NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/3/17


【気】 Ki Energy, Spirit, Atmosphere

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 象形文字の气が初文。また、气の初文は乞、雲気の流れる形です。気は空気、天気、湯気、気息などに現れるエネルギーの根本のユニットと考えられます。
 白川先生が最後に執筆した漢字字書『常用字解』に、はじめて「気を養う」という、「気」と「お米」との役割関係が説かれています。ちなみに、韓国のジェーコブ・チャング-ウイ・キム氏の英語の漢字説にもそのように説かれています。
 生き物にエネルギーを与えているのは食べ物であり、食べないと生きていけず、気力がわいてきません。昔から東アジアの基本食はご飯とされており、お米はエネルギーの元でもあります。「気」の上の部分は炊いたお米・ご飯から上がる「湯気」ではないかという、象形的な文字としての位置づけができると考えられます。
 「気」は日本語では人間の気分・気持ちを表現する多くの言い方に使われるようになり、東アジアでは太極拳や合気道などの気息・呼吸法が大事とされる武道の文化の基本にもなりました。
 古代ギリシャ哲学には、とても似ている概念の「プノイマ(空気)」があります。汎神論を唱え、自然の法則に従うライフスタイルをすすめていた古典哲学派のひとつである「ストア派」は、これを「宇宙にどこにもあるロゴス(世界理性)を担っている、一番細かい空気みたいな物資」として考えています。そういう意味では昔から「気」は西東共通の考え方でした。
 
■ 気・篆文(てんぶん)
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2007/12/25


CARNA Kaana Carna Folding WheelChair

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 CARNA(カーナ)にはラテン語で「生活の女性守護神」という意味である。
 およそ八年の歳月をかけて作られたCARNAは、「スニーカーのような車椅子」を思わせる軽快でスタイリッシュなデザイン。軽量素材のチタンを全面的に使用し、コンパクトに折畳め、ユーザーの身体へ合わせた微調整にも対応。そして何より長時間座リ続けても心地よい。まさにユーザーが欲しいと思う「自分の脚」そのものといえる。
 現在CARNAはニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久展示品となっている。
 車椅子CARNAはその意味のごとく、いつもそばにいて、そっと生活を支えてくれる大切な存在となりうるだろう。
 
■CARNA
・H850×W610×D900
・重量9・5キロ(シート3キロ)
■デザインディレクター
 川崎和男
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2007/10/15


【仁】 Nin,Jin Humaneness, Benevolence

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 昔から、中国・越南(現在のベトナム)・韓国・日本などに、広く伝わる東洋思想の代表的な倫理概念です。それは孔子の教えや儒教が広がったからです。この字がまったくの抽象的な概念になる前の経緯が気になります。確かに孔子の時代にはすでに漢字の原点についての詳しい知識が失われていたので、そういう意味では操作・利用しやすい字でもありました。
 「にんべんと二という数字の組み合わせではないか」という俗説がよく聞かれます。「二人の間」から「人間の間の倫理」という意味にまで抽象化され、仁義礼智信という儒教の根本概念の一つになったという説があります。確かに、旧字体はにんべんですが、右の部分の解釈が大事になってきます。
 実は漢字の中に数字がそのままの意味で要素として表現されることはありません。旧字体でない常用漢字の字形に見えても、抽象的なものが漢字の中の要素として表現されるという考えは俗説の特徴です。
 例えば、「悟」に出てくる「五」の部分も数字とは関係がなく、その下の「口」が表す祝詞の器をしっかりと閉めている木製の二重蓋を表しています。また人間二人を示すのには「比」という字などがほかにあります。
 基本的に漢字に出てくる要素は人・物です。古代社会にあったものですから、にんべんの形は人間が座ろうとする時の姿、そして右の部分はその敷物だと考えられます。東洋なので、椅子ではなく、敷物・古代の座布団のようなものです。そのことから仁という抽象倫理概念までのちょっと違う道筋があきらかになります。つまり人に敷物をすすめるという心です。
 まさにホスピタリティー、お客さん・たずねびとへの配慮のような心構えではないでしょうか。本来はそういう温かい気持ちをあらわす概念なのです。
 
