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歴史の「史」という学問関係の漢字ですが、史の意味の背景は案外に知られていません。中国では、歴史執筆は非常に早い文明の段階からありました。このことはこの字と深くかかわっています。初字体が甲骨字に遡るのもそのためです。
信・吉・哲などと同じように、ここにも上の口の部分は祝詞の器です。この祝詞の器に木をつけて手で持つ姿を象っています。これは王の祖先の霊を祭る儀式の姿です。「史」には、祭ると同じく、史る(まつる)という読みもあります。「史」は祭り自体の意味から、祭りを行う仕事をする人という意味に転じました。昔の中国の社会は今のような民主主義的な祭政分離の原理に基づいている世界ではありません。祝詞を運んだり持ったりという役割は、聖職者に似合う宗教的な仕事であると同時に、宮内省の公務員的なお勤めのようでもありました。
使・事は同じ系統の字です。王の祖先礼拝は社会全体の祖先礼拝の手本となり、その記録(史(ふみ))は歴史そのものといえましょう。
■ 史・金文(きんぶん)
信・吉・哲などと同じように、ここにも上の口の部分は祝詞の器です。この祝詞の器に木をつけて手で持つ姿を象っています。これは王の祖先の霊を祭る儀式の姿です。「史」には、祭ると同じく、史る(まつる)という読みもあります。「史」は祭り自体の意味から、祭りを行う仕事をする人という意味に転じました。昔の中国の社会は今のような民主主義的な祭政分離の原理に基づいている世界ではありません。祝詞を運んだり持ったりという役割は、聖職者に似合う宗教的な仕事であると同時に、宮内省の公務員的なお勤めのようでもありました。
使・事は同じ系統の字です。王の祖先礼拝は社会全体の祖先礼拝の手本となり、その記録(史(ふみ))は歴史そのものといえましょう。
■ 史・金文(きんぶん)
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