年兵庫県生まれ。織物師。
 昭和一二(1937)年、十五歳の時に京都西陣の織物師、波多野諦観に師事。綴れなど、各種の織の技術を学ぶ。
 昭和二四(1949)年には独立、綴織工房を立ち上げる。その後は喜多川平朗や森口華弘に指導を受けながら、社団法人日本工芸会に所属し、綴や絽、紗、交織など様々な織技法作品を日本伝統工芸展を中心に発表していく。
 そうした活動の中、昭和三九(1964)年には日本伝統工芸染織展にて日本工芸会会長賞、昭和六十年には日本伝統工芸展で同賞に輝くなど、その匠の技術は高く評価され、平成九(1997)年に綴織の重要無形文化財保持者に認定、人間国宝となった。
 綴織は日本人の持つ指先の感覚が重視される技法だといわれる。
 氏の作品は、永年培われたそうした高度な製織技術の確かさの中に、現代的で気品に満ちた温雅な作風を感じられる逸品として、高く評価されている。
 匠の手により、今日もまた伝統が綴られていく。
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2007/9/7


紬織 Tsumugi-ori Tsumugi Silk Textil

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 紬織(つむぎおり)は、真綿から紡ぎ出した糸を経緯に用い、手織りで織り上げられた織物である。
 屑繭などから真綿を作り、指先で糸にしたものを手紡ぎ糸あるいは紬糸といい、それらを用いることから紬織と呼ばれるようになった。
 手紡ぎ糸独特の微妙な凹凸から生まれる風合いや鈍い光沢が特徴で、また、非常に丈夫なことから、古くから日常衣料や野良着などの作業着として用いられていた。
 このため、例え絹であっても正装には用いられなかったが、江戸時代のいわゆる”粋”を愛した通人たちが、その色合いや絹なのに落ち着いた光沢を持つ風合いに渋さを見出し、さりげなく趣味の良さを主張できる粋な反物として、外出着やお洒落着に用い、人気を博した。
 非常に丈夫な分、織りたては生地が硬く、着心地が良くないため、裕福な商人は番頭などに着せて、やわらかくなったところで自分で着用したという逸話もある。
 織りたての硬いものを羽織って、落語よろしく粋がってみるのも良いかも知れない。
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2007/4/26


足袋 Tabi 

Jp

 足に履く衣類であり、日本の伝統的な履物である下駄、草履や雪駄などを履く際に用いられるため親指と他の指とに指先が分かれている。袋状の形をしたもので、足首を紐や金具で留める。
 中国から伝わった木靴を履く際に用いた下沓(しとうず)という靴下が元とも言われているが、明らかではない。元々は皮で作られていたが、江戸時代、明暦の大火(めいれきのたいか)により皮が不足したことから木綿製のものが作られ、主流となったと言われる。
 多くの種類があり、白足袋は礼装用他、能舞台、土俵、弓道場などに上がる際にも用いられる。
 色柄を用いた柄足袋は様々な美しい文様があり、着物や帯にあわせ選ぶことができる。
 地下足袋(ぢかたび)は最も用いられている足袋である。ゴム引きの底を持つ丈夫さと柔軟さが細かい作業に向くとされ、鳶(とび)などの職人に広く愛用されている。いずれも日本独自のものであり、現在も広く用いられている。
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