NIPPON Kichi - 日本吉

記事数26件: 1~8 件表示     >>     >|  

2008/8/11


錆朱色(サビシュイロ) Sabisyuiro 

Jp

 大昔、地殻変動によって地中が露出し、地中の水銀が硫化され、鮮やかな赤黄色に変化しているのが発見された。これが朱の発見といわれている。土から出土する顔料の中でももっとも鮮やかな朱は、中国でも珍重されたといわれている。
 日本でも朱は縄文時代から使われていたといわれ、日本の赤系の色の中でも代表的な色とされている。
 朱色の色調を変化させた伝統色には、鶏冠朱・鎌倉朱・古代朱・黒朱などいくつかあるが、錆朱色(さびしゅいろ)もそのひとつである。金属が空気に触れて生じる鉄錆は沈んだ赤味の褐色をしているが、錆朱はくすんだ朱色を表す色名である。
 やや沈んだ、哀愁を帯びたような錆朱色の着物や小物は、アンティークとしても人気がある。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/7/30


緑青色(ロクショウイロ) Rokushou-iro 

Jp

 緑青色(ろくしょういろ)とは、色彩の種類の一つで、日本に昔から伝わる伝統色である。
 仏教伝来とともに中国から伝わった顔料で、孔雀石の粉末に水を加えて強く研ぎ、上層に浮き上がる細かい粒子を白緑、中層にたまる粒子を中緑、下層にたまるものを緑青と言う。
 岩絵具の顔料であり、昔から日本画の緑色として欠かせないものであった。
 また、古代から人工的に銅や青銅を酸化させて、表面にできる緑色の錆から採取する製法も存在する。成分はいずれも、炭酸銅と水銀化銅の混合物である。
 古来、絵画の緑色絵の具の代表的なもので、彫刻や建築などの塗装などにも広く用いられてきた。
 落ち着いた感じのする、日本に古来より伝わるくすんだ青緑である。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/2/22


いわき絵のぼり Iwaki-enobori 

Jp

 いわき絵のぼりは、端午の節句や男の子の成長を祝う縁起物として、江戸時代から伝えられてきた。一五種類の顔料を用い、大きな木綿地に鮮やかに描かれる。
 絵柄は、邪気を払う神といわれる鍾馗(しょうき)、八幡太郎義家や源義経、武田信玄と上杉謙信による川中島合戦などの武者絵をはじめ、高砂、神功皇后、大黒など迫力あるものばかり一五種類ある。
 いずれも丹念な手描きで、故事にあやかって子供たちの健やかな成長を願う親心が込められており、贈り物としても人気が高い。平成九(1997)年、福島県の伝統的工芸品に指定された。
 工程は、木綿全体に糊付け処理を行う「下地」、顔料に接着力を加える「豆汁(ごじる)」、薄墨で下絵を描く「下描き」、色付けをする「下塗り」「上塗り」、絵に生命を吹き込む「輪郭線」、輪郭線を残す彫り塗りの技法で墨を挿す「墨描き」、衣服や鎧の模様を描き込む「模様」、家紋を描く「家紋」から成る。完成まで一週間以上を要する。市内では複数の職人が製作に携わっている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/1/22


群青色(グンジョウイロ) Gunjou-iro Gunjyou Color

Jp En

 青の集まりという意味を持つ群青色(ぐんじょういろ)は、中国から入った顔料の名に由来しており、青色や紺色とは違ってやや紫味を含んでいる。紺青(こんじょう)とも呼ばれる深く濃い青色のことである。
 天然の群青で最上のものは「瑠璃(るり)」から作られたと言われる。瑠璃は英名をラピス・ラズリといい、当時はとても稀少な鉱石であったという。瑠璃以外では藍銅鉱のアズライト粉末が原料に使われている。
 群青色は日本画の鮮やかな青色を表すためには欠かせない色とされており、桃山時代の豪華な障壁画などにも多く見られる。また、江戸時代の屏風絵や反物などにもその濃厚な青色が惜しみなく使われている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2008/1/15


