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2008/7/31


萱草色(カンゾウイロ) Kanzou-iro 

Jp

 萱草(かんぞう)はユリ科の多年草で、すらりとした茎に、ユリに似た八重咲きの橙赤色の花を咲かせる。
 中国で忘憂草と呼ばれていたことから、日本では忘れ草(わすれぐさ)という名づけられ、憂いを忘れたいといった内容の歌が万葉集にある。
 
 忘れ草 
  吾(わ)が紐につく
   時となく
    思ひわたれば
     生けりともなし
 
      *万葉集(巻一二)
 
 平安時代の宮廷では、喪に服している女性が、紅色の袴のかわりに萱草色に染めた袴を着用したことが、源氏物語などにみられる。
 萱草色(かんぞういろ)は、花の名にちなんだ伝統色で、萱草色は花の色のように、やや赤みを帯びた黄色を表すが、染料としては、花はつかわれず、蘇芳(すおう)や梔子(くちなし)の実、山梔子(さんしし)が使われた。
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