日本一の桜の名所、「吉野山（よしのやま）。吉野川を挟んで龍門山地と向き合う吉野山は、金峰山寺の門前町として開かれてきた山域の総称である。大峰連峰北端約８キロに渡る尾根で、谷や尾根を埋める桜は３万本とも言われる。
　見ごろは４月上旬から下旬頃。その優雅で気品のある桜は、古くは古今和歌集にも詠まれ、現代に到るまで多くの文人墨客の心を惹きつけてきた。
　吉野山はかつて金剛山寺を中心に修験道の聖地となり、宗教都市として修験者が集まっていたとも言われる。日本史上の転回点にもたびたび登場しており、源義経の逃亡劇や後醍醐天皇の南朝などの舞台として、歴史的に深いゆかりを持つ。
吉野山・高野山から熊野にかけての霊場と参詣道が２００４年、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録された。