NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/8/8


摺箔 Surihaku 

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 摺箔(すりはく)は、日本に伝わる、衣類の装飾技法のひとつである。
 金箔と接着剤を用いた印金(いんきん)と呼ばれる技術の一種で、金彩加工による装飾法である。
 室町時代中期から江戸時代前期にかけて、小袖に多く用いられたが、隆盛をみたのは桃山時代以降で、辻が花(つじがはな)、繍箔(ぬいはく)、唐織(からおり)とともにこの時代を代表する技法であった。
 しかし、江戸時代に入り手間がかかる事から、友禅染にとってかわられた。
 技法は、布の表面の文様に糊を置き、糊の乾かないうちに金箔や銀箔を載せて綿で押さえて付着させ、乾いてから余分な箔を落としてゆくというもので、熟練の技が必要とされる。
 摺箔は、能の女役が着用する着付としても知られる、衣類の装飾技法である。
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2008/7/11


青花 Aobana Aobana

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 青花(あおばな)は、日本に伝わる染料のひとつである。
 下絵を描く染料で、露草、螢草などと呼ばれる多年草の花の液汁を和紙にしみ込ませた物で、露草の青い花の汁から得ることからこの名がある。
 友禅模様の下絵などを描くために使用する物で、青花紙、藍紙などともいう。
 青花を少しちぎって皿に入れ、水を注ぐと青インキのような液体が現れるが、これで描いた物は水洗いするときれいに消えるので、その特性を利用して、下絵描き用に使われる。
 露草の花の色の変わりやすさは古くから知られており、「世の中の人の心はつゆくさの移ろいやすき色にぞありける」と、歌にも詠まれている。
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三越縮緬 Mikoshi-chirimen 

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 三越縮緬(みこしちりめん)とは、日本に伝わる織物のひとつである。
 縮緬は、京都府丹後地方や滋賀県長浜地方で生産される白生地で、多くの着物が、この白生地に染色を施して着物に染め上げられる。
 蚕(かいこ)の糸を精練し、18本から27本程度の糸に撚りをかけながら一本の糸にする。
 右より一本、左より一本と交互に織られるものが一越縮緬と呼ばれ、元に戻ろうとする縮みがあり、色の深みを出す効果がある。
 三越縮緬は、その一越縮緬の収縮性を改良したもので、右より一本と左より一本との間に、弱撚糸と呼ばれる撚りの弱い糸を織り込む事で、撚りが元に戻ろうとする力を吸収し、収縮率を緩和する。
 三越縮緬は、表面が滑らかで縮みにくく、高級な手描友禅や江戸小紋などに好んで使われる、伝統の織物である。
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2008/3/18


縮緬 Chirimen 

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 縮緬(ちりめん)は絹織物の一種で、その技法は江戸時代の初め、明の織工が堺にもたらし、当時は西陣を中心に織られていた。
 強い撚りをかけた緯糸に撚りのない経糸を使う。右撚りと左撚りのものを交互に織ることで、細かいしぼ、小さな縮みを出す。その空気を含んだ「しぼ」が光を反射し、そのしなやかな手触りと美しい微妙な光沢がこの絹織物の魅力になっている。
 友禅染は主にこの縮緬の絹に絵柄を染めるもので、江戸時代には縮緬の着物は広く普及し、日本人の普段の衣服が洋服に代わるまで日本の代表的絹織物であった。また、江戸時代後半には、着物だけでなく、裕福な階層の女性たちの趣味として「ちりめん細工」も広がっていき、今や芸術的工芸品として世界からも評価されている。
 いまでこそ、縮緬の着物は少なくなったが、反対にちりめん細工は京都を中心に新しい芸術として広がりを見せている。
 ちなみにちりめんじゃこは細かなしわをもつちりめんを広げたようにみえることからこの名がつけられたという。
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2008/2/22


