NIPPON Kichi - 日本吉

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2008/5/2


寝殿造 Shinden-zukuri 

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 寝殿造(しんでんづくり)は、平安時代における代表的な貴族の住宅建築様式である。
 南向きに建てられた高床式の寝殿を中心として南には庭を敷き、寝殿の左右背後に対屋(たいのや)と呼ばれる付属的な建物が、渡殿(わたりどの)でつながれ、上空から見ると「コ」の字型の建物群が形成されているのが特徴である。
 また、庭には池や築山などが造園され、対屋から更に南に張り出した泉殿(いずみどの)や釣殿(つりどの)が池にかかるように造られた。
 建物内部はあまり仕切られておらず、屏風や簾などで用途に応じて間仕切りしていたとされる。
 万事に広く造られていて、大きな敷地を要するのもこの造りの特徴である。あまり位の高くない貴族であっても一町(120m)四方を標準として、一千坪以上の敷地に建てられていた。
 鎌倉時代に入ってから寝殿造を簡略化した「武家造」や、それを経て造られるようになった「書院造」に至るまで、日本における家屋の代表的な建築様式として今に伝えられている。
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2008/4/8


圓満院門跡 Enmanin-monzeki 

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 圓満院(えんまんいん)は、寛和三(987)年に、村上天皇の皇子・悟円法親王(ごえんほうしんのう)によって開創された寺院である。長く天台寺門宗総本山園城寺(三井寺)の中枢に位置していたが、現在は単立寺院である。
 「門跡」の起源は、宇多法皇(うだてんのう)が仁和寺に入室したことに始まるという。師資相承して法脈を伝える「門葉門流」の意味で、祖師の法統の継承者を指す言葉として用いられていたものである。
 皇族や攝関家等の子弟が出家した僧房では、各門流を各々継承することになり、「門跡」とは、皇族その他の出身者によって相承される特定の寺院を指す称号へと変化していったと伝わる。
 圓満院門跡は、全国で17ヶ寺あるうちの門跡寺院の一つで、江戸時代(1603~1867)に建立した書院造りの宸殿と、室町時代(1336~1573)の造園家・相阿彌(そうあみ)乍と伝えられる、名勝史跡指定の庭園が現存している。
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2008/3/5


武家造 Buke-zukuri Buke-zukuri

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 武家造(ぶけづくり)とは、鎌倉時代の武士の館の建築様式のことである。
 平安時代の貴族住宅の様式である寝殿造(しんでんづくり)は、寝殿と呼ばれる中心的な建物が南の庭に面して建てられ、東西に対屋(たいのや)と呼ばれる付属的な建物を配し、それらを渡殿(わたりどの)でつなぎ、更に東西の対屋から渡殿を南に出してその先に釣殿を設けていた。武家造は、この寝殿造りを簡略化したもので、板ぶきの屋根・板敷きの床などの簡素なもので、防備のため一種の城郭の設備が施されていたとされている。しかし実例がないため詳細は不明であり、現在の通説では独自の様式とはされていない。
 また、室町時代の書院造りの祖形となったと考えられており、室町時代初期に建てられた金閣は、1層が寝殿造、2層は武家造、そして3層は禅宗仏殿造という3つの様式が見事に調和し、銀閣寺にみられる書院造への変遷過程をたどることができる。
 因みに江戸時代の武家屋敷と混同されがちだが、全く別の様式である。
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2008/2/27


数寄屋造り(すきやづくり) Sukiyazukuri 

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 数寄屋造り(すきやづくり)は、日本における建築様式の一つであり、数寄屋と呼ばれる茶室建築の意匠を取り入れた建築様式のことである。
 そうした茶室は安土桃山時代頃から見受けられ、これは格式を重んじた「書院造」も確立されだしたころと同時期でもある。
 茶人を初めとした風流を愛する「数寄者」達は、格式ばった意匠や重厚で豪華な装飾を施す書院造を嫌い、シンプルで軽妙な数寄屋を好んだのである。
 茶人として名高い千利休によって完成されたといわれ、書院建築に見られる格式や様式を極力排し、シンプルかつ洗練された意匠になっていることが特徴であり、床の間の上にあり、柱を水平方向につなぐ長押(なげし)を排したり、それに合わせて床の間も小規模なものになっている。
 また、内部空間に落ち着きと静かさをもたらすことを狙って、庇(ひさし)が長めに造られいるのも特徴だ。
 数寄者の先人達は、庇から垂れ込める影にも風流を見出していたのかもしれない。
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書院造 Shoin-zukuri 

