NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/9/11


桐塑人形 Touso-ningyou 

Jp

 桐塑人形(とうそにんぎょう)は、材料に桐塑を用いて製作された人形である。
 桐の木粉と生麸糊(しょうふのり)を練り上げてできる、弾性のある粘土状の素材を桐塑と呼ぶ。
 その原点は奈良時代の乾漆にあるとされ、粘土状の素材であることから自由な肉付けによる造形が可能で、乾燥すると大変硬くなるため、木材同様に彫刻を施すこともできるという特色を持つ。
 また、作りたい形にくりぬいたところに桐塑を詰め込み、同じような形のものをたくさん作る製作方法にも適していたため、江戸時代においては雛人形などの頭部や、手足を作った練り物の技法としても現在に受け継がれている。
 仕上げには胡粉仕上げや和紙貼、布貼、彩色などの各種の精緻な技法が駆使される。
 顔や手足の部分は特に念入りに作業が行われ、上塗り胡粉を塗り重ねた上で、目や眉、唇や毛髪を書いて仕上げる。
 そうして仕上げられる人形達の表現はとても豊かなものであり、現在では創作人形の重要な一分野を占めている。
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2007/3/14


駿河雛人形 Suruga-hina-ningyou Suruga Hina Dolls

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 駿河雛人形は、静岡県にて作られる、独自性の強い雛人形である。
 駿河雛人形のルーツは、菅原道真を型どった煉天神(ねりてんじん)と呼ばれる人形である。
 煉天神は、駿河地方独特の天神信仰から生まれた人形であり、古くから雛の節句に飾られていた。
 煉天神は、人形全体が桐塑で作られ、顔だけでなく、衣裳までもが筆で描かれている。
 江戸末期には、煉天神に衣裳を布で作り着付けた衣裳着天神が生まれた。この衣裳着天神が駿河雛人形へ発展していったのである。
 大きな特徴として、胴体部に太い藁胴が使われ、胸部分の曲線に合わせて斜めに削られている。また、京人形と違い、人形の衣装の上下が別々になっている。
 駿河雛人形は、現在、雛人形だけでなく、煉天神、時代人形、天神人形、五月人形などたくさんの人形を生産し続けている。
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2007/1/29


秋山信子(人間国宝) Akiyama Nobuko Nobuko Akiyama (Living National Treasure)

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 昭和三(1928)年生まれ。「秋山信子」は雅号で、本名は今井信子。平成八(1996)年に「衣装人形」で重要無形文化財(人間国宝)に認定された。
 昭和三十一(1956)年に人形作家、大林蘇乃に師事、桐塑(桐材の木粉と生麩糊を練り合わせた粘土状の材料で造形する技法)および和紙貼、木目込みなどの伝統的な創作技法を学ぶとともに創作人形の指導を受ける。
 衣装人形の衣装の生地は、江戸末期から昭和初期につくられた着物から取って使う。また、立ち座りの型は調節することができる。衣装と全身の姿がもつ個性と品格。それらは、すぐれた伝統的素材や技法と、作家の独自なイメージが結びつくことによって生まれてきた。人形には創作者の人格が表れる。氏が造る人形はどこか温かく、品格漂うものばかりである。
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2007/1/12


江戸木目込人形 Edokimekomi-ningyou Edo Kimekomi Dolls

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 江戸木目込人形(えどきめこみにんぎょう)は、衣裳を胴体にきめこんで固定するのが特徴の、東京や埼玉で作られる人形である。
 京都上賀茂神社の雑掌(雑用をする人)が、神事に使う柳の木の箱の余った木片に刻み目をつけ、それに布を木目込んで作った「加茂人形」が、ルーツである。
 後に江戸に伝わり、やがて江戸木目込人形と呼ばれるようになった。幕末頃には江戸でも盛んに作られた。
 木目込人形とは、桐の粉をしょうふ糊で固めた桐塑(とうそ)で作った型に、筋彫りをし、そこに布地をきめ込んで(挟んで着付けて)作るものである。
 江戸木目込人形は、痩せ形で小味の利いたこまかい目鼻立ちが特徴であり、ぽっちゃり型の京都との違いが、また面白い。
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江戸衣装着人形 Edoishouginingyou Edo Dress-up Dolls

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 江戸衣装着人形は、三月、五月、市松人形など、衣装を着せ付けできる人形を総称したものである。
 江戸衣裳着人形は五大将軍綱吉の頃に生まれた。
 京都で発祥した人形は、江戸文化の繁栄に伴い、幾多の名士の指導のもとに多くの職人が技術・技法を確立し、それぞれの雛人形、五月人形、市松人形、風俗人形などを作り、江戸衣裳着人形の伝統の基礎を築いた。
 桐の粉を固めた桐塑の生地に胡粉を塗り重ね、生き生きとした表情を創り、目玉はガラス、頭髪は人毛や絹糸を用い、衣裳は古いちりめん等を着せて自由に着せ替えができる。これが伝統的な日本の人形である。
 江戸時代から受け継がれた技法をもとに、現代感覚を生かした美しさ、可憐さが江戸衣裳着人形の特徴であると言える。
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