NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/5/1


川口良三 Kawaguchi Ryouzou 

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 滋賀県近江地方に伝わる伝統工芸品「近江上布」の伝統工芸士。
 近江上布は麻織物の中でも最高級品とされ、通常より細く繊細で上質な麻糸を平織りして織ったものを指す。
 近江の肥沃な土地の恵みを受け、室町時代から生産が行われ、幕府への献上品とされてきた。
 江戸時代には彦根藩の庇護を受け、近江商人達の手により全国に広まり発展した。
 模様決め、染め、織りまでの工程をすべて一貫してこなし、あくまでも伝統の技法にこだわる氏は、近江上布独特の絣染めにも力を入れ、作品を作り上げる。
 「機械化をしたら伝統の技法が失われる」と語り、訪れるものにはすべての技法を惜しげもなく教え、後世へ伝える、伝統の伝道者である。
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2007/4/27


土佐つむぎ Tosa-tsumugi 

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 土佐つむぎは、大正の初期、染めた木綿の糸を付近の農民が織り、作られた衣類や小物を集め売ったのが起こりと言われる。
 「のら着」「もんぺ」などの生地として庶民の間で親しまれてきた土佐つむぎ。通常「紬」と言えば絹糸を使用するが、土佐紬は木綿の糸を使用。独特な渋く深い色合いは、数種類の染料を混ぜ合わせ、何度も色作りを重ね生まれたものだ。
 近年は、木綿の良さが再認識され、小物類から、シャツ、作務衣など、多種多様の製品が生みされ、土佐の土産品としても大変に人気があったが、そのこだわり抜いた染料が現代では手に入りにくい状況となり、近年最後のひとつとなった工場が惜しまれつつも閉鎖された。現在は在庫のみが残る大変貴重な工芸品となったのである。
 懐かしい手触り、深みのある色彩、どこかで見かけたなら、是非手に取り様々な思いを感じ取ってほしい。
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2007/1/11


機具岩 Hatago-iwa Hatago Rocks

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 石川県羽咋郡富来町の海岸一帯を能登金剛と呼び、その変化に富む海岸は見所がたくさんある。
 能登金剛の沖に浮かぶ大小二つの機具岩も見所のひとつ。別名「能登の二見岩」。その二つの岩は注連縄で結ばれ、信仰の対象になっている。
 昔のことである。女神・渟名木入比洋命は、能登に織物の業を広めていた。ところがある日、山賊に襲われ、その時思わず、背負っていた織機を海の中に投げ入れた。その織機が姿を変えて、二つの岩になったという伝説が残る。その伝説が、この岩の信仰の元となっている。
 夕日が沈む頃、あかね色に染まる海に、二つの岩がシルエットに浮かぶ。その風景は神秘的であり、まるで女神が出現しているようである。
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2006/12/15


南部裂織 Nanbu-sakiori Nambu Sakiori

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 南部裂織は、青森県に代々伝わる織物。青森県指定の伝統工芸品にもなっている。
 衣料が貴重だった江戸時代に、着古した着物や布を再生する機織りの一技法として生み出された織物である。糸を縦糸にして機織り機で織った裂織は丈夫で暖かく、そのカラフルな色合いと、複雑な機上げが特徴だ。五原色をふんだんに使ったカラフルな縞々の明るい色合いは、北国の寒くて暗い部屋に少しでも明るい綺麗な色を、という農村地帯の女たちの知恵なのかもしれない。
昔は主としてこたつ掛けや帯などに用いられてきたが、現在ではテーブルカバーを始め現代感覚の手織物にも応用されている。
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2006/12/11


伊予絣 Iyo-kasuri Iyo-kasuri

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 伊予絣は、久留米絣、備後絣と並んで日本三大絣に数えられている愛媛の代表的特産品。素朴な風合いと着心地、手ざわりのよさで広く愛されている。伊予絣は、今から約200年前、江戸時代の後期にふたりの功労者により編み出された。ひとりは、小部に生まれた菊屋新助、もうひとりは温泉郡今出(現在の松山市西垣生町)の鍵屋カナという少女である。
 菊屋新助は、初め松山で店を構え、木綿を売っていたのだが松山の木綿の品質に疑問を持ち、京都の西陣から織機を取り寄せ、これに改良を重ねて木綿織機を作ったという。この織機の評判を知った鍵屋カナがこの織機を使って自ら考案した模様を織ったのが「伊予絣」のはじまり。模様のヒントはじつは、農家の藁葺き屋根の葺き替えの折に見かけた、押し竹を縛った跡のまだら模様にあったとされる。その品質と織柄の美しさが評判を呼び、その後明治に入ると生産量日本一を記録したこともあるという。現代では、着物をはじめとして洋服や帽子、ネクタイなどの小物に応用され、いまも長く愛されている。
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2006/11/29


結城紬 Yuuki-tsumugi Yuki-tsumugi 

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 結城紬は茨城県結城市を中心に生産されている、わが国最古の歴史を誇る高級紬である。昭和31年には国の重要無形文化財に指定された。
 歴史は古く奈良時代に遡る。鎌倉時代には「常陸紬」と呼ばれ、その後結城氏の保護のもとで栄えたので「結城紬」と名を変えた。江戸時代に全国に名を馳せた結城紬、もとはごく細かい縞の男物の紬で、とくに武士に愛好されたとか。近代になってから技術の改良が重ねられ、特に絣織の進歩で最高級の紬が生産されるようになった。
 結城紬の着心地はとにかく軽くてあたたかい。着こなすほどに風合いがよくなり、体になじむ。しかし、製作は幾つもの工程に分かれており、見た目の素朴さからは想像もつかないような匠の技が隠されている。
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