NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/3/17


【無】 Mu Nothing, Nothingness

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 「無」は「舞」の初文(初めの字形)です。伝統的な「六書(りくしょ)」の分類に従いますと、「無」は文字の音を借りる仮借文字です。ただ、「六書」という分類方法は、漢字成立から千年後の当時の漢字を分析するためにつくられたものなので、それに基づいて漢字が発明されたという結論を導くことは誤解になりかねません。
 当たり前のことですが、基本的に漢字は象形文字なので「何もない」という意味を表すのは本来とてもできないことです。時代が下り人々の考えや思想の抽象化に仮借文字はとても役立ちました。仮借文字は自然にできたのではなく、約束や慣例の中から意味を与えられた文字のグループです。
 「無」が「舞」の初文であるという関係は甲骨文で分かります。実は人が踊り、袖に飾りがぶら下がっている形です。『論語・顔淵、第十二』には「… 遊於舞雩之下。」「… 舞雩の下に遊ぶ。」がみられます。「雩(う)」は雨乞いのための祭祀儀式の踊りや、神樂を舞う場所です。「無・ない」の意味は「雨がない」から生じたのではないかとも思われます。そういう風に理解しますと、仮借文字という後世の概念に頼る必要もなくなります。
 どちらにしましても、「無」が「家が火災に遭うことを写しているところから『何もない』という意味になる」という説明は当たりません。

 
■ 無・甲骨文(こうこつぶん)
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2008/3/4


松笠風鈴(伊達鋳物) Matsukasa-fuurin(Date-imono) 

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 松笠風鈴・伊達鋳物(まつかさふうりん・だていもの)は、宮城県登米郡登米町で製造されている鋳物製の手作り風鈴である。
 鋳物のさらざらした表面に、虫が食いつぶしたような穴が無数に空いた模様が独特の風鈴だ。
 安永年間(1772~78)に登米の鋳物業者が、仙台藩主の所望により風鈴製作を手がけたのがその始まりとされ、その形が松笠に似ている所から松笠風鈴と命名された。
 以来、登米の名産の一つとして鋳物業者の子孫により作り続けられている。
 銑鉄と砂鉄で作る材料の配合などの製法や技法は、門外不出の秘伝とされ、今も子孫の手により頑なに守り続けられており、そうした秘法で一つずつ手作りされた風鈴は、金属特有の余韻の美しい澄んだ音色を放つ。
 その音色は、手作りのために全ての個体で異なった音を奏でる。
 自分のお気に入りの音色を求めて、ゆっくりと聞き比べてみるのも良いかもしれない。
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2007/12/25


飯豊山麓 鳴き砂 Iidesanroku Nakisuna 

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 山形・福島県との県境に立つ飯豊山麓(いいでさんろく)にある中津川地区遅谷は、県内でも屈指の豪雪地帯で、山から流れる豊かな雪解け水に育まれたブナの天然林が広がっている。自然豊かなこの地区には、それを象徴するかのように鳴き砂と呼ばれる砂がある。
 鳴き砂の主成分は石英だとされている。きれいな水や空気の中で充分洗われた石英の砂粒のみが「鳴く」とされているため、鳴き砂が確認されている地域は環境が美しい証でもある。
 「日本の音風景百選」にも選ばれている飯豊山麓の鳴き砂は、歩くと「キュッ、キュッ」という不思議な音がする。全国には約三〇ヶ所の鳴き砂が海辺に確認されているが、それがなぜ海から遠く離れた山里に存在するのかは今も謎に包まれている。この謎を解明するために、この地区が海に面していたのではないか、という仮説が立てられているという。
 五〇〇万年前の太古にまでさかのぼる鳴き砂のロマンに、人々は今も魅了されている。
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小湊 昭尚 Kominato Akihisa Akihisa Kominato

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 小湊昭尚(こみなとあきひさ)は尺八奏者、民謡小湊流三代目。1978年、民謡小湊流家元の長男として福島県に生まれる。父は民謡歌手の小湊美鶴、姉は歌手の小湊美和。5歳より両親の手ほどきを受け、舞台活動を開始。十代から琴古(きんこ)流の古典尺八奏法を学び、1995年より人間国宝の山口五郎(故人)に師事。二十歳で民謡小湊流三代目襲名。東京芸術大学音楽学部邦楽科尺八専攻卒業後、純邦楽はもちろん、フュージョン、ボサノヴァなど洋楽とのセッションを開始。
 2004年、和楽器ユニットZAN(ザン)でメジャーデビュー。民謡や尺八演奏で身につけた技術でヴォーカル、尺八奏者として新たな道を切り開き、現在ZANと並行してAEKA(アエカ)、Priest(プリースト)、般若帝国など複数のユニットで幅広く活動中。海外公演も積極的に行っている。
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EIZO FORIS.HD Eizou Forisu.eichidi EIZO FORIS. HD

