NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/1/17


会津塗 Aizu-nuri 

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 会津塗(あいづぬり)は福島県会津若松市を中心に生産される漆器で、椀、重箱、茶托(ちゃたく)、盆などがある。昭和五〇(1975)年、通産大臣(現経済産業大臣)により伝統的工芸品に指定された。
 安土桃山時代に、豊臣秀吉の命を受けて会津の領主となった蒲生氏郷(がもううじさと)が、産業として奨励したことに始まる。近江の漆器職人を呼び寄せ、その技法を会津に広めた結果、漆器は会津の一大産業となった。
 幕末の戊辰戦争で壊滅的な打撃を受けるも、明治時代中期には再び活気を取り戻し、会津は日本有数の漆器産地として、今もその名をとどろかせている。
 工程によって、それぞれの専門職人が分業で行うのが特徴。そのため、より高い品質と能率的な生産を実現している。椀などロクロを使用して丸物を作る木地師(きじし)、重箱などカンナを駆使して板物を作る惣輪師(そうわし)、それらに豪華な飾りを施す蒔絵師(まきえし)・漆絵師(うるしえし)・沈金師(ちんきんし)がいる。縁起の良い図柄で人気が高い。
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2007/11/22


漆芸 Shitsu-gei 

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 漆芸(しつげい)とは、うるしを使用して作られた漆器や、それに装飾を加えたりした工芸品、及びその技術の事である。
 現在の漆の技法は中国から伝えられたとされるが、それ以前の、6000年も前の縄文遺跡から、漆を使った工芸品が出土している。
 漆技法は、主に4種類存在する。
 蒔絵(まきえ)は、蒔絵筆によって漆で模様を描き、その漆が乾かないうちに金粉や銀粉をまき、研ぎ出しや磨きを行う。
 沈金(ちんきん)は、沈金刀で漆の表面を線刻し、彫り跡に金箔や銀箔をすり込んで文様を作る。
 螺鈿(らでん)は、アワビや夜光貝の貝殻を薄く研磨した物を漆の表面にはめ込む。
 拭き漆(ふきうるし)は、顔料を加えていない漆を木地に塗ってはふき取る作業を何度も繰り返し、木目を鮮やかに見せる。
 漆芸は、日本独自の進化を遂げた伝統的工芸技術である。
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2007/10/12


沈金 Chinkin Chinkin (Gold-inlay Carving)

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 沈金(ちんきん)は、漆芸の装飾技法で、漆の塗面に沈金刀と呼ばれる特殊な刀で紋様を彫り、漆を摺りこんだ後、金箔や金粉などを窪みに埋めるもの。日本には室町時代に伝わったと言われ、石川県輪島市に伝わる伝統工芸だ。
 沈金の重要無形文化財保持者(人間国宝)である前史雄氏(1940〜)は、昭和38年金沢美術工芸大学美術学科卒業後、沈金の名工と謳われた父・前得二に師事、技の鍛錬に努めた。
 沈金ノミについて研究を深め、自身でノミのかたちまで考え、各種沈金技術を駆使した作品を生み出す。卓越した沈金技術で描く繊細で情感豊かな表現が独自の作風をつくりだしている。
 後進の指導にも尽力しており、石川県立輪島漆芸技術研修所などにおける漆芸の技術教育に貢献している。
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2007/10/9


郷原漆器 Gouhara-shikki Gohara Lacquer Ware

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 郷原漆器(ごうはらしっき)は、岡山県真庭市蒜山(ひるぜん)に伝わる伝統工芸品である。県の重要無形民俗文化財に指定されている。
 明徳年間(1390~1400)に始まった言われ、最も大量に作られ技術が発達したのは江戸時代で、当時、山陰地方を中心に数多く出荷されていた。
 蒜山地方のクリ材を使い、木目を大切にしながら備中漆等の天然の漆が使用され、しっかりとした塗りと実用性、そして独特の優れた沈金技術で仕上げられている。
 特徴は、伝統に従い地元に育ったクリの木を輪切りにして、生木のままロクロで挽いて形を作り乾燥させる所で、この方法ならではの美しい木目を生かした普段使いの漆器として、現在でも広く愛用されている。
 郷原漆器は、天然の木地と漆を使った、木目の麗しい伝統工芸品である。
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2007/9/7


