NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/8/26


朝日文楽 Asahi-bunraku 

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 明治初期、朝立浦の井上伊助が、松ノ木の瘤や桐の木で、人形の頭や胴体を作り、一口浄瑠璃で人形を操ったことが朝日文楽の起こりとされている。
 その後、徳島県の平六座から本格的な頭、衣装、道具を購入し、財産家、地区住民の支援によって次第に整えられていった。
 人形は一体およそ20キロ。人形一体を3人で動かす。また眉や眼が動く仕掛けもあり、喜怒哀楽の表情や、見栄を切るときの表情に迫力をつけることもできる。
 明治四三(1910)年、大阪の道頓堀の朝日座を模して、朝立の埋立て地に芝居小屋「朝日座」が建てられ、その朝日座を中心に活躍したことから、朝日文楽と命名された。
 以来、戦争などによる盛衰や、高齢化などの問題はあったものの、郷土の誇りとして保存伝承するため、町をあげて努力している。
 昭和三九(1964)年に愛媛県指定の重要文化財にもなり、ますます注目されている。 
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2008/7/16


貞山運河 Teizan-unga Teizan Canal

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 貞山運河(ていざんうんが)は、仙台湾沿いにある運河のことをいう。総延長約四六、四キロメートルの全国一長い運河で、旧北上川河口から阿武隈川河口までを結んでいる。
 仙台藩主伊達政宗は慶長二(1597)年、松島湾と阿武隈川を結ぶ運河の建設を命じた。政宗亡き後も複数の運河が計画され、その後明治一七(1884)年まで建設が続いた。貞山掘とも呼ばれ、伊達政宗公の謚(おくりな)である「瑞巌寺殿貞山禅利大居士」(ずいがんじでんていざんぜんりだいこじ)からその名がついた。
 この時代の物資輸送は舟運が中心だった。当時の内務卿大久保利通は、東北六県の長官に意見を求め、宮城・岩手間の米輸送に欠かせなかった北上川に着目し、北上川と阿武隈川を結んで東北の輸送手段を造ろうと考えた。
 現在の運河は、農業用水路や漁港の一部として利用されるほか、釣りの名所としても知られる。また、七北田川から名取川にかけての運河沿いには、美しい松林が続く海岸公園があり、サイクリングロードなどが整備されている。
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2008/6/2


三鈷の松 Sankono-matsu 

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 和歌山県の高野山に建つ御影堂(みえどう)の前には一本の松がある。松は通常、二葉か五葉だが、まれに三葉の松が存在する。
 それが三鈷の松(さんこのまつ)であり、密教の法具の一つである三鈷杵(さんこしょ)に似ているところからその名がついた。
 その昔、唐で修行した弘法大師が帰国の際、一本のホウキを授けられた。するとそのホウキの間から金色に光る三鈷杵が出てきた。大師は密教の修行にふさわしい場所はどこかを占うため、その黄金の三鈷杵を日本に向かって投げた。
 帰国後、大師は三鈷杵を全国に探し歩き、光り輝く松の木にかかっているのを発見したのが現在の高野山上であったといわれ、真言密教の聖地をこの地に開山した。
 時に大同元(806)年とされる、御影堂前の三鈷の松にまつわる伝説である。
 以来、その松は三葉の松であったことから「三鈷の松」として祀られるようになったのだという。
 現在では参詣に訪れた人々が、縁起物として三葉の落ち葉を持ち帰り、お守り代わりとして大切にされている。
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2007/12/14


花尾神社 Hanao-jinja 

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 花尾神社(はなおじんじゃ)は鹿児島市花尾町にある島津藩所縁の神社。国道を少し離れた田園風景の中に朱塗りの赤い鳥居が立ち、杉の林へ参道が伸びている。
 島津氏初代・島津忠久は源頼朝と丹後局の間に生まれた子という伝説がある。この神社は忠久が薩摩・大隅・日向の三州の守護職に任ぜられた際に御堂を建て、頼朝尊像を安置、創建した。
 現在残る社殿は正徳三(1713)年建立のもの。幣殿や向拝に、鶴と松、牡丹と唐獅子、様々な花や長い牙をもつ象など、明るい色彩の細かな彫刻と装飾がある。さつま日光とも称されており、いつまでも見ていたくなる様な風情だ。
 天井絵は401枚の彩色による精密な草花の写生絵が見られる。嘉永六(1853)年狩野派の絵師・能勢一清が描いたとされているが、現存している絵がそうであるかは定かではない。
 社殿の横には丹後局の墓、御苔石があり、安産・子授のお守りに石の苔を持ちかえる人が多い。
 昭和五五(1980)年に県の有形文化財となっている。
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2007/12/4