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 書院造(しょいんづくり)は、室町時代中期以降に成立した、日本における住宅建築様式の一つであり、通称銀閣と呼ばれる慈照寺の東求堂にある同仁斎が、現存する最古のものとされる。
 特徴として床の間や違い棚、附書院という座敷飾りを備えたものであることや、襖や障子などの間仕切りの発達により屋内が用途に合わせて細分化されていること、畳が敷き詰められていることなどがある。
 元来、書院とは禅僧の住房にある居間兼書斎の名称で、たいていは庭に面した造りとなっていた。
 この書院を中心に構成された住宅様式を書院造といい、格式を重んじ、対面と接客の機能を重視したものとなっている。
 室町時代後期には、寺院や武家住宅に押板や棚、書院を備えるものが造られるようになり、次第に書院造の形式が整えられていくこととなった。
 書院造は、平安時代から続いていた大きな敷地を必要とする「寝殿造」から、建物の外観よりも、内部を進化させていった建築様式といえるだろう。
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2008/1/8


旧取手宿本陣 Kyu-toridejuku-honjin Old Toridejuku Honjin

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 貞享四(1687)年に、水戸街道を通る大名などが利用する宿である本陣として取手宿の名主である染野家が選ばれた。それが旧取手宿本陣(きゅうとりでじゅくほんじん)である。
 寛政六(1794)年に一度焼失、翌年に立て直されたものが現在の母屋である。
 寄棟茅葺、桁行19m、梁間13・3mの大型の民家だが、式台玄関の上部に入母屋破風を造っており、重厚感を出している。
 内部は、宿泊を行う本陣部分と住宅部分が分かれており、三間続きの間や、書院造りの上段の間等があり、風格を重んじた造りとなっている。
 敷地内には、第9代水戸藩主徳川斉昭が天保一一(1840)年に水戸に戻る途中の利根川での船で詠んだ唄「指して行 さほのとりての渡し舟 おもふかたへは とくつきにけり」と、石に刻んだ歌碑が残っている。この歌碑は、後に江戸屋敷から届けられたもので、水戸徳川家と染野家のゆかりを示している。
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2007/10/15


栗林公園 掬月亭 Ritsurinkouen Kikugetsu-tei Kikugetsutei Tea House in Ritsurin Park

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 香川県高松市にある掬月亭(きくげつてい)は、廻遊式庭園として有名な栗林公園(りつりんこうえん)内に造られた由緒ある茶室である。
 公園は寛永二(1625)年頃に讃岐領主・生駒高俊(いこまたかとし)によって造成され、その後、江戸時代に藩主となった松平家によって完成された。
 掬月亭は江戸時代初期の頃に建てられたものであり、松平家が愛用した大茶屋である。建築様式は数寄屋風書院造りの建物で、池を中心として構成されている庭園の象徴的建物となっている。その優雅な姿は池の水面と見事なほどに融合している。また、背景に聳え立つ紫雲山(しうんざん)とも見事なコントラストを描きだし、見る者を幻想の世界へと誘う。
 明治八(1875)年に県立公園となり一般に開放され、現在では、毎月第二日曜日に掬月亭での茶会が催されている。
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2007/5/11


石谷家住宅 Ishitani-ke-jutaku The Residence of the Ishitani family

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 石谷家住宅は、鳥取県八頭郡智頭町にある歴史的建造物。江戸時代から続く名門・石谷家の旧宅だ。
 智頭町は、江戸時代に鳥取県内最大の宿場町として栄えた場所。石谷家の住宅は、この地で最も大規模な建物であった。石谷家は、広く地主・山林経営を行い、石谷伝四郎の代では、政治家として明治二八年から大正十二年まで国政にも携わっていた。
 代々伝わるこの石谷の家を大正八年から十年かけて改築し、大規模な木造家屋に仕立てたのが、現在の「石谷家住宅」である。
 敷地面積は約1万平方m、部屋数は40室、土蔵は7を数える。主屋は武家屋敷風の構え、主屋の庭側座敷は主人居室で書院造り。各座敷からは池泉式庭園が眺められる。様々な様式が調和した豪壮な邸宅は、和風建築の傑作として国の有形文化財および智頭町の文化財に指定されている。
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