NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/1/30


小宮康孝(人間国宝) Komiya Yasutaka Yasutaka Komiya (Living National Treasure)

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 大正十四(1925)年生まれ。
 昭和五十三(1978)年、重要無形文化財「江戸小紋」の保持者(人間国宝)に認定される。
 染工場に生まれた氏は、小学校卒業とともに父、康助氏(江戸小紋の人間国宝)に弟子入り、父親の技術を徹底的に習得した。修行の中で、優れた小紋染をするためには型紙や染料の研究が必要と感じ、独自にその研究に没頭。やがてその努力は実を結び、彼の作品に独特な細かい柄が霧のように散ったような紋様、色鮮やかな小紋染めの製作に成功したのだった。
 氏の作品は江戸小紋の最高峰とも、お茶をたしなむ人なら知らない人はいない、とも言われる。しかし、氏は「小紋染めは自分の力だけではいいものはできない」と謙虚に語る。型紙職人など、分業スタッフとのコラボレーションにより、最高の品質が生まれるという。
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志村ふくみ(人間国宝) Shimura Fukumi Fukumi Shimura (Living National Treasure)

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 大正十三(1924)年、滋賀県近江八幡に生まれる。平成二(1990)年、重要無形文化財「紬(つむぎ)織」の保持者に認定。
 氏がはじめて母親より機織りを習ったのは十七歳のとき。30才の時織物の道を志し、離婚。独力で草木染の技法を学び、鮮烈な作品を次々と生み出した。
 氏の作品の魅力は、なんといっても自然界の草木から丹念に採取して絹糸に移し換えた、きわめて豊かな色彩のハーモニーにある。また、古くから伝わる縞や緋などの織り文様と、植物染料による染め糸を巧みに組み合わせることで、紬織りの着物を芸術作品にまで発展させた努力と功績は高く評価されている。
 歴史上の物語を主題とした織りも手がけており、とくに源氏物語はライフワークにもなっているという。物語の心のイメージを植物から得た色糸で優美に織り上げた紬が、平安の色と心象風景を奏でている。
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2007/1/29


大澤光民(人間国宝) Oosawa Komin Osawa (Living National Treasure)

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 昭和16年、銅器産業の地、富山県高岡市に生まれる。平成17年、「鋳金(ちゅうきん)」の重要無形文化財として認定された。
 鋳金は金属を溶かして鋳型に注入し、器物を鋳造する金工技術。弥生時代以来の長い歴史を持ち、鋳型の造形法により惣型(そうがた)、蝋型(ろうがた)、砂型(すながた)、焼型(やきがた)などに分類できる。
 焼型鋳造は複雑な造形作品や大型の銅像などを鋳造できるが、すべての工程に経験と高度な技術が求められる。
 氏は、焼型鋳造に精通し、新たに独自の「鋳ぐるみ技法」という、器の表面に模様を表す技法を研究、独自の作風を確立してきた。以来、線と点などからなる幾何学模様の美を追求している。ひとつの作品を作るだけでも作業が深夜におよぶ日もしばしばだが、「本当に一生懸命やっていると、ふっと新しいことが頭に浮かぶものだよ」と語る氏の笑顔は清清しい。
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江里佐代子(人間国宝) Eri Sayoko Sayoko Eri (Living National Treasure)

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 截金(きりかね)師、工芸作家の江里佐代子氏は昭和二十(1945)年、京都生まれ。現在京都市左京区岡崎に位置する仏像制作工房「平安佛所」にて、大佛師(だいぶっし)である江里宗平、二代目・康慧とともに截金を行っている。
 截金とは切金とも書き、細金(ほそがね)と呼ばれることもある。純金箔やプラチナ箔を数枚焼き合わせ、厚みを持たせたものを細く線状、丸、三角などに切り、それを筆の先につけて貼りながら様々な紋様を描き出す技法で、主に仏像や仏画の装飾用として用いられている。
 氏は江里家に嫁いだ後初めて、截金を学んだという。寝る間を惜しんで修行し、髪の毛よりも細い金箔を自在に扱う技術と精神力を修得した。その文様は、人間技とは思えないほどの精緻かつ優美で、思わず息を呑むほどだ。
 平成二十(2002)年には截金で重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けた。
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中川衛(人間国宝) Nakagawa Mamoru Mamoru Nakagawa (Living National Treasure)

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 昭和二十二(1947)年、石川県金沢市生まれ。平成十六(2004)年、「彫金」で重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受ける。
 金沢美大産業美術学科卒業後、昭和四十九(1974)年、金工作家高橋介州氏に師事、彫金を学んだ。
 金属を彫ったところに別の金属を埋めて装飾する加賀藩伝統の「加賀象嵌」。タガネなどの道具にはじまり、素材、技法—すべて見よう見まねで会得した。伝統的な象嵌(ぞうがん)技法を学ぶ一方、「自分ならではの作品を作りたい」との思いから、自然の光景を取り入れた色彩鮮やかで現代的な作品を数々送り出す。伝統的な象嵌は単色が大半。色味の異なる金属を多用した洗練された文様で、金工の世界に新風を吹き込んだ。
 現在、金沢美大教授、同大美術工芸研究所長として後進の指導にもあたっている。
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齋藤明(人間国宝) Saitou Akira Akira Saito (Living National Treasure)

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 大正九(1920)年生まれ。
 平成五(1993)年、重要無形文化財「鋳金(ちゅうきん)」の保持者(人間国宝)に認定される。
 鋳金(ちゅうきん)は、金属が高温で熔けるという性質を利用した技法で、熔かした金属を、鋳型(いがた)に流し込んで冷却し、固まったのち型から取り出して仕上げる。
 師でもあった父(鋳金師齋藤鏡明氏)を10代で亡くし、家族を養うために鋳金工房を継ぎ、実務を積みながら手さぐりで修行を重ねる。戦争で全てを喪失し、一からの出発の中で恩師と出会い、さらに技に磨きをかけた。
「簡素でいて堂々とした、宇宙のような広がりを感じさせる作品を創りたい。」2種類の金属を使った「吹き分け」という技法で独自の境地を開いた。八十代のいまもなお現役として。力強く迫力ある作品を造りつづけている。
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2007/1/18


鈴木 藏 (人間国宝) Suzuki Osamu Osamu Suzuki

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 1934年、岐阜県土岐市駄知町生まれ。1953年、地元の県立多治見工業高校 窯業科を卒業し、釉薬や土の研究に努める父・通雄の手伝いをする為、丸幸陶苑の試験室に入社。慣習を重んじるやきもの制作において、合理的なデータを蓄積していく科学技術的な取り組みを学ぶ。
 1959年、第8回 現代日本陶芸展に5枚1組の「志野丸皿」を初出品。第6回 日本伝統工芸展にも出品し、共に入選を果たす。以来、数多くの受賞を重ね、1982年には第19回 日本陶磁協会金賞を受ける。
 土地柄、薪窯信仰が根強く残るが、一貫してガス窯を用いる志野焼を試み、その優れた成果が高く評価され、現代の「志野」において、指導的立場を確立。1987年に芸術選奨文部大臣賞を受賞。1994年、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
 「志野」は日本で生まれた最初の本格的な施釉陶器で、白く柔らかな釉が厚くかけられミカンの肌の様に一面に穴が開いている独特なイメージを持っている。
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