NIPPON Kichi - 日本吉

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2007/5/14


立川裕大 TachikawaYudai YudaiTachikawa

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 1965年、長崎県生まれ。株式会社t・c・k・w代表。
 企業の外部ブレーンとしてデザイン戦略を全般的にサポートするデザインディレクターを務める。
 家具、照明、家電などのインテリア関連プロダクトの企画・商品開発ディレクションを軸に、デザイナー選定、販路開拓、販売促進、アタッシュドプレス(広報活動)まで、デザインが世の中に行き渡るまでに必要な環境整備を全プロセスにわたり手掛けている。
 また、漆や竹細工など、日本の伝統的手仕事と現代のデザインを結びつけながら、新たなプロダクトを生み出す画期的なプロジェクト「ubushina」(うぶしな)と、デザイナーのセルフプロダクトなどを中心に扱うバイヤー向け会員制見本市サイト「MD salon」を自社でプロデュースしている。
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2007/5/11


BEPPU dining table Beppu Dainingu Teburu 

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 ダイニングテーブルという洋風な家具であるのにどこか懐かしさを感じさせる佇まい。
 材料に宮崎県産の無垢の杉(角材75mm)を使い、天板と脚のつなぎは、和風建築において柱と梁(はり)をつなぎ合わせる仕口(しくち)が施されている。
 寸分の狂いもない直角の面と柱の関係がどこまでもモダン。かつて家の柱がそうであったように日々の暮らしの中で一緒に時を刻むテーブルである。
 
■BEPPU
 Dining table
・杉材無垢 オイル仕上
・W×D×H
 1800×825×700mm
・デザイン・小泉誠
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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漆・テーブル天版(彫刻塗り) Urushi・Teburu-tenban(chokoku-nuri) Table ‘Tenhan’ (lacquer-coated carving)

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 ミラノサローネでの展示目的で開発された幾何学模様の彫刻塗りのテーブル。これまで扱ったことのない柄や大きさに職人はかなりのとまどいを感じる。一般に彫刻塗りは絵柄が多く、幾何学模様はほとんどなかったのである。「機械でやったほうがいいのでは」という意見さえ出た。一方このような彫りに漆を塗る場合、顔料が彫りの中に溜まる危険もあった。
 しかしやがて職人魂に火がつく。機械では決して表わせない豊かな表情を持つテーブルに仕上がった時「大変だったが、今までとは全く違う価値観に触れ、空間を意識した物づくりのヒントをもらえた」と喜びの声が職人から上がった。
 今までになかったデザインと技術の結合。それらが噛み合い、機能する環境を整えることで、双方に新たな軸が生まれる。
■テーブル天版
・彫刻塗り
・サイズ W×D×H(mm)
 800×800×25脚は別途
・デザイン
 インテンショナリーズ
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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椅子 Isu chair

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 椅子×職人技
 左の椅子には木肌を磨きこむ木工職人の技が、そして右のそれには革の肌を着せる椅子張り職人の技が冴える。
 一本脚が印象的な木の椅子。その脚の部分に轆轤(ろくろ)を回して木を削る「挽き物」の技術が用いられている。回転運動を利用して作られた造形はじっとしているのに今にも回りだしそうである。
 もう一方は、全身飴色の革がモダンで艶かしい。アパレルショップのためにデザインされたこのイスはスチールバーに厚革を巻いてあるものであるが、その巻きとミシン回しに椅子張りの高度な技術が活かされている。
■一本脚チェア(左)
・マホガニー材 オイル仕上げ
・W×D×H×SH (mm)
540×440×710×450
■チェア(右)
・スチールバー、厚革巻き
・W×D×H×SH (mm)
622×670×750×420
・デザイン(2点とも)
 インテンショナリーズ
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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金箔アクセサリー(純銀箔マット仕上げ) Kinpanku-Akusesari(Jun-ginpaku-mattoshiage) Gold foiled Accessory (sterling silver-foil finish)

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 世界一薄い金箔をつくり出す日本の技術。十円硬貨ほどの金合金を畳一畳分にまで延ばすことができる。そして箔の技術は金だけでなく様々な金属に広がり、色味も多様になっている。
 このリングはアクリルの本体に純銀箔を施したもの。箔の特徴である薄さと、アクリルの透けた質感が重なると、まるで氷のような軽やかで透明感のある表情が生まれた。
 箔の仕上げをマットにすることで、指元に硬質な銀箔の素材感を感じることの出来るリング。
 
■アクセサリー(リング)
・純銀箔 マット仕上げ
・デザイン
 坂 雅子(acrylic)
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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COSI COSI Koshi koshi COSI COSI

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 草木染といえば布や糸といった繊維を染めるための方法として一般的であるが、この家具は、草木染を使用して着色されている。
 木肌を草木で染める。従来あまり試みられなかったこの方法を開発し、自然の持つ色を表現した家具。塗りとは違う染の発色に木の息遣いを感じる。
 
■COSI COSI
・メラピー無垢材
 草木染オイル仕上
・サイズ W×D×H (mm)
 1080×540×360
・デザイン 村澤一晃
■プロデュース
 ubushina 立川裕大
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ubushina(うぶしな) ubushina Ubushina

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 自分が生を受けた土地のことを、古語で産土(うぶすな)と呼ぶ。「うぶしな」はその同意語で、デザインディレクター立川裕大率いる株式会社t・c・k・wが運営するプロジェクトの名称。
 ubushinaは、優れた職人の技術を建築家やデザイナーに紹介し、プロジェクトの全体像の構築や商品企画の立案など技術が商品になるまでをマネジメントする。全国各地の職人の工房や工場を訪ね、その卓越した技術をどのようなプロダクツに活かせばよいのかを練る一方で、建築家やデザイナーの要望に耳を傾け、プロジェクトの全体像を戦略的に描き、最終的に技術やデザインが機能する環境を整えていく。
 注目すべき点は、漆や鋳物、金箔や竹細工など、日本の伝統工芸や職人の手仕事に新たな価値を見出そうとする姿勢だ。職人の技術とデザインを融合し、現在に通じる新しい価値を宿した商品を創造しようとしているのである。
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ウィンドウディスプレイプロジェクト「dunhill Scope」 Uindou-dispurei-purojekuto「danhiru sukopu」 Window Display Project at Dunhill Scope

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 2006年から1年間かけて表参道ブティックにて行われた「dunhill Scope」。
 ディレクター尾谷憲一氏がコンセプトを制作。優れた職人技術を建築家やデザイナーに紹介している株式会社t・c・k・w(代表 立川裕大)がマネジメントを手がけた。
 左は折り紙にインスピレーションを受けた桜のオブジェを用い、「花見」をテーマに作られた。
 美しい花々とかわいらしい自転車が、繊細ながらも独特なビジュアルを作り出している。
 右上の「世界を縫う」と題して作られたこの作品は、伝統やコンセプトを掲げ活動するダンヒルの世界各地での拠点を表現したもの。
 様々な素材で作られた世界地図の上を、無数のラインが結ぶ。
 鮮やかな色彩と素材が、まさに世界各地を表現し、美しい中にも強い印象を残す作品である。
 
■プロデュース・デザイン
 尾谷憲一
■プロモーション
 ubushina 立川裕大
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