NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/9/28


まいまいず井戸 Maimaizu-ido 

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 まいまいず井戸は、東京都羽村市にある五ノ神(ごのかみ)神社にある古い井戸である。
 まいまいずとは、多摩地方でのカタツムリの方言で、井戸の取水口が深く掘り下げられたすり鉢状の底にあり、その取水口までの斜面にカタツムリの殻のような、らせん状の道が設けられていることからその名で呼ばれている。
 大同年間(806~810)のものという話もあるが、その形態や周辺からの出土品などから見て、鎌倉時代の創建と推定されている。
 井戸周辺の地質は、柔らかい砂礫層に覆われており、当時の技術では垂直に掘るのが難しかったため、一端すり鉢上に掘り下げ、比較的硬い層になったところで、垂直に井戸を掘ったため、この形になったと思われている。
 同じような井戸は東京都と埼玉県の西部や武蔵野台地、伊豆七島の一部で見られるのみである。
 無論、井戸としての機能は立派に果たし、昭和三七(1962)年まで使用されていた。
 今は都の指定史跡となり、人と水とのつながりにおける歴史の一例として保護されている。
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2007/9/7


紬織 Tsumugi-ori Tsumugi Silk Textil

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 紬織(つむぎおり)は、真綿から紡ぎ出した糸を経緯に用い、手織りで織り上げられた織物である。
 屑繭などから真綿を作り、指先で糸にしたものを手紡ぎ糸あるいは紬糸といい、それらを用いることから紬織と呼ばれるようになった。
 手紡ぎ糸独特の微妙な凹凸から生まれる風合いや鈍い光沢が特徴で、また、非常に丈夫なことから、古くから日常衣料や野良着などの作業着として用いられていた。
 このため、例え絹であっても正装には用いられなかったが、江戸時代のいわゆる”粋”を愛した通人たちが、その色合いや絹なのに落ち着いた光沢を持つ風合いに渋さを見出し、さりげなく趣味の良さを主張できる粋な反物として、外出着やお洒落着に用い、人気を博した。
 非常に丈夫な分、織りたては生地が硬く、着心地が良くないため、裕福な商人は番頭などに着せて、やわらかくなったところで自分で着用したという逸話もある。
 織りたての硬いものを羽織って、落語よろしく粋がってみるのも良いかも知れない。
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2007/8/24


神居古潭おう穴群 Kamui-kotan-ouketsu-gun 

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 旭川から滝川方面に向け、石狩川沿いに走る国道12号線を進むと、右手に旭川八景のひとつ、神居古潭がある。おう穴群の特殊な景観は、石狩川の急流に沿う約10kmの奇岩に続き、吊り橋の近く1・2kmに渡って見ることができる。
 神居古潭おう穴群(かむいこたんおうけつぐん)は、日本地質百選に選ばれた神居古潭変成岩層が石狩川に浸食されて出来たもの。深さ、直径ともに、0・5から5mの円形の穴は、景観だけでなく、地質学上も貴重な存在だ。昭和41(1966)年、市の天然記念物に指定されている。
 おう穴とは、硬い川底や川岸のくぼみに礫が入り込み、急流によって礫が回転し、長い年月をかけ、硬い岩に円形の窪みを作り出したもの。
 石狩川の流れ、自然のままの落葉広葉樹林に覆われた渓谷、奇岩、おう穴群などの揃う神居古潭は、アイヌ語で神の居る里の名にふさわしい雰囲気を今も持ち続けている。
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2007/8/13


日出の石門 Hii-no-sekimon 

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 日出の石門(ひいのせきもん)は自然が創り出した大きな岩の洞穴で、愛知県田原市沖の太平洋の中にぽっかり浮かぶ沖の石門と、波打ち際にたたずむ岸の石門の2つがある。
 石門の成分は、放散虫の遺がいが海底に沈殿してできた硬い堆積岩で、太平洋プレートの移動とともに現在の位置に移動した。海底の地すべりや強い圧力で隆起し、もろくなった中央部分は太平洋の荒波で削り取られて洞穴になっている。
 その名の通り、日の出の時には神秘的で悠然としたシルエットを描き、元旦には初日の出の絶景ポイントとして沢山の観光客が訪れる。石門付近の眺望は素晴らしく、砂浜はアカウミガメの産卵地でもある。
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2007/6/27