松竹梅 Shouchikubai 

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 松竹梅(しょうちくばい)とは日本ではめでたいものとして慶事に使われる場合と三つの等級に使われることがある。
 元々は中国の「歳寒三友(さいかんのさんゆう)」が元になっている。歳寒三友とは「冬の寒い季節に友とすべき三つのもの」という意で松・竹・梅の三つをさす。
 寒さの中でも美しくその緑の色合いを保つ松と竹。冬のさなか他の花に先駆けて雪の中に花と薫りを咲かせる梅。そのことから、高潔、節操、清純の象徴として、この三つが中国では文人画の題材としてよく登場していた。
 この故事が日本に伝わり、常緑の葉を持つ松は平安時代に不老長寿の象徴になり、竹は室町時代の頃よりその節目正しくまっすぐな様子が縁起のよいものとされ、江戸時代になって冬に毅然と咲く梅も縁起のよいものとして加わったことから、鶴亀などとともに慶事によく使われるようになったといわれている。松は最上級、竹は上級、梅は普通という等級の分別に使われることもあるが、縁起物としての登場の順だけで、本来序列はない。
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2007/9/7


泊浜尾崎神社 Tomari-hama-osaki-jinja 

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 泊浜尾崎神社(とまりはまおざきじんじゃ)は宮城県歌津市の泊崎半島の南端、歌津崎、別名尾崎に建てられている神社である。
 奥州に落ちのびた源義経が、神仏の来臨を請うために建てられたのが尾崎神社といわれている。
 神社は尾崎の突端にあり、参道の周囲は老松に覆われている。岸壁にひっそりと佇む風景は独特のものがあり、強い海風に向かいながら海を眺めると、義経の尾崎神社への思いの強さが伝わってくるようである。
 眼下に見える、断崖や岩礁に打ち寄せる波しぶきの様は豪快であり、 天気の良い日には遥か向こうに金華山を望むことができる。
 尾崎神社には、岩手県南部地方から伝わったとされる「虎舞」とよばれた独特な獅子舞が残されている。現在では社殿改築などの大きな業を行った年の例祭などで奉納され、その舞を見ることができる。
 
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2007/8/23


からくり乱杭渡り人形 Karakuri-rangui-watari-ningyou 

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 愛知県碧南地方に伝わる「からくり乱杭渡り人形(らんぐいわたりにんぎょう)」は高さの違う杭を、下駄履きの人形が何にもつかまらずに一本一本渡っていく、というものである。
 最後の杭まで渡りきった人形は、杭から離れ、松の枝先に掛けられた太鼓を叩き、「天下太平楽」の掛け軸を拡げるという一連の演技をする。
 からくり乱杭渡り人形は、二体で一対となっており、天明八(1788)年に名古屋の人形師・舟津藤吉より金七両二分で譲り受けたものである。
 あまりに精巧な動きに、海外公演では「足に磁石が付けられているのだろう」と疑われたほどであったその技巧は、現代においても目を見張るものである。昭和五九(1984)年には碧南市の有形民俗文化財に指定された。
 古くから山車からくりで、東海地方の祭礼余興の主役として演じられてきたからくり杭渡り人形は、現在では四体しか残されていない、大変貴重な人形であり、残すべき匠の技である。
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2007/7/26


えんずのわり Enzu-no-wari Enzu-no-Wari

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 えんずのわりは、宮城県東松島市宮戸の月浜地区に古くから伝わる「鳥追い」を行い、豊作や豊漁、家内安全を祈願する小正月の伝統行事であり、受け継がれてきた行事を今に残す貴重な例として、国の重要無形民俗文化財にも指定されている。
 毎年一月十一日から十六日までの七日間、月浜地区の小学二年生から中学二年生までの男子が、同地区内にある五十鈴神社の下にある岩屋にこもり、寝食をともにし、学校へも通い、この間は子供達だけでの生活が岩屋で営まれる。
 そして十四日の夜に全員で月浜地区の全戸をまわり、松の棒で地面を突きながら「えんずのわり、とうりょうば、かすらわって、すおつけて、えんぞがしまさながせ」(意地の悪い鳥を追えば、頭割って塩つけて、蝦夷島さ流せ)と、唱え歩く。
 翌日には、各戸で早起きをし、薪などで火を起こして「ホーイ、ホイ」と鳥を追いながらその煙で腹をあぶり、一年の健康を祈る。
 昔から伝えられてきた伝統は、未来を担う子供達の手で今も大切に語り継がれている。
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