NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/2/7


木葉猿 Konoha-saru 

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 熊本県玉東町(ぎょくとうまち)の木葉に伝わる「木葉猿(このはさる)」は、郷土玩具の中で、最も古いものの一つであるといわれている。
 養老七(723)年の元旦に「虎の歯(このは)」の里で生活していた都の落人が、夢枕に立った老翁のお告げにより奈良の春日大明神を祀った。そして木葉山の赤土で祭器をつくった際、残りの土を捨てたところ、それが猿に化けたという言い伝えがあり、木葉猿が誕生したといわれる。
 型を使わず、指先だけで粘土をひねる技法で猿の土焼人形をつくり、素焼きにしたままの伝統玩具である。
 昔から素朴さとユーモアある姿は人気があり、大正時代後期には、全国土俗玩具大番付で東の横綱になった。最近では彩色したものもあり、三匹猿・子抱猿・飯喰猿など合わせて一〇種類程あり、悪病、災難除け、子孫繁栄、子授けなどのお守りとして多くの人々に親しまれている。
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2008/1/22


鷽(ウソ) Uso Uso (Eurasian Bullfinch)

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 鷽(ウソ)とは、雀くらいの大きさで、短い口ばし、オスの頬が薄紅色なのが特徴である。
 口笛を吹くときの口の形を表した「うそぶく」から、名前がついたとされる。
 鷽は、短くて太い口ばしを使い、木の葉や木の実などのほか、昆虫やクモなどを食べる。特にサクラやウメなどのつぼみが膨らむ頃、果樹の花芽を好んで食べるようになる。
 果樹の花芽を食べることによって、多すぎるつぼみを適度に摘んで間引きの役目を果たし、実を大きくするための益鳥として果樹農家に大切にされていた。
 しかし近年では、鷽に食べられた果樹には花が咲かず、収穫に大きな被害を与えるとして、有害鳥獣としての対象になるときがある。
 九州の福岡にある梅で有名な太宰府天満宮では、鷽を大切にしており、参拝者が木彫りのウソを交換し、交換したウソの中にある金色のウソを見事手にした人は幸福が訪れるという「ウソ替え」という行事が現在でもおこなわれている。
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2008/1/17


天目釉 Tenmokuyuu 

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 天目釉(てんもくゆう)は、中国より伝わった、五%以上の鉄分を含んだ黒色の釉薬である。
 天目という名前の由来は中国浙江省の天目山から由来している。天目山の禅寺で修行した日本の僧が、茶碗を持ち込んだのが日本での始まりと伝えられている。
 国宝にも指定されている七色に輝く虹彩を放つ「曜変天目」をはじめ、水中に浮かんだ油のような斑点模様の「油滴天目」、稲の穂先のように流れる縞模様の「禾目天目」、本物の木の葉を貼り付けて焼く「木の葉天目」などその種類は多く、産地、時代、釉調、文様、釉色等で分類されてる。
 東洋最古の釉薬ともいわれ、主に茶碗に使われながら茶道の歴史と共に今に受け継がれ、愛されている。この釉薬が生み出す茶碗には、二つとして同じ色調のものがない。その偶然性と希少性ゆえに、今も昔も陶工たちの探究心を揺さぶる釉薬である。
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2007/11/20


八幡焼 Hachiman-yaki 

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 八幡焼(はちまんやき)は、島根県安来市広瀬町に伝わる工芸品である。県の伝統工芸品に指定されている。
 出雲の国広瀬は、その昔山陰の鎌倉といわれ、山陰山陽十一国を統治した尼子氏の月山富田城のあった山あいの郷である。
 享保八(1723)年、富田八幡宮神官・竹矢豊前と広瀬藩士・熊谷由武によって始められた。
 繊細な色あいの中にキラリと輝く鋭さを持ち合わせた青釉薬(あおゆうやく)を特色としており、青釉をほどこした食器や花器、茶器などが人々に広く愛用されている。
 呉須釉で「広瀬三万桶茶と茶漬」と謡われるぼてぼて茶用の茶碗なども知られており、釉薬と焼成の研究により木の葉天目、窯変などの作品にも力を入れている。
 最近は、伝統の茶陶のほか日用雑器なども焼かれている。
 八幡焼は、未だ日夜研究を続けられている伝統工芸品である。
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2007/3/6


杉葉線香 Sugiba-senkou 

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 杉葉線香は島根県安来市に伝わる線香、島根県ふるさと伝統工芸品の一つである。
 香は仏教伝来と共に日本に伝わったとされ、その後香木を調合して衣類に炊き込める薫物(たきもの)が広まり、香道が形作られた。仏教、禅と関係が深く、香りが四方に広がることが仏の慈悲を表していると言われる。
 線香は江戸時代に製法が生まれたもので、香木に比べ安価なことから広く一般に広まった。
 杉葉線香も同時期に製造され、乾燥した杉の葉と椨(たぶのき)の木の葉の粉末を混合して作られる。
 硬さや粘度を見極めるには熟練の技を要し、現在も職人たちの手作業による製法が守られている。
 安価で良質な杉葉線香は野線香とも言われ、仏事や墓参の際に使われ、祖先の霊を慰めている。
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