千草色(チグサイロ) Chigusa-iro Chigusa Color

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 千草色(ちぐさいろ)は、夏に小さな青い花を咲かせる露草の花弁から搾り取った汁で染めた色で、その花の名から千草色と呼ばれている。緑がかった明るいうす青色をしている。
 露草のことを千草というのは、露草の別名月草(つきくさ)に由来し、その名が訛ったといわれている。
 千草の花は夏の間に野原や道端でもよく見られる花で、朝にきれいに開花し、午後にはしぼむ、日本の夏に風情を添える可憐な花である。その絞り汁の青は、褪せやすく水に遭うと消えてしまうため、友禅染の下絵にも使われる。
 京都の丁稚などが身に着けたお仕着せの着物は、藍でごく浅く染められた浅葱色をしていたが、日常的に着古して色褪せた布にまたごく薄く藍染めを重ねていった色を「千草色」と呼ぶようになった。藍は薄く染めると緑がかった色がでるので、露草の絞り汁で染めたものと通ずるものがあったのだろう。
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2008/2/21


露草(ツユクサ) Tsuyukusa 

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 露草(つゆくさ)は世界中に分布し、日本でも道端でも見られるなど、日常的に馴染みのある植物である。
 可憐な花を咲かせ、日本では古くから親しまれ、歌にもよく詠まれる花である。
 また花を搾った汁は、染料としても使われ、源氏物語「野分」には露草で文様を染める様子が描かれている。
 露草はもともと、月草(つきくさ)と呼ばれており、万葉集には「月草」が九首に詠われて、俳句では秋の季語となっている。朝顔の花のように、朝に咲いた可憐な花は昼にはしぼんでしまうことから、儚さの象徴として詠まれることが多い。
 青い色素は非常に褪せやすく、容易に水で流れ落ちるため、友禅染などの染物の下絵を描くときに利用される。
 暑い季節、朝露にしっとり濡れた青い花が心に残る植物である。
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2007/11/22


文様 七宝(シッポウ) Monyou Shippou 

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 七宝(しっぽう)とは、同じ円を円周の四分の一ずつ重ねていく和文様である。
 和文様とは、平安時代以来、公家の服装・調度品や装飾に用いられた形、色、構成などに独自の優美な様式を持つ図柄の総称である。
 同じ大きさの輪を互いに交錯させて規則正しく繋げた図形で、四方に広がって無限に続いている。
 縦横に広がるので「十方」ともいい、仏教でいうところの金、銀、瑠璃、玻璃(はり)、しゃこ、珊瑚、めのうの七種の財宝、つまり七宝と音が似ているところから転訛したものとされる。
 七宝の円形は円満を表し、吉祥文様の一つで、そのイメージが定着して宝尽くしの一つに数えられるようになった。
 文様・七宝は、刺繍や友禅染の図案の中で空間を埋め、華やかな色彩を加える役割を果たしている、伝統的な和文様である。
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2007/10/4


ケンケト祭 Kenketo-matsuri Kenketo Festival

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 ケンケト祭(けんけとまつり)は、滋賀県東近江市の竜王町にある杉之木神社と蒲生町にある八坂神社で、毎年四月二三日に近い日曜日に行なわれる祭りである。
 薙刀踊り(なぎなたおどり)も同時に奉納され、国の選択無形民俗文化財に指定されている。
 ケンケト祭とは、祭囃子の鉦・太鼓が「ケケンケイ、ケケンドン、ケケンケイ、ケケン」と聞こえることに由来していると言われ、平安時代~室町時代から両地域に伝わる、荘園時代からの五穀豊穣を願う伝統の祭りである。
 11才~21才の長男が揃いの友禅模様の衣裳で、鉦や太鼓を打ち鳴らしながら薙刀踊りを奉納する郷土色豊かな祭りで、行列の衣装は織田信長が甲賀攻めをした時、住民も従軍し鎧を脱いだ格好ともいわれている。
 ケンケト祭は、風流で雅な、千年の伝統を誇る祭りである。
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