NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/6/10


銅蟲 Doucyuu 

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 銅蟲(どうちゅう)とは、銅の表面に独特の鎚目(つちめ)と赤銅色を出すことに特徴を持つ銅製品で、広島県指定の伝統工芸品である。
 江戸時代初期、広島藩主・浅野長晟(あさのながあきら)がお抱の銅細工職人に創案させた技法といわれており、その職人の仕事振りに痛く感心した浅野公が「銅の蟲(むし)のようだ」といったことから、その名が付けられたとされている。
 その製法は、まず特殊な銅の合金板を焼き鈍して成型加工した上で、表面を金づちで叩いて槌目の模様を入れる。その後に稲藁で一品一品を燻すことで、他に類を見ない独特の深みと重厚感を持った赤銅色が浮かび上がってくる。
 表面は乾拭きすることで、年月と共に光沢や渋味が増し、漆黒の表目に浮かぶ赤銅色の独特の風合は、よりいっそう、その魅力を解き放つ。
 茶人や趣味人にも愛されたそれらの逸品は、主人の傍らで同じ年月を過ごしながら、日々、その輝きを増していく。
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2008/4/15


瓦 Kawara Kawara Roofing Tile

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 瓦(かわら)は、粘土を練って成形、焼成した屋根に葺く陶器製建材である。
 瓦が歴史上、初めて登場するのは約二千八百年前の中国といわれており、日本には崇峻天皇元(588)年、百済から仏教と共に伝来し、飛鳥寺造営の際、初めて使用されたとされる。
 当時は瓦葺が許された建物は寺院のみであったが、奈良時代に入るとその他の建物でも使用されるようになる。
 江戸時代には新しい瓦の構造が発明され、また、火事対策の耐火建築用品として瓦の使用が奨励されたこともあり、一般に広く普及していくこととなった。
 日本では大きく分けて釉薬を使った「釉薬瓦」と、燻して銀色の炭素膜を形成した「いぶし瓦」に二分されるが、形状については多種多様なものが存在しており、分類すると千を越える種類が存在している。
 現在では、愛知の三州瓦、兵庫の淡路瓦、島根の石州瓦が三大産地として知られており、日本家屋における屋根の代表格の座を支え続けている。
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2008/2/21


煤竹色(ススダケイロ) Susudake-iro 

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 煤竹色(すすだけいろ)は日本に昔から伝わる伝統色のひとつで、文字通り煤けて赤黒くなった竹の色に似た、やや暗い黄褐色である。
 日本では昔、家の中で焚き木を燃やしてかまどで煮炊きなどをしたり、室内の囲炉裏で暖を取ったりして生活をしていた。家の中で火を燃やすことで煤が上がり、木製の建材は時と共に文字通り煤けて、色が変わっていくという。竹の種類にもよるが、燻されて、味のある渋い茶色に色づいた煤竹が生まれるとされる。
 煤竹色は江戸の初期から中期にかけて流行したといわれており、銀煤竹、藤煤竹、柳煤竹などたくさんの煤竹色が生まれたという。趣のある色のため、小袖や帷子、着物の地色としてもよく用いられている。
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2007/5/10


珠洲焼 Suzuyaki Suzu Pottery

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 珠洲焼(すずやき)は、平安時代から室町時代にかけての約四百年間、石川県の珠洲地方で作られた幻の焼き物。
 戦国期に忽然と姿を消したものの、昭和に入ってから珠洲焼きの破片や窯跡が見つかたことで、再び蘇り、新しい窯も開かれるようになった。
 珠洲焼は窯の中への酸素の流入量を極度に少なくし、燻すように焼く「燻べ焼(くすべやき)」という焼成法で焼き上げる。
 珠洲の土は鉄分を多く含んでおり、鉄分が炭素と結合して灰黒色の独特の地肌になる。
 素朴でぬくもりがあり、ざらりとした手触りとぽってりとした厚みのある器。力強い造形美を持ちながら、どこかシックでモダンな風合いを持つ。現在は花器やビアジョッキ、フリーカップなどが焼かれ、大変な人気を呼んでいる。
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2007/1/30


大入島 Ohnyu-jima Onyu Island

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 大分県、豊後水道に面した佐伯湾内に浮かぶ島。面積5・9平方キロ、外周17キロ。
 神武天皇が東征の折に立ち寄り、折れ弓を地面に立てると清水が湧き出したという、今でも真水が湧いている「神の井」がある。
 主産業として漁業が盛んであり、ちりめん、いりこは全国的にも有名。新鮮なまま加工した天日干しや燻製はみやげ物として人気が高い。
 観光にも力を入れており、海水浴場や釣り場の他、オーストラリアの姉妹都市から送られた「カンガルー公園」などがある。
 毎年1月に行なわれる「大入島トンド火まつり」は神武天皇の船を送るために焚いた火明かりが縁起とされる。無病息災を願い、十数メートルの巨大な松明が燃え盛る姿は壮観。
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