能面 黒色尉 Noumen Kokushikijou Noh Mask Kokushiki-jo
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能は室町時代に完成をみるが、この黒色尉(こくしきじょう)は、能が大成する以前、翁猿楽で用いられた翁面類のひとつである。その他には白色尉(はくしきじょう)、肉色尉(にくしきじょう)、父尉(ちちのじょう)、延命冠者(えんめいかじゃ)がある。
この翁面の類はいずれも豊かな笑いの表情をたたえており、下顎を切り離して紐で繋いでいる「切り顎」や目、眉の造作に、他の面とは違う大きな特徴がある。特にこの黒色尉は、下あごが長く張っていることや、口を大きく開いて笑う表情がポイント。五穀豊饒を祈る神の面とされ、白式尉に近い造形ではあるものの、黒色で野趣に富み、庶民的な力強さを感じさせる面である。
「翁」では、シテの翁が白色尉または肉色尉をかけ、三番叟(さんばそう)がこの黒色尉をかけて「鈴ノ段」を舞う。
この翁面の類はいずれも豊かな笑いの表情をたたえており、下顎を切り離して紐で繋いでいる「切り顎」や目、眉の造作に、他の面とは違う大きな特徴がある。特にこの黒色尉は、下あごが長く張っていることや、口を大きく開いて笑う表情がポイント。五穀豊饒を祈る神の面とされ、白式尉に近い造形ではあるものの、黒色で野趣に富み、庶民的な力強さを感じさせる面である。
「翁」では、シテの翁が白色尉または肉色尉をかけ、三番叟(さんばそう)がこの黒色尉をかけて「鈴ノ段」を舞う。
- 名前
- 能面 黒色尉