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2007/11/29


石川 檜細工 Ishikawa Hinokizaiku Ishikawa Cypress Weaving

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 石川県白山(はくさん)市に四〇〇年受け継がれている伝統工芸である。昭和六三年に県の伝統工芸品に指定されている。
 檜細工は、約四〇〇年前、白山麓の旧尾口村深瀬を訪れた旅の僧が檜傘の作り方を伝授したのがはじまりとされる。以降、江戸時代中期には村の重要産物になった。
 檜細工は、「ヒンナ(またはヘギ)」と呼ばれる檜を薄く切った板を編み上げて作る。代表的な産物に昭和初期に考案された「白山傘」がある。軽くて丈夫、その上雨や日差しを良く防ぐと、屋外での農作業用に重宝されている。
 春の農繁期前には白山傘作りがピークを迎える。年間約700個の注文に対し、伝統を受け継ぐ6人の職人が製作を一手に担う。
 檜細工には、白山傘のほかに、おぼけ、籠、花器などの民芸品がある。そのどれもが「用」の美と端正な意匠を併せ持つ、魅力的な伝統工芸品である。
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かるい Karui Karui Bamboo Basket

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 「かるい」とは宮崎県で作られる竹で編んだ背負籠のことである。宮崎県では古くから農作業時の運搬用具として、穀物や椎茸、肥料などを運ぶために利用されていた。
 材料は日本各地で自生する真竹が使用され、胴部は六ツ目編みで編まれ、縁の部分は増巻縁(ますまきぶち)仕上げがほどこされている。また、編み紐には藁が使われている。「かるい」は自然の産物で作られた生活用具である。
 底の形は安定しない三角状になっている。これは、平地では安定せず不便であるが、急斜面ではこの形の方が安定する。山深い地域ならではの生活の知恵である。
 現在では籠としてだけでなく、花器、状差し、新聞受けなどのインテリアとしても利用され、愛好家の多い工芸品である。
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2007/11/9


草鞋 Waraji 

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 草鞋(わらじ)は、緒で足の甲をしっかり固定して履き、長距離を歩く旅や、山仕事などに用いられる、ワラで編んだ日本の伝統的な履物である。
 中国の植物繊維を編んだ靴である草鞋が伝わったもので、奈良時代にはワラクツと言われていた。
 平安時代以降に日本の気候風土に合わせて工夫され、足指にはさんで履く庶民の履物として農作業や旅の時に利用された。
 草鞋は、足を乗せる台、かかとを受け止める返し、足を結ぶ紐、紐と返しを結ぶ乳からなっており、山歩きや長距離の歩行の際に非常に歩きやすく、昔の旅の必需品であった。
 現在は、祭りや信仰の場で身に付ける履物として存在し、一般的に日常生活では使用されていない。
 草鞋は、かつては旅や労働の時に日常使用されていた伝統の履物である。
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2007/7/4


西浦田楽 Nishiure-dengaku 

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 西浦(にしうれ)田楽は、719年に始められたと伝えられる、大変歴史の古い田楽である。1300年の歴史を受け継ぐと言われる水窪(みさくぼ)地区7集落の22人の能衆が、旧暦1月18日の夜、観音様の祭りに合わせて月の出から翌日の日の出まで、夜を徹して盛大に行うもの。
 田楽は「地能」三十三番と「はね能」十二番から構成されており、前半の「地能」では農作業を模した舞や「猿舞」などが行なわれ、十一の「船渡し」で高さ数mの巨大な松明にご神火が点火される。後半、様々な面をつけ、刀や扇を振りかざして乱舞する「はね能」のあと、夜明けとともに神々を山に帰す「しずめの舞」を奉納して終わりとなる。
 観衆に一番人気なのは前半の七、八の「高足」と「高足もどき」で、これは一本木に飛びついてぴょんぴょん飛び跳ねる、一種の曲芸である。特に「高足もどき」は演者のアドリブが多く、わざと失敗したりして場を盛り上げる。中世からの、田楽舞を人に見せるものとするための知恵である。
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阿蘇の火まつり Aso-no-hi-matsuri 

