NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/11/4


婿投げ・墨塗り mukonage-suminuri 

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 「婿投げ・墨塗り(むこなげ・すみぬり)」は、新潟県十日町の松之山温泉で毎年1月15日におこなわれる小正月の慣わしである。
 婿投げは、前年に松之山の娘を嫁にもらい結婚した婿を、松之山の若い衆が背負って、高さ5メートルある薬師堂前の崖の上から放り投げるという儀式である。
 昔の略奪結婚の名残だといわれ、村の娘をよそ者に奪われた青年たちの腹いせから始まったものだと伝えられている。
 転げ落ちて積もる雪から這い出す婿を嫁が助けるのは、二人の絆がより深くなるような願いがこめられている。
 婿投げが終わると、墨塗りが始まる。
 正月飾りや門松などを積み上げたものを焼き、疫病や邪悪なものの侵入を防ぐという塞の神(さいのかみ)の行事である。
 人々に福みかんが投げられ、塞の神への火入れが始まる。燃え尽きた後、残った灰に雪を混ぜて墨をつくり、おめでとうと言い合いながら顔に墨を塗りあい、無病息災を願う。
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2008/8/8


長崎 ヘトマト Nagasaki Hetomato 

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 長崎のヘトマトは、長崎県五島市下崎山にて毎年一月一六日に行われている祭りである。国の重要無形民俗文化財に指定されている。
 起源と語源はまったく不明の奇祭で、600年ほど前から伝わるといわれ、五穀豊穣・大漁・子孫繁栄・無病息災を祈願する。
 祭り当日は、まず地元の白浜神社で子供や青年が参加する奉納相撲が行われ、次いで鉦を打ち鳴らしながら白浜の海岸に向かう。
 続いて、着飾った新婦二人が酒樽の上で羽根つきをして、次に体にススを塗り付けた若者が藁玉を激しく奪い合う玉蹴り、豊作と大漁を占う綱引きと続いて最後に大草履が登場し、見物の娘を次々と捕えて草履の上に乗せ激しく胴上げを行いつつ山城神社へ奉納する。
 長崎のヘトマトは、地域で行う諸々の行事を一度に行う祭りとしては、全国的に他に類を見ない奇祭である。
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2008/6/10


花取り踊り(愛媛県城川町) Hanatori-odori (Ehime-ken Shirokawa-cho) Hanatori Odori in Shirokawa in Ehime Prefecture

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 花取り踊り(はなとりおどり)は無病息災を祈願して舞う、勇壮な「太刀踊り」の一種で、各地域毎に少しずつ形を変え、その土地特有の姿となって継承されている。
 愛媛県西予市城川町では毎年八月二一日、八幡神社のお大師様の縁日に奉納されている。
 神社の境内に鉦(かね)と太鼓が並べられむしろが敷かれる。大世話と呼ばれる人が拍子を取り、お囃子が始まると、木の葉と色とりどりの短冊を背負った中学・高校生たちの踊り子が二列に並ぶ。掛け声とともに大刀や鎌などの刃物を振りかざすと「疫病退散」と勇ましく踊る。この踊りは六庭といわれ、六パターンの舞があるのだという。
 市指定無形文化財に指定されている、かなり勇壮で見ごたえがある踊りだ。
 
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2008/5/12


葛木御歳神社 Katsuragi-mitoshi-jinja Katsurag-mitoshi Shrine

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 「葛木御歳神社(かつらぎみとしじんじゃ)」は、奈良県御所市にあり、ご祭神は本社の背後にある御歳山(みとしやま)という美しい山で、金剛山の扇状地に開けた稲田を御守護された、穀物をつかさどる神で知られている。
 朝廷で豊作祈願のためにおこなわれた年頭の祈年祭(としごいのまつり)では、はじめに御歳神の名が読みあげられたという。
 ここの神社は、代々鴨氏が祭りごとをおこなってきた神社のひとつである。御所市にある上鴨社(かみがもしゃ)の高鴨神社(たかかもじんじゃ)、下鴨社(しもがもしゃ)の鴨都波神社(かもつばじんじゃ)とともに、中鴨社(なかがもしゃ)と呼ばれ、「中鴨さん」の愛称で親しまれている。
 現在の朱塗りの本殿は、春日大社から移されたものである。
 ここでは正月三日まで、一年の無病息災を祈願し、御歳神さまからの魂がこもった「御歳魂(おとしだま)」のお餅を授与している。
 正月の鏡餅は御歳神へのお供え物であり、このおさがりのお餅「御歳魂」が「お年玉」のはじまりになったといわれている。
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2008/1/30


小僧不動の滝寒中みそぎ Kozou-fudou-no-taki-kanchuu-misogi Waterfall Purification at Kozo-Fudo Sui Shrine

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 毎年旧正月にあたる一月一五日、宮城県栗原市一迫長崎地区の小僧不動水神社では寒中みそぎが行われている。
 参加者は厄年や成人を迎えた男性。夜一九時頃、ふんどしにわらじ、白はちまき姿で俵みこしを担ぎながら登場する。この時の外の気温は零下8度前後。みそぎ中の安全を祈願すると小僧不動の滝に向かって走り、気合いを入れ滝つぼに入る。10メートル上空から落ちてくる滝に打たれ、胸まで水につかると肌が見る間に真っ赤に。家内安全、無病息災、厄祓い、五穀豊穣、合格等を祈願する。
 みそぎを終えると体から湯気をだしながら再び神社に参拝し、行事が無事に終了したことを報告する。見物に訪れた人たちからは歓声と拍手が沸きあがる。
 その後暖かいどんと焼きの前で、甘酒を飲みながらほっと息をつき、足早に家路に着く。
 身を清め、同時に心が清められる清々しさを感じることができると、参加者には実はなかなか好評だ。
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2007/11/29


のぼりざる Nobori-zaru Climbing Monkey

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 のぼりざるは宮崎県延岡に伝わる郷土玩具で、子供の立身出世、無病息災、五穀豊穣を願い、端午の節句に鯉のぼりと一緒に上げられる。風を受けると竿を伝って上へ昇る。
 今から200年ほど前、延岡内藤藩の武士の妻たちの手内職としてつくられるようになったと伝えられるが、その由来はいくつかあり、神話時代の猿田彦の乱暴狼藉を戒めるためとか、延岡藩の旧藩主有馬公が戦の時、背に負った馬印に猿を描き勝利したためとかいわれている。
 人形は木材で猿の型を作り、そこに和紙を何重にも張り重ね、背を切り開き木材の型を取り出し、背を縫い合わせ色付けをする。その猿に金筋入りの烏帽子をかぶらせ小鼓と御幣を持たせた、歌舞伎の前に行う祝儀の舞のいでたち風に仕上げられる。そして、菖蒲の絵の描かれたのぼりにつるされるのである。
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