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2008/4/8


中町こみせ通り Nakamachi-komise-doori 

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 青森県黒石市にある「中町こみせ通り」には、日本の道百選に選ばれた、風情ある伝統的な建造物が建ち並ぶ通りである。こみせ(小見世)とは、日差しや雨・積雪から人を守るために、家の前に造られた木造の、アーケードのような道路のことをいい、藩政時代(江戸時代1603~1867)から残されているものだという。
 約百メートルにわたって続くこみせは全国的にも類例がなく、平成一七(2005)年に、文化庁の重要伝統的建造物群の指定となったとされる。
 当時から商家・旅篭・呉服屋が軒を連ね、こみせは重要な役割を果たしていたという。中でも江戸中期に建てられた商家「高橋家住宅」は、昭和四八(1973)年に、国の重要文化財となっている。
 二月と九月の第二土・日曜には「黒石こみせまつり」が開催され、高橋家住宅の公開をはじめ、二軒の造り酒屋「菊乃井」「玉垂」の造り酒屋見学・津軽民謡・踊りが催されるという。
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2008/3/17


【無】 Mu Nothing, Nothingness

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 「無」は「舞」の初文(初めの字形)です。伝統的な「六書(りくしょ)」の分類に従いますと、「無」は文字の音を借りる仮借文字です。ただ、「六書」という分類方法は、漢字成立から千年後の当時の漢字を分析するためにつくられたものなので、それに基づいて漢字が発明されたという結論を導くことは誤解になりかねません。
 当たり前のことですが、基本的に漢字は象形文字なので「何もない」という意味を表すのは本来とてもできないことです。時代が下り人々の考えや思想の抽象化に仮借文字はとても役立ちました。仮借文字は自然にできたのではなく、約束や慣例の中から意味を与えられた文字のグループです。
 「無」が「舞」の初文であるという関係は甲骨文で分かります。実は人が踊り、袖に飾りがぶら下がっている形です。『論語・顔淵、第十二』には「… 遊於舞雩之下。」「… 舞雩の下に遊ぶ。」がみられます。「雩(う)」は雨乞いのための祭祀儀式の踊りや、神樂を舞う場所です。「無・ない」の意味は「雨がない」から生じたのではないかとも思われます。そういう風に理解しますと、仮借文字という後世の概念に頼る必要もなくなります。
 どちらにしましても、「無」が「家が火災に遭うことを写しているところから『何もない』という意味になる」という説明は当たりません。

 
■ 無・甲骨文(こうこつぶん)
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2008/1/29


【水】 Sui Water

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 象形文字としては最も古い甲骨文の字形にあるように、小さな水の流れを示しています。甲骨文には両側の三つの水滴で飛沫の様子を強張する形がありますが、金文になるとそれはもう見えなくなってきます。その代わりに両側に水滴が二つになり、すでに現在の常用漢字の字体と大体一致した構造の形に省略されてきました。
 この字は明らかに「雨」ではないのですが、ちょっと雨を思い出させる点があります。ただ、ストレートに空から落ちてくる水滴ではなく、勢いよく飛沫をピシャピシャとはねさせて、さらさら流れる自然の水の様子を象っているのでしょう。
 中国で、「万物は木・火・土・金・水から成る」という五行思想が生まれるのは孔子の時代に近く中国戦国時代からで、水は伝統的にその行の一つとして重視されてきました。『礼記』と『孟子』に水を君子と例える比喩が見られ、『老子』は水の謙虚でかつ強かな質をほめます。白川文字学まで漢字研究の通説となっていた1900年前の後漢の字書『説文解字』では、水の字をむりやり当時の政治理念でもあった陰陽説に適用して、真ん中は陽、両側の滴は陰だと説明しています。
 
■ 水・甲骨文(こうこつぶん)
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2008/1/17


蛇の目かさ(手すき和紙) Janome-kasa(Tesuki-washi) 

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 「蛇の目かさ(じゃのめかさ)」とは、和紙と竹でつくられた雨具で、特に着物姿には欠かせないものである。傘を開いたときに、白地の輪が丸く見えるのが大蛇の目のようにみえることから、蛇の目と呼ばれるようになった。
 岐阜県岐阜市は、全国一の和傘生産量を誇り、その昔六百軒の和傘製造業者があった。傘に使われる細身な骨に適した竹が、木曾三川の流域に多く存在したことと、美濃市牧谷周辺に良質の美濃和紙があったため、生産が盛んになったといわれている。
 全盛期であった明治から昭和の始めにかけては、ほとんどの世帯が、和傘業に携わっていた。その後洋傘が普及するにつれ需要が減少した。後継者の問題も抱えているが、伝統を受け継ぎながら、現在でも年間四万本を生産している。
 蛇の目傘の特徴は、傘をさす柄の場所の引っかかりが二段式になっていることである。これは強風の際、傘が破損を防ぐためで、風がある時は下の段でさすようになっている。
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2007/7/20