馬淵川 Mabechi-gawa 

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 馬淵川(まべちがわ)は、青森県八戸市他南部~岩手県北部を流れる流域面積2050平方km、流路延長142kmの、馬淵川水系本流の一級河川である。
 岩手県葛巻町にある標高998mの北上高地付近から発し、一戸町から青森県、更に平野部をよぎって八戸市で太平洋に注ぐ。河口付近には八戸港が存在する。
 川の名前は、アイヌ語で大きい川を意味する「マベツ」に由来するといわれている。
 これだけの規模でありながらダムが存在せず、豊かな自然環境と豊富な魚影を誇り、また本州では珍しい北流する川である。
 源流から県境までの流域は硬い古生層地帯からなり、一戸町銚子の口や二戸市馬仙峡など、両岸が絶壁になっている所が多いのも特徴とされる。
 馬淵川は、長く人々に利用され、愛されている川である。
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2007/4/26


針供養 Hari-kuyou 

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 針供養(はりくよう)は折れた針を神社に納めて供養する行事であり、関東では2月8日、関西では12月8日に行なわれることが多い。
 豆腐、こんにゃく、餅などの柔らかいものに古針を刺し、普段硬いものを刺している針を休ませる。
 紙に包み奉納したり、海に流すなど地方により異なる風習を持つ場合もある。
 針の供養と自身の裁縫の上達を願ったのが始まりとされ、当日は針仕事を謹み、柔らかい煮物を食べて手を休める、という女性の休日でもあった。
 和歌山の淡島神社、浅草の淡島社で行なわれるものが有名であり、当日は裁縫や女性の神である婆利才女(はりさいじょ)が祭られ、全国から集まった針を労わり、供養が行なわれる。
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2007/2/28


粟野春慶塗 Awano-syunkei-nuri Awano Lacquer Ware

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 粟野春慶塗は、岐阜県の飛騨春慶、秋田県の能代春慶とともに日本三春慶に数えられる伝統漆工芸である。
 その歴史は春慶塗のなかでも最古で、室町時代中期延徳元(1489)年に、稲川山城守源義明が現在の城里町粟で始めたと伝えられている。
 素材は檜の中で一番硬い石檜を用い、木取りをし、かんながけの後、ウツギの木による木釘で組み立てていく。
 表面の磨きには、トクサを使い、檜材の木目を生かしながら大子産の漆を塗っていく。
 透明度を高め、美しい色を出すために漆に梅酢を加えるのが特色で、製品には、盆・重箱・弁当箱・硯箱等がある。
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2006/12/15


ひば曲物 Hiba-magemono Hiba Magemono

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 青森県の伝統工芸品に指定されている「ひば曲物」。ヒバの木目を生かした曲線が美しい。
 材料となるひばは、日本三大美林のひとつである。寒い北国で風雪に耐えながらゆっくりと育つひばは、年輪も細かで、それだけに硬い。そのひばを、型枠を使わずに「ゴロ」と呼ばれる丸太に少しずつ転がすことで、緩やかな曲線美が生まれるのだ。ひば曲物は、かつては何処の家庭にもあった、ひしゃくやワッパなどの生活道具の製造において活躍していたが、戦後、生活様式の変化に伴い、プラスチック製に取って代わられる。今は職人もただひとりだけになってしまった。
 しかし、ひば曲物で造ったワッパやせいろの良さは実際に使ってみればわかる。赤飯を作っても、金属のせいろと違って木が水分を吸ってくれる。ひば曲物は本物志向のファンに支えられ、今でも伝統を継いでいる。
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