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2008/9/9


簪 Kanzashi 

Jp

 簪(かんざし)は、女性が髪を結う時に使用する、伝統的な日本の装身具である。
 漢語「簪」は中国で使用された髪留めを指す言葉で、男女ともに髪を伸ばす習慣のあった中国では、男性が地位・職種を表す冠を髪に留めるための実用品であった。
 日本の古代では、先の尖った一本の細い棒に、呪力が宿るものと信じられていた。髪に一本の細い棒を挿すことによって魔を払うことができると考えられたのが髪串であり、これが発達して簪となったと思われる。
 現在、簪には季節の花や事物の組み合わせのみならず、伝統に基づく様々な約束事が存在する。
 特に江戸時代中期以降に、耳掻き簪、松葉簪、玉簪、平打簪、花簪、変わり形簪、両天簪、花簪など、様々な種類の簪が作られた。
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2008/4/8


朝顔のかんざし Asagao-no-kanzashi 

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 縄文時代頃にはすでに存在し、江戸時代にその文化が花開いた簪(かんざし)。
 時代の変化やそこから生み出された様々な髪形に合わせ、簪もまた多種多様に作られ、女性の髪を美しく飾ってきた。
 「朝顔のかんざし」は、現代になって再び注目されつつある簪の中でも平打簪と呼ばれる種類のものである。
 素材にはシルバー925が用いられ、それを丹念に磨き上げることでシルバーが持つ独特の艶と光沢を放っている。
 飾り部分には美しい意匠とアールヌーボー調の造形の朝顔が再現されており、細いツルや葉脈が彫り込まれた葉などにその作り込みの深さを見て取ることができる。
 清楚な朝顔が、陰影あるシルバーと相まって上品に仕上がっており、和装はもちろん、様々な装いで髪を美しく飾ってくれるだろう。
 優れたデザインと卓越した彫刻表現によって生み出されたその簪は、現代でもなお色あせることのない魅力を放っている。
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2007/11/22


櫛 Kushi 

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 櫛(くし)とは、頭髪をすいたり髪飾りとして挿したりする道具である。
 日本では6000年前の縄文時代、福井県の鳥浜貝塚から赤い漆塗りの櫛が出土している。遺跡からの出土は東日本に偏っており、当時は日用品ではなく、呪術的な意味があったと推測されている。
 平安時代から戦国時代までは女性の髪型が垂髪であり、また、髪を洗う事が少なかったので、髪の汚れを取り除く事を目的として、実用的に使用されていた。
 江戸時代になると女性の髪が結われるようになり、髪を整える目的で櫛がよく使われる従い、装飾が綺麗な物が増えた。
 その結果、髪飾りとしても普及し、貝やべっ甲でできた物や、鮮やかな彫刻・絵画を施した櫛が作られ、利用されるようになった。
 現代では、べっ甲・ツゲ・竹・象牙・合成樹脂等で作られている。
 櫛は、とりわけ女性にとっては、古くから日常欠くことのできない化粧用具のひとつである。
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平打簪 Hirauchi-kanzashi 

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 平打簪(ひらうちかんざし)は、平たい円状の飾りに、1本または2本の足がついた簪である。
 簪は、女性が髪を結う時に使う日本の伝統的な装身具であり、特に江戸時代後期には様々な種類の物が作られ、髪を飾った。
 平打簪は形が薄く平たい形状で、円形・亀甲形・菱形・花型などの枠の中に、透かし彫りや、毛彫りで定紋・花文などをあらわしたものとされる。
 武家の女性がよく身につけた銀製、或いは他の金属に銀で鍍金したものは特に銀平(ぎんひら)とも呼ばれる。
 定紋は、大奥・武家などの婦人が用いたものであるが、江戸後期の芸者の間には自分の紋ではなく、貞節を誓う想い人の家紋を入れるのが流行したという。
 平打簪は、木やべっ甲、プラスティックなど、様々な素材で製作されている伝統の髪飾りである。
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2007/11/20