朱色(シュイロ) Syuiro 

Jp

 日本の伝統色のひとつである朱色は、中国では古来より高貴の色とされ、建物や仏壇、食器など様々な物に多用されてきた。
 日本にとって文化の先進国であった中国の影響を受け、国内の神社仏閣などには美しく鮮やかな朱色に塗られた建物が多く見られるが、魔除けや、建物の防虫・防腐の目的も含まれていたという説がある。
 朱はやや黄を帯びた鮮やかな赤色の顔料で、辰砂(しんしゃ)という天然の硫化水銀からつくられ、日本では「丹(に)」とも呼ばれる。後に硫黄と水銀から人工顔料バーミリオンという銀朱が作られるようになったが、天然の朱は、銀朱よりさらに赤みの強い深い色合いを持っている。
 朱は経年による退色や変色が少ないため、印肉などにも用いられている。その色と原料の希少性から、日本でも高価な貴重品として扱われてきた。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2007/12/14


ベンガラ Bengara Bengara

Jp En

 ベンガラとは、酸化第二鉄からなる無機赤色顔料の一つであり、人類が使用した歴史上最古の顔料としても知られている。
 漢字では弁柄と書き、紅殻やインド赤、ヴェネツィアンレッドなどとも呼ばれる。
 日本には中国から朝鮮半島を経て、沖縄に伝わったとされ、インドのベンガル地方産のものを輸入していたため、ベンガラと名付けられたという。
 酸化鉄系では最も生産量が多い顔料であるが、化学的には鉄の赤錆と成分的に同じであるため、現在では合成のものが多く、天然に産するものとしては、日本では岡山県高梁市成羽町が、国内唯一の生産地となっている。
 古代には尊い色として珍重され、日本では沖縄の首里城の赤がベンガラの色として有名である。また、着色力や隠蔽力共に優れており、耐熱性や耐水性もあることから、木造建築における防腐の役目も負っていた。
 他の赤色系顔料に比べ鮮明さに欠く印象はあるが、その華やかさは時代を超えて、人々の心を魅了し続けている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2007/12/4


瑠璃釉 Ruriyuu 

Jp

 「釉(ゆう)」とは、釉薬(ゆうやく)、いわゆる陶磁器に使われる上薬(うわぐすり)のことで、水漏れ防止・保護膜・強度・見た目の綺麗さを表すなど、様々な役割がある。その中でも「瑠璃釉(るりゆう)」とは、本焼用の透明釉の中に、染め付けに用いる鉱物質の顔料である呉須(ごす)を入れてつくる、瑠璃色の釉薬のことをいう。
 単に瑠璃と呼ぶ場合は、釉薬を意味する場合と、瑠璃釉の掛かった作品を指す場合がある。磁器によく使われ、陶器に用いられることは殆どない。
 瑠璃釉の作品は深い藍色が特色である。
 藍色の染付との違いは、染付は呉須を原料とした下絵付けの絵具ですが、瑠璃釉は透明な白磁釉に呉須を混ぜたもの。瑠璃釉は釉薬なので、深く透明感のある発色がでる。
 瑠璃釉は、普通の磁器釉にコバルトを1~3パーセント添加してつくる。長石分が少なく、石灰が多い方が美しい色合いだといわれている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



2007/11/29


延岡五月幟 Nobeoka-gogatsu-nobori Nobeoka Gogatsu Nobori

Jp En

 五月幟(ごがつのぼり)は男の子の祝いである端午の節句の時に、こいのぼりや兜、五月人形の飾りとともに、子どもの立身栄達を祝して立てられる幟(のぼり)である。今でも多くの地方でそれぞれ独特の幟を立てる風習が残されている。
 延岡五月幟もその一つで、400年近く前の寛永年間(1624~43)から続き、九州では数少ない筒引手染(つつびきてぞめ)の手法で作られている。
 延岡五月幟は上質の木綿に下絵を描き、もち米のりで下絵を縁取り二〇種類の顔料を使い、丹精こめて仕上げていく伝統的な手法であり、現在でもこの手法は守られている。
 描かれる絵は源平の戦い、勇壮な武将、金太郎や爺、そして翁など様々である。出来上がった五月幟は重々しさと独特な色合いをもち、現在では宮崎県伝統的工芸品に指定されている。
[+ADDRESS] この記事をお気に入りに、追加します



記事数26件: 1~8 件表示     >>     >|  
NIPPON Kichi - 日本吉 - 日本語に切り替える NIPPON Kichi - 日本吉 - to english

モノ・コト・ミル・ヒトで綴る
日本の美意識。

現在の記事 5444
カテゴリーズ
都道府県
キーワードシャッフル
お気に入り
キーワード検索
閲覧履歴



Linkclub NewsLetter