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 磨き上げられたシンプルなデザインと、クオリティの高さが人気のカラー液晶テレビEIZO FORIS(フォリス)の新ラインが登場した。
 1台でテレビとPCモニターを兼ね、映像においては、垂直720ライン以上の解像度を保持、なおかつアスペクト比率が16対9である高解像度でありながら、従来のFORIS開発で培った、目にやさしい映像を継承する。
 音響面では、人間の生活の基底をなすピタゴラスの定理(3対4対5)に則り、低音部、高音部共に効果的で優れたクオリティを発揮することに成功した。
 側面には、日本発の製品であるという誇りの意識と共に、高貴とされる伝統色・弁柄(べんがら)の鮮やかな朱色を配す。
 デスクトップというパーソナルなたたずまいと共に、テレビとPCが最先端で融合進化した、新しい情報ターミナルの誕生である。
 
■デザインディレクター
 川崎和男
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2007/12/11


ネジレノ滝 Nejireno-taki 

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 ネジレノ滝は、多摩川上流部の支流である海沢川(うなさわがわ)が流れる海沢谷にかかる滝だ。
 上下二段に分かれた滝で、下段は落差およそ6m、上段は13mほどある。
 滝の両脇は極端にせり上がった大きな岩壁に挟まれており、そこに深く切り込むように上段の滝の落瀑がみられる。そして、上段から少し離れてちょうど岩壁の途切れるところから、轟々と音を立てて下段が流れ落ちている。
 この下段の飛瀑の向きが、上段に対してほぼ90度の角度でねじれていることから、ネジレノ滝と呼ばれている。
 天を覆うようにせり出した岩壁の奥から流れ落ちてくるため、瀑音が周囲に反響、よりいっそうの迫力ある轟音を響かせる。
 また、その聳え立つ岩壁が日の光をさえぎるために周囲は暗いが、それがかえって苔をまとった岩にたなびく白い飛瀑を神秘的に見せてくれる。
 滝の名前に反して、奥多摩の豊かな自然の営みをストレートに見せてくれる名瀑である。
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2007/10/31


笏拍子 Shakubyoushi 

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 笏拍子(しゃくびょうし)は、日本に古来より伝わる伝統的な音楽、雅楽で用いられる楽器の一つであり、各種ある雅楽器の中でも最も簡単な造りをしている。
 その形は、平安時代の貴族や神社の神官が持っている笏を二つに割ったような形をしているが、当初は二枚の笏が用いられていたという。
 長さはおよそ35cm、厚さは1.2cmほどで、上の方が幅広く下のほうが狭くなっている。
 材質に特に決まりはないとされるが、実際の笏と同じ材質であるイチイや、音質の良さからケヤキを用いることもある。
 その用法は、左は真ん中の合わせ目を奏者の方に向け、左の側面に右の合わせ目を強く打ちつけて音を鳴らすもので、歌の主唱者がこの笏拍子を打って、全体の速度である拍子を決めていく。
 主に国風歌舞や古代歌謡の一つである催馬楽(さいばら)など、謡物(うたいもの)で用いられている。
 この楽器が打ち鳴らす音により雅楽の雅な音色と歌は、よりいっそうの魅力を増す。
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2007/10/16


よさこい祭り Yosakoi-matsuri Yosakoi Festival

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 その生れは以外に新しい。戦後の不況を吹き飛ばそうと、高知商工会議所が発案し、1954年から始まった祭り。徳島の阿波踊りを意識して作られた。
 鳴子(なるこ、作物を狙う鳥を追い払う農機具)を手に持って鳴らすことを思いつき、現在でもよさこい祭りの重要なアイテムになっている。
 開始当初は日本舞踊の振り付けを踏襲した盆踊りスタイルであったが、武政英策(たけまさえいさく)氏が楽曲の自由なアレンジを許したため、その後色々なバリエーションを生むことになった。現在ではサンバ、ロック、ヒップホップ、演歌、フラメンコ、フラダンスなど各々のチームが趣向を凝らした楽曲と振り付けを披露し、伝統を色濃く残す「正調」とともに観客を楽しませている。
 因みに「よさこい」とは、夜さり来い(夜にいらっしゃい)という古語が変化した言葉。
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