つまみかんざし Tsumami-kanzashi 

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 つまみかんざしとは、簪(かんざし)の中で、絹を材料に作った髪飾りである。東京都、及び千葉県の伝統工芸品に指定されている。
 簪は、女性が髪を結う時に使う日本の伝統的な装身具であり、特に江戸時代後期には様々な種類の物が作られ、髪を飾った。
 江戸時代の1800年頃、髪飾りとしてつまみかんざしは生まれたとされ、歌川豊国(うたがわとよくに)や鳥居清峯(とりいきよみね)の浮世絵にも描かれている。
 つまみかんざしは、薄い小さな絹のキレをピンセットでつまんで作られるもので、細やかな細工と鮮やかな色味が特徴。正月や七五三・成人式・誕生日の祝いの時に用いられ、着物姿の若い女性の髪を美しく飾る。
 現在、つまみかんざしの職人は日本全国でも15人程しかいないとされる。
 つまみかんざしは、美しい髪飾りとして、現在も広く愛用されている民芸品である。
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2007/11/12


黄楊櫛 Tsuge-gushi Japanese Boxwood Combs

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 黄楊櫛(つげぐし)は、京都府にて今も作られている、髪をすく伝統的な女性の装飾品である。
 櫛の歴史は古く、一番古いものでは縄文時代まで遡る。また、黄楊で作られた櫛は万葉集にも詠まれており、櫛の中でも最上級品として歴史を重ねている。
 京都の黄楊櫛の生産は、平安時代から始まったとされている。
 黄楊の木は、材質が柔らかく地肌を傷つけず、櫛にとって理想的な性質を持っており、一般の櫛だけでなく、西陣織の綴織に使う櫛、京人形の結髪用の櫛など京都ならではの幅広い用途に使われている。
 また、静電気がほとんど起こらないため、枝毛や切れ毛になりにくく、頭皮への刺激も優しく、非常に高いヘアケア効果があるとされている。
 黄楊櫛は、健康的なだけでなく彫や蒔絵も美しい、いつの時代も女性を引き立てる装飾品である。
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2007/6/7


高島田 Takashimada Taka-shimada

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 高島田(たかしまだ)とは、根元を高く仕立てた島田髷の一種である。
 島田髷は、江戸初期、東海道島田宿(静岡県島田市)の遊女の髪形から広まったので「島田髷」と呼ばれたと言われている。
 高島田は、島田の変形のうちでは比較的早くに誕生した格の高いものである。
 上流武家の女性が結ったもので、正式な儀式の場では必ずと言っていいほどこれを結う。根が高いものは武家の女性に結われたが、町娘や芸妓などにも好んで結われた。
 文金高島田は最も根が高く上品な形をしている。「文金」とは男子の結髪様式である文金風の意味で、その上品で優雅な印象から、次第に花嫁に用いられるようになっていった。
 高島田は、江戸時代にあった300もの髪型の中でも人気の、華やかな髪型である。
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丸髷 Marumage Maru-mage

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 丸髷(まるまげ)とは勝山髷が変形した女性の髪形である。
 江戸時代中期には遊女、幕末以降には武家の奥方や、町人の奥方等、元服後の女性が多く利用する髪形となった。
 髷の輪が厚く広くなっており、髷の部分が若い女性であれば大きく年配になるにつれて、小さくなっていく。その形を保つため、和紙製の型を髷の中にいれ整えた。
 広く一般に結われていたが、明治末期には両国形、老松形等の種類が増える。
 江戸の元服後の女性は、お歯黒を染め眉をそり丸髷にしたが、眉をそらないものも稀におり、その状態を半元服と呼んだ。
 舞台などで、日本の当時の髪型まで表現する祭には、未婚時と既婚時で髪型がかわるため、2種類のカツラを用意する場合もある。
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