NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/7/1


イナウ人形 Inau-ningyou 

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 イナウ人形(いなうにんぎょう)は、北海道釧路市阿寒町近辺に伝わるアイヌの人形である。
 阿寒湖の湖畔にはアイヌの集落であるアイヌコタンがあり、イナウ人形はここで作られている。
 イナウとは、アイヌの祭具のひとつで、人間とカムイや先祖を取り持つものとされた。
 イナウは、形としては木の棒に2本の紙垂れをつけた神道の祭祀で用いられる御幣(ごへい)によく似ている。全て一本の木の棒から出来ており、ヤナギ・ミズキ・ハシドイなどの樹皮を剥いで、白木を薄く削ったものが垂れ下がっている。
 病気の回復や猟の安全と収穫の祈願、風水害にあった時など、イナウを作って神に捧げた。
 このイナウの手法を生かして作られたのがイナウ人形で、男女のアイヌ人像や弓矢を持ち狩りをするアイヌ人などが存在する。
 イナウ人形は、悪神を追い払う力もあると伝えられる、アイヌの郷土民芸品である。
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2008/6/10


松江姉様 Matsue-anesama-ningyou 

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 松江姉様(まつえあねさま)は、島根県松江市に伝わる伝統民芸品である。
 江戸時代、松江藩の御殿女中(ごてんじょちゅう)が作り始めたもので、江戸から伝わった姉様人形の一つといわれる。
 姉様人形とは、江戸時代に普及した和紙と千代紙で造られた優雅な人形で、裕福な武家や商家の子女に大切にされた。
 昭和一〇(1935)年頃までは子供や娘たちの日常の遊び用玩具であったが、今日では郷愁を誘う民芸品となっている。
 普通、姉様人形は顔を略したものが多いのだが、松江の人形はおちょぼ口で目が細く、頬をほんのり赤く染めている。
 衣装は赤と緑の二色であるが、単純化された中にもきらびやかさ、あでやかさがある。
 松江姉様は、小泉八雲(こいずみやくも)も愛好したという、日本的で気品のある三姉妹の紙人形である。
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2008/4/25


倉敷はりこ Kurashiki-hariko 

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 倉敷はりこ(くらしきはりこ)は、岡山県倉敷市に伝わる民芸品である。県の伝統工芸品に指定されている。
 明治二(1869)年、雛人形や武者人形を作っていた職人である生水多十郎(おみずたじゅうろう)が、男の子の誕生を喜び張り子の虎を創作した。それが評判となり、節句の飾り物として使われるようになったという。これが、「倉敷はりこ」の始まりとされている。現在は、4代目の生水幹一(おみずかんいち)が、その伝統を守っている。
 はりこは、木の型を作り、それに和紙を何枚も張り合わせて乾燥させ、固まった紙を型から外して色付けされているのが特徴。
 素朴さが身上で、おどけたユーモラスな顔がかわいい。品物も、鬼・天狗・おかめ・ひょっとこ・素隠居(すいんきょ)の面・首振虎・十二支など、豊富な種類を誇る。
 倉敷はりこは、素朴さの中に郷土色が息づく伝統玩具である。
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三次人形 Miyoshi-ningyou 

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 三次人形(みよしにんぎょう)は、広島県三次市三次町に伝わる民芸品である。県の伝統工芸品に指定されている。
 寛永一〇(1633)年頃、三次藩主・浅野長治(あさのながはる)が江戸浅草の人形師・森喜三郎(もりきさぶろう)をつれ帰り、歴史上の勇者や伝説上の人物の土人形を作らせ、家臣が一子をもうける度に、祝いとしてこの土人形を贈ったのが始まりとされている。
 にかわを塗る事によって艶やかな光沢があり、別名「光人形」と呼ばれている。特に顔に関しては、磨きだし手法によってその光沢を出している。
 普通、人形は六頭身が多い中で、八頭身の容姿端麗な人形としても有名で、その姿は群を抜いて美しいといわれている。
 三次人形は、現在でも約80種類が造られている、初節句や結婚式の引き出物として大切にされている、歴史ある人形である。
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2008/4/4