■ 仁・金文(きんぶん)
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2007/9/28


下元郷獅子舞 Shimo-motogou-shishi-mai 

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 東京都西多摩群唯一の村、人口三千人足らずの檜原村には、古くから受け継がれてきた伝統芸能が数多く残されている。
 村内の多くの地区に伝えられている「獅子舞」もその伝統芸能のひとつである。これらは全て三匹獅子によるもので、奥多摩から関東一円に広がっているといわれ、その起源は室町時代にまでさかのぼるほど古いとされる。
 村の下元郷地区に伝承される「下元郷獅子舞(しももとごうししまい)」は毎年九月上旬に貴布禰伊龍神社(きふねいりゅうじんじゃ)へ奉納される舞である。
 家内安全と五穀豊穣の祈願、感謝の気持ちを込めて奉納される獅子舞の、舞始めと舞納めは神社で行われ、その中間の演目は神社外で舞うことことがあるという。
 三匹の獅子は黒い獅子頭を被り、舞には棒使いが絡む。辺りがすっかり暗くなると、舞はさらに熱気を帯びる。長い棒を巧みに操る、見応えのある棒使いの舞も披露される。
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2007/6/28


湯魂石薬師堂 Yudamaishi-yakushi-dou 

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 湯魂石薬師堂(ゆだまいしやくしどう)は、青森県南津軽郡大鰐町大鰐の大鰐温泉「ゆけむり通り」の一角に存在する、薬師如来を祀ったお堂である。
 慶長年間(1596~1615)に、弘前藩初代藩主・津軽為信が建てたとされている。
 伝承では、目の病気を患った為信が、薬師如来からのお告げを夢に見て、大石の下から湧き出る湯で目を洗ったところ病が治り、感謝の気持ちとしてこの大石の上に祠を建立した、と伝わっている。
 大鰐温泉は開湯800年。しかし栄えたのは薬師堂を建ててからで、大鰐は津軽の奥座敷として発展してきた。今でも街を流れる川沿いに立ち並ぶ温泉宿や祭りに、その面影を見ることができる。
 湯魂石薬師堂は、地元では「鰐っこ湯っこ」と言われ、親しまれている薬師堂である。
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2007/5/31


浅田晶久 Asada Akihisa 

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 浅田晶久氏は、京瓦の窯元「浅田製瓦工場」の3代目。
 昔、日本にはその土地、その土地に地元の瓦窯元があった。しかし、高度経済成長期を迎えると、大量生産の瓦が主流となった。今は京都でも、瓦の窯元は一番古い窯元と、この「浅田製瓦工場」の2軒のみになってしまった。
 浅田製瓦工場の創業は大正三(1914)年。以来、一貫して「手造り」にこだわってきた。京瓦の美しい肌合いと光沢は手造りでしか生まれないからだ。この京瓦の工程のひとつに、瓦をヘラで表面をならすように擦る「ミガキ」がある。すべて磨きをかけるには、何度もヘラを往復させなければならない。瓦一枚一枚にこれほどの手間をかけるのである。「これは京瓦の美しさを追求する職人の気持ちです」と浅田晶久氏。
 現在は、社寺や甍(いらか)を飾る瓦のほか、伝統技術に現代感覚をプラスした作品を発表。ランプシェードや照明オブジェなどが好評だ。彼は、伝統の熟練技を守る職人であるとともに、瓦に新しい生命を吹き込む「アーティスト」なのである。
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2007/5/11


北山安夫 KitayamaYasuo Yasuo Kitayama

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 北山造園(京都市)代表。1948年、京都市生まれ。国内外で高い評価を受ける現代の庭師。大学卒業後、京都・小宮山庭園創作所の故・小宮山博康氏に師事。26歳で独立以降、京都・高台寺をはじめ、その塔頭である圓徳院、日本最古の禅寺・建仁寺、久保田一竹美術館(山梨県)、円通寺(佐賀県)など数多くの庭園修復や愛知万博「愛・地球博」森林ゾーンの日本庭園の石組を担当。また、イタリアやアフリカなど海外での作庭も担っている。
 その特徴は、無駄を削ぎ落とした庭の姿と石組にある。「己を殺して我(われ)を生かす」という哲学にもとづき、自身を主調しすぎず、見る人の気持ちを包み込むような庭づくりの姿勢は、日本の美を支える、ひとつの美学ともいえるだろう。
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2007/5/10


高台寺庭園 Koudai-ji Teien Kodaiji Garden

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 現代を代表する庭師・北山安夫が修復した高台寺(京都市東山)の庭園は、江戸時代初期に活躍した作庭家の小掘遠州が手がけた庭である。  
 しばらく手入れがされていなかった庭の修復を担うにあたり、北山は「小堀遠州が当時どのような思いで作庭に挑んだのかと考え、修復に努めた」という。その庭は訪れる人の気持ちを包み込むような配慮がなされ、中でも開山堂に臨む庭と二つの池は静かな美しさにあふれている。東山の麓まで続く庭が紅葉する頃と、桜の時期が特に見ごろ。
 また、京都の寺院の先陣を切って高台寺が始めた期間限定ライトアップには、その幻想的な庭を楽しむために大勢の観客がつめかける。北山はこのライトアップの監修も手がけている。
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