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 阿蘇の火まつりは単独の祭りではない。三月、地域毎に数々行なわれる諸行事を総称して「阿蘇の火まつり」と呼んでいる。
 根子岳、高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳の阿蘇五岳を中心とした町村各所で行なわれる「野焼き」や「火文字焼き」、阿蘇神社の「火振り神事」などの「火」にまつわる行事がそれである。
 この祭りは、昭和五九年に始まった熊本県の「日本一づくり運動」事業の一環として始められた。
 本来農作業であった野焼きは危険を伴うため、それに代わるものとして「火文字焼き」を始めるなど、5市町村がそれぞれ特徴を活かした様々な催しにまとめられてきた。
 「火祭り」の一大イベントとなった「火文字焼き」は、350mもの「火」の文字が山の斜面を覆うという壮大さである。
 また「火振り神事」は、参道に集まった氏子や観光客たちがカヤの束に火をつけて振り回すという勇壮なもの。御前迎え(ごぜむかえ)とも呼ばれ、阿蘇神社十二祭神のうちの国龍神の結婚の儀式で、火まつりの幕開け行事である。
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2007/2/23


豊岡杞柳細工 Toyooka-kiryuu-zaiku Toyooka Willow Basketry

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 吸湿性に優れ、虫がつきにくく、軽くて使い込むほどに味わいが増す豊岡杞柳細工(とよおかきりゅうざいく)。兵庫県の豊岡市や養父市に伝わる、千二百年もの歴史を持つ伝統工芸品だ。
 起源は奈良時代に遡る。奈良の正倉院には調度品として柳行李が納められている。豊岡盆地の円山川周辺は、原料となるコリヤナギの格好の栽培地で、冬など、農作業ができないときに、農民の副業として製品つくりを行ったのがはじまりとされる。
 今から四〇年ほど前は、若者が地方から上京するときなどに衣類などを柳行李に詰めて鉄道便で送るなど、人々に身近な日用品であったが、高度経済成長とともにビニール製品などに取って代わられてしまった。現在は、伝統の中にも新しい感覚を取り入れる試みが行われ、インテリア用品としても人気を集めているという。
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2007/1/28


両合棚田 Ryouai-tanada Ryoai Rice Terrace

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 1999年、日本の棚田百選に選定され、約4haの耕地が120枚の棚田で構成されている。
 大分県院内町の南部、余谷の東南部に滝貞と小平の集落があり両集落の間を余川の支流、滝貞川が流れる。両合棚田は、その両側の急斜面に広がる狭くて急峻な地形のため石積みで築かれた、田んぼで階段状に幾重にも広がっている。
 このような地形は農作業には大変な労苦が伴い、両集落ともに小集落で、人口減少や高齢化が進んでいる。昔ながらの掛け干しによる稲作を続けており、地域一帯でそのみごとな景観を守り続けている。
 棚田を流れる滝貞川には、石橋の両合川橋が架かり懐かしい風景が残し、田植や刈入れの時期になると多くの観光客や写真愛好家が訪れる。
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2006/12/20


棚田 Tanada Terraced Fields

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 佐賀県一帯には「棚田」という階段状になった田んぼがたくさん存在する。
 先人の知恵が生んだ棚田は、急傾斜の地形でも田植えが行なえるよう考えられたもので、その段々と折り重なる姿は、まるで鍾乳洞によく見られるお皿のようである。
 棚田で出来上がる「米」は上質に仕上がるといわれる。平坦地の水田に比べ昼夜の温度差が大きく稲がゆっくりと熟すこと、必然的に水源に近くなるため、微量元素の多く含んだ綺麗な水を利用していることなど科学的にも実証されている。
 また、国土保全の面からも、「保水機能」「洪水調整機能」「地すべり防止機能」など効果が認められる。
 しかし近年においては、傾斜がきつく農作業が大変なため、耕地放置されるようになる。
 そこで、平成15年佐賀県の棚田を守る目的で「さが棚田ネットワーク」が発足。市町村一体となって取り組む。
 優れた機能と美しい景観がマッチした棚田は日本の原風景として心に残るものである
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