蒟醤 Kinma 

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 蒟醤(きんま)は、漆芸における装飾技法の一つで、漆の表面に剣(けん)という特殊な彫刻刀で文様を彫り込み、その凹みに色漆を埋めて研ぎ出し、磨き仕上げるものである。
 漆の面を彫るという点では沈金(ちんきん)という技法と似ているが、蒟醤においては朱漆や黄漆など、色ごとに彫り上げ、充填させる作業を繰り返し、全ての充填が終わると表面を研ぎだすという独特のもので、線刻の美しさが際立って発揮され、香川漆芸の代表とも言える技法となっている。
 その興りは中国の古代漆器における線刻技法にあるといわれ、それらが東南アジアに伝播。タイでは檳榔樹(びんろうじゅ)の実が日常的に嗜まれており、それらの入れ物として発達。アユタヤとの交易を通じて日本にも伝わったと考えられている。
 タイでは檳榔樹を食べることをキンマークといい、それが蒟醤の語源だといわれている。
 檳榔樹の香りと共に伝わった技術は、日本では茶人達の香入れとして愛用され、技法は今も発達を遂げ続けている。
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2007/8/9


玉虫塗 Tamamushi-nuri Tamamushi Lacquer Ware

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 国内はもちろん海外でも人気のある仙台生まれの漆芸。
 昭和三年、当時の商工省(現在の経済産業省)工芸指導所が仙台に設立され、昭和七年に所員であった小岩峻(作家名:古明)によって開発された漆器の塗装法である。量産と海外輸出を目的として、日本古来の伝統工芸に新たな技術を加えて、外国人の趣味嗜好に合うように商品開発された。
 光や角度により艶やかな光沢と色調を見せることから「玉虫塗り」と命名された。
 漆器本来の下塗りの後、表面に銀粉をまき、赤や緑の玉虫漆で上塗をする。この銀粉まきと玉虫漆の上塗りを工程を十数回から多いもので数十回漆を塗り重ねることにより、玉虫の羽のような風合いが出てくる。
 さらに沈金(ちんきん)や蒔絵(まきえ)と呼ばれる模様付けを施すことにより製品となる。
 戦後は輸出漆器の中心を担うほど海外で人気となり、和洋、どちらにも調和する漆器として現在でも親しまれている。
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2007/1/29


前史雄(人間国宝) Mae Fumio Fumio Mae (Living National Treasure)

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 昭和十五(1940)年、輪島市に生まれる。平成11年に「沈金(ちんきん)」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
 沈金は、漆芸の装飾技法で、漆の塗面に紋様を彫り、漆を摺りこんで金箔や金粉などを窪みに埋める石川県輪島市に伝わる伝統工芸である。
 前史雄氏は、昭和38年金沢美術工芸大学美術学科卒業後、沈金の名工と謳われた父・前得二に師事、技の鍛錬に努めた。父から受け継いだ技法に磨きをかけ、従来の沈金の地味な趣を超えた絵画的な詩情を加え、親子二代にわたる技術の研鑽は見事に花開いたのだった。作品には静かな中にも深い思いや心象風景が描かれ、それが器の形とマッチしてえも言われぬ気品を醸しだす。
 現在は石川県立輪島漆芸研修所の技術教育にも携わり、後進の指導にも尽力しているという。
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2006/12/18


若狭塗 Wakasa-nuri Wakasa-nuri lacquer technique

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 若狭塗は、400年前の江戸時代初期、小浜藩の漆塗り職人が、中国の漆器作りの技術にヒントを得て、海底の様子を図案化して始めたもの。
 その後改良が重ねられ、現在に続く卵殻金銀箔押法が完成。藩主酒井忠勝がこれを「若狭塗」と命名し、保護奨励した。
 これは、酒井家秘宝の漆芸とするだけでなく、他藩への技術の流失を禁止したほどの独特の技法。螺鈿、蒔絵、沈金などと違い、下地に松葉やヒノキの葉を置き、卵殻や貝殻を蒔いて色うるしを重ね、表面を研ぎだし、独特の文様を出す。
 代表的な意匠として、「菊水汐干(きくすいしおぼし)」がある。職人の長い時間と丁寧な手仕事が要求されるため、完成までおよそ一年の月日を要するという。
 堅牢優美で、熱気・水気にも変化しないことから、美術品として珍重されるばかりでなく、実用にも耐える。
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