山形 いずめこ人形 Yamagata Izumeko-ningyou 

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 山形のいずめこ人形(いずめこにんぎょう)は、山形県鶴岡市に伝わる伝統民芸品である。
 「いずめ」とは「飯詰」の字があてられる、東北地方の冬期のご飯の保温具で、わらで編んだ丸いかごの事であり、それを利用して乳児をこの中に入れ、揺りかご代わりにしたその姿を「いずめこ」と呼んだという。
 大正初期に鶴岡の玩具工人・大滝武寛が、中に人形を入れた「いずめこ人形」として売り出したのが最初と云われており、現代では、庄内を代表する民芸品となっている。
 わら細工は、編んではわらを継ぎ足すという同じ作業の繰り返しで、実に細かく根気のいる作業であり、直径約30cmのいずめこが完成するのに要する時間はおよそ12時間と言われている。
 山形のいずめこ人形は、人々に親しまれている民芸品である。
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2008/3/10


猫ちぐら Neko-chigura 

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 猫ちぐらは、天然の藁(わら)を編んで作った猫用の家で、新潟県関川村の伝統民芸品。
 地元ではその昔、農家で使われていた子守りのためのゆりかごを「ちぐら」または「つぐら」と呼んでいた。当時はどこの家でも猫を飼っていたことから、それを猫用に改造して猫ちぐらが誕生した。大正時代には使われていたという証言があり、明治以前から作られていたものと見られている。
 百パーセント天然の藁を用いて、平均年齢七五歳のお年寄りが、一週間から十日かけてじっくりと丁寧に編み上げる。保湿性が高いうえに通気性にも優れているため、冬は暖かく夏は風通しがよい快適な寝床となり、狭くて暖かい場所を好む猫にとって、最適な環境が与えられる。
 猫ちぐらは特に形が決まっているわけではなく、製作者の創意によって様々な形状のものが存在する。かまくら型や壺型のものが一般的であり、籠状のものはほとんどない。大きなものほど形よく仕上げることができ、小さなものには一層の熟練を要するという。
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イタヤ細工 Itaya-zaiku 

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 イタヤ細工は、寛政年間(1790年頃)に角館の農村部で始まった手仕事で、生活の中から生まれた。イタヤカエデの若木の幹を帯状に裂いて編み、穀物の殻などを振って吹き飛ばす箕(み)や、カッコベと呼ばれる腰かごなどの農具を中心に作られてきた。
 現在はかご類、花器、バッグ、イタヤ馬、イタヤ狐などの民芸品が多く作られ、秋田県の伝統的工芸品に指定されている。
 細工は、原木から細い帯状の材料を得る工程と、その材料を編む工程とに分けられるが、そのほとんどが手作業で行われる。イタヤカエデの持つ木肌の素朴さと相まって、その深い味わいに人気がある。
 イタヤ馬とイタヤ狐は郷土玩具として注目されている。イタヤ馬は、馬が走っている姿をモチーフにしたもので、頭を左に向けた縁起の良い「左馬」という形に編まれる。一方のイタヤ狐は、原木をナイフ一本でキツネの立ち姿に加工したもので、イタヤカエデの幹の白さと繊維の緻密さがよく分かる。
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2008/3/4


温湯こけし Nuruyu-kokeshi 

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 温湯こけし(ぬるゆこけし)は、青森県黒石市にある黒石温泉郷の一つ、温湯温泉を中心として津軽地方で発達した東北地方の伝統こけしである。
 「津軽系」こけしとも呼ばれ、青森を代表する民芸品として知られている。
 その起源は、大正初期に地元の木地師が知人の勧めで作りだしたのがはじまりで、以来、温湯湯温泉はもとより、青森を代表する伝統的民芸品として、根強い人気を誇っている。
 胴にはアイヌ模様やダルマ絵、津軽藩の家紋から取り入れたといわれる牡丹の花が描かれ、膨らんだ胸と極端な腰のくびれを持ち、一本の木から頭も胴もいっしょに造る「造り付け」技法を用いるなどの特徴を持つ。
 工芸的な美と素朴な色彩で表されたおかっぱ頭の、清楚で純情そうな風姿は、版画家棟方志功にも絶賛され、全国的にも高く評価されている。
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