NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/2/21


煤竹色(ススダケイロ) Susudake-iro 

Jp

 煤竹色(すすだけいろ)は日本に昔から伝わる伝統色のひとつで、文字通り煤けて赤黒くなった竹の色に似た、やや暗い黄褐色である。
 日本では昔、家の中で焚き木を燃やしてかまどで煮炊きなどをしたり、室内の囲炉裏で暖を取ったりして生活をしていた。家の中で火を燃やすことで煤が上がり、木製の建材は時と共に文字通り煤けて、色が変わっていくという。竹の種類にもよるが、燻されて、味のある渋い茶色に色づいた煤竹が生まれるとされる。
 煤竹色は江戸の初期から中期にかけて流行したといわれており、銀煤竹、藤煤竹、柳煤竹などたくさんの煤竹色が生まれたという。趣のある色のため、小袖や帷子、着物の地色としてもよく用いられている。
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2007/9/4


釉裏金彩 Yuuri-kinsai Yurikinsai

Jp En

 釉裏金彩(ゆうりきんさい)は、陶芸技法の中でも最も手間のかかるものの一つである。
 磁器の素地に、九谷色絵の上絵具をかけて本焼を行い、地色を作る。その上に文様や絵柄に切った金箔を置いて焼き付け、最終的にその上から更に透明釉をかけて焼き上げる。
 そうする事で、金箔が透明な釉薬の皮膜に覆われて剥がれなくなり、また、時にいびつにも見えがちなまばゆい金の輝きが、透明釉を通すことで、落ち着いた上品なものとなる。
 金箔と釉薬だけのシンプルな組み合わせだけに、地色の配色や金箔の配置に気を配る必要があるが、細心の注意を払って完成したものは、配置した金が光の加減によって浮かび上がるような、独特の光彩をもたらしてくれる。
 陶芸に関しては中国渡来の技法がほとんどだが、この釉裏金彩は日本で生まれた技法である。まばゆい輝きも一枚の膜に包んでしまう辺りに、日本人の好む奥ゆかしさが表れているのかもしれない。
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2007/1/25


大塔坪杓子・栗木細工 Ootoutsubo-shakushi・Kuriki-zaiku Chestnut Woodwork, Ototsubo Cooking Spoon

Jp En

 大塔村(現奈良県五條市大塔町)は、かつて大和地方特産の茶粥をすくう杓子を作る、木地師の村だった。吉野地方は広大な原生林に覆われ、原料となる栗の木に恵まれていたためである。
 大塔坪杓子は、栗の木を輪切り、コマ割りし、杓子形に荒仕上げした壷の部分の内側を彫り、柄の部分を削って作る。耐久性に富み、使い込むほどに木地色が飴色に輝き、味わいを増す。
原材料の栗の木は水に強く、耐久性に強いため、長く全国で愛されてきたが、戦後は金属製やプラスチック製の杓子の出現で木製杓子の需要はほとんどなくなり、今では作る職人も新子薫氏ただひとりになってしまった。しかし、女性誌で紹介されるなど、手作りの良さがわかる一部のファンの注目を集め、現在でも絶えることなくその技を守り抜いている。
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