幌尻岳 Poroshiri-dake Mt. Poroshiri

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 幌尻岳(ぽろしりだけ)は、北海道沙流郡平取町にある標高2052mの山である。山全体が日高山脈襟裳国定公園となっており、日本百名山に選ばれている。
 アイヌ語でポロシリとは、大きい山という意味である。
 北海道の背骨と呼ばれる日高山脈の最高峰で、1300万年前、海底から隆起して出来た山並みは、長い時間をかけ雨や風、雪に浸食され、鋭い峰々を見せてくれる。
 毎年7月頃から咲く数々の高山植物と一面の花畑、ナキウサギ、クマゲラなどの豊富な動植物群など、自然の宝庫となっている。
 氷河の侵食によって造られた、お椀の底のような窪地の事をカールと言が、近辺には七ッ沼カール、北カール、東カール3つのカールが有り、中でも七ッ沼カールは最も大きく、7つの沼があり、雪解け時期にだけ見る事が出来る。
 幌尻岳は、山頂から幾重にもなる日高山脈の山並みが一望できる、魅力あふれる山である。
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2007/7/5


フレペの滝 Furepe-no-taki The Furepe Waterfall

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 フレペの滝は、北海道東部の世界遺産としても有名な知床半島の西側にある、海へと注ぐ滝だ。
 アイヌ語で「赤い水」という意味の名を持つ、落差100mはあるその滝は、かかる川のない不思議な滝としてもその名を知られている。
 間近に聳える知床連山に降り注いだ雪や雨が地下に浸透し、それら地下水がそのまま海崖から湧き出して、直接海へと注いでいるからだ。
 滝という言葉からイメージされる、断続的に水が流れ落ちる様とは違い、この滝は言ってみれば湧き水が落水する形のために、さらさらと物憂げな瀑容を成している。そのため、その流れ落ちる様が涙にも似ていることから、「乙女の涙」という愛称も持っている。
 知床の大自然に抱かれて、乙女は何を思って涙を流すのか。
 とはいえ、天気がよい時には、滝には虹がかかることもあるという。それは、涙に暮れる乙女への知床の自然と海からのささやかな気遣いなのかもしれない。
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2007/6/11


九月 長月 Kugatsu Nagatsuki September, Nagatsuki

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 九月は、旧暦で長月(ながつき)と呼ばれ、現在では新暦9月の別名でも使われる。
 由来は、新暦の十月から一一月にあたり、夜長月(よながつき)の略とする説や、雨が多いため長雨月(ながめつき)、稲刈りの時期のため、長月の長が稲の収穫を祝う意味、または名残月(なこりのつき)が転じたとする説など、非常に多くの説がある。更に別名として、寝覚月(ねざめつき)がある。
 年中行事として、1923年9月1日の関東大震災から由来する防災の日が一日に設けられており、各地で防災訓練が行われている。
 祝日は、第三月曜日が敬老の日、二三日頃には秋分の日がある。
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2007/2/16


和傘 Wagasa Wagasa (Japanese Umbrellas)

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 東洋にて傘は、貴人に差しかける天蓋として古代中国で発明され、その後、飛鳥時代の552年に仏教の儀式用の道具として、百済(朝鮮半島)を経由して日本に伝来した。
 「きぬがさ」と呼ばれ、大陸から伝来した為、「からかさ」とも呼ばれた。時代とともに改良され、竹を材料にして軸と骨を製作し、傘布に渋柿、亜麻仁油、キリ油等を塗って防水加工した油紙を使用した物になった。ただし防水性には大変優れているが、耐久性がなく、重いという欠点がある。
 和傘には番傘と蛇の目傘などの種類があり、蛇の目傘は、傘の中央部とフチに青い紙、その中間に白い紙を張って、開いた傘を上から見た際に蛇の目模様となる様にした物で、外側の輪を黒く塗ったり、渋を塗るなどのバリエーションがある。現在は岐阜市加納でつくられる「加納の和傘」が、全国で唯一本格的な生産を